東京・新宿歌舞伎町1丁目セントラルロードで7月9日「第35回全国氷彫刻展夏季大会」が開催され、ホテルグランドヒル市ヶ谷からは木村周三さんと高橋壮紀さん2名(ともに洋食課)が出場した。
同大会の課題は1本135kgの氷柱を用い、40分の時間制限のもと氷像を彫る。全国から集まった100名もの選手が、それぞれ独自の世界を作りあげた。
当日は曇り空で、氷を解かす日差しも雨もなく、制作には好条件だったようだ。スタートの呼び声がかかると、選手たちはいっせいに氷の柱に立ち向かう。いくつもの道具を使いこなし、全力で彫る姿が印象的だった。
グラヒルシェフ大健闘
木村さんの作品名は「飛びたい…」で、翼をもつ女性の気持ちを表現。羽の細部まで美しく彫られ、飛んで行きたいのに飛べない悲しさが、その透きとおる氷の翼に表れていた。
そして高橋さんの作品「初恋」は、男の子が女の子に帽子をかぶせてあげようとする姿をかわいらしく彫りあげていた。
今大会では、過去にない40分という短い時間内で完成させるための形を考慮する必要があり、時間配分も重要なポイントとなった。2人とも「下書きせずに氷に自分の画をイメージして彫った」と、普段の練習の積み重ねが無ければ難しい事を本番で実行し、作品の完成につなげた。高橋さんは「思ったより時間に余裕ができて驚いた。集中して作品に取り組めてよかった」と満足の表情を浮かべていた。
次回に向けて思い新たに
また、今回はスタートに時間差があって他の選手たちの制作過程を見ることができ、2人にとって大いに参考になったようだ。
今大会では入選を果たすことができず惜しい結果に終わったが、2人の表情は短い時間内にやり遂げた達成感にあふれていた。木村さんは「力を出しきれた事がなにより大きい」と、悔いの無い大会になったむねを語ってくれた。思いはすでに次回の大会に向かっているのが伺え、今後のグラヒルシェフの躍進が楽しみに感じた一日となった。
|