防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース 防衛ホーム新聞社 防衛ホーム新聞社
   2004年12月1日号
1面 2面 3面 6面 7面 8面 9面 10面 11面 12面

南極観測へ出航
<砕氷艦しらせ>
古庄海幕長
「本年は改革元年、チャレンジ精神で任務完遂を
総行動日数151日、総航程2万マイル
大勢の家族や仲間に見送られて晴海港を出港するしらせ
 第46次南極地域観測協力を行う海上自衛隊の砕氷艦しらせ(艦長・大平愼一1佐以下乗員約170名)が11月14日、東京港晴海埠頭から出航した。
 出航当日、停泊中の「しらせ」には朝から見送りの家族や友人、関係者が訪れ、甲板で隊員と記念撮影をしたり艦内を案内したりと航海を前に思い思いの時間を過ごしていた。その中の一人で、今回「しらせ」で艦内の物品調整を担当する補給課の横道1曹は前回に引き続き2回目の乗艦。「しらせ乗艦は多分これが最後となるので自分の目でしっかりと南極を見てきたい」と意気込む夫に対し、妻は「前回は温暖化の影響で揺れが少なかったので今年もそうだといい」と長旅の疲労を、気にかけていた。またエンジンを担当する機関課の中川2曹は「始めての海外だけど先輩から業務内容はしっかり聞いているので不安はない。事故がないよう任務に努めたい」と。ベッドに家族の写真を置いて無事に帰ることを誓った。見送りのため九州から上京してきた母から「きちんと仕事が出来るか心配だけど、頑張って!」と励ましの言葉がかけられ、家族総出のあたたかい応援を身にしみて感じているようだった。
 10時40分、古庄幸一海幕長が乗艦し栄誉礼を受けた後、乗組員に訓示し「従来の手法や考え方にとらわれず、本年を改革の元年「維新元年」ととらえ、チャレンジ精神をもって新たな方途を探求し、大平艦長のリーダーシップの下、一致団結して実力を充分発揮するように」要望した。
 正午、音楽隊の演奏が響く中、涙で目を赤くした家族や恋人、力強い声援を送る関係者ら大勢に見送られしらせは出航。色鮮やかな紙テープで飾られた甲板から隊員が手をふって応え、しらせは東京港を後にした。
 今次の観測では、過去100万年間の気候変動を明らかにするための「ドームふじ基地」での深層コア掘削、対流圏エアロゾル採取のための気球観測など大規模なプロジェクトが計画され、気候変動メカニズムの解明が期待されている。総行動日数は151日(うち南極圏行動日数99日)、総航程約2万マイルで人員輸送や物資輸送に加え、艦上観測支援、野外観測支援、基地作業支援などを行い、来年4月13日に帰国する予定。

台風23号被災者に義援金を寄付
―舞鶴海曹会―
 10月20日夜から21日の未明にかけ二本を縦断した台風23号に係る海上自衛隊の災害派遣では、舞鶴市西部を流れる「由良川」沿いの国道175号線で立ち往生して取り残された観光バス乗客の救助をはじめ付近住民の捜索救助活動など、舞鶴在籍部隊の活躍が報道され、市民から大きな信頼を得た。
 一方で、同台風は、土砂災害や家屋の浸水など市民に大きな爪痕を残した。そこで、舞鶴海曹会を中心に舞鶴在籍の隊員から被災者に対する義援金を募ったところ647,000円の募金が寄せられた。10月29日、隊員を代表して舞地隊先任伍長が、舞鶴の自衛隊員として、また舞鶴市民として、一日も早い復興を祈念する旨を伝えつつ、この義援金を舞鶴市災害対策本部に寄付した。

横須賀自衛隊剣道大会
少工校Aが2連覇(団体戦)
 第8回横須賀自衛隊剣道大会が10月30日、海自第2術科学校体育館で開催された。団体戦10チーム、個人戦、5段以上の部、4段以下の部、女子の部に約100名が出場、各試合で熱戦を繰り広げた。
今年は、諸般の事情により昨年と比べ、参加団体が4チーム減少したことにもかかわらず益々元気な海自OB会(群青会)の参加もあって、会場は大いに盛り上がっていた。
 団体戦は、少工校Aが昨年に続き優勝。そのほかの部隊は稽古不足が否めなく、また若さに対応できないところも。
 個人戦では、5段以上の部で尾崎3曹(1護群A)が優勝。4段以下の部では小見山士長(横地隊A)が昨年に続き優勝した。今年度は、関東自衛隊剣道大会、全国自衛隊剣道大会そして海上自衛隊柔剣道大会が開催予定されており、両名の活躍が期待されている。
 女子の部では、時川3曹(陸自久里浜)が優勝、2位、3位も陸自久里浜が独占した。今大会には女子の参加が少なく、試合方式をリーグ戦に変更する場面もあり、横須賀自衛隊剣道大会事務局では「次回は各部隊の女子選手の多数の参加を促したい」としている。
 表彰式では、成績優秀者に、優勝杯、賞状、メダル、盾などが授与された。
※大会成績は次のとおり
<団体>▽優勝=少工校A▽準優勝=横地隊A▽3位=横地隊B、1護群A
<個人・5段以上の部>▽優勝=尾崎貴光3曹(1護群A)▽準優勝=榎本勝曹長(防大)▽3位=増村幸喜2曹<同・4段以下の部>▽優勝=小見山雄丞士長(横地隊A)▽準優勝=松岡伸哉3士(少工校A)▽3位=正田洋士長(横地隊A)<女子個人>▽優勝=時川由美3曹(陸自久里浜)▽準優勝=市丸由恵1士(同)▽3位=長野洋子1士(同)

大学就職担当者等会同を開催
<東京地連>
技本1研、陸幹校など研修
 東京地連(部長・木崎俊造陸将補)は11月5日、目黒基地で大学就職担当者等会同を開いた。
今回の会同では同基地内にある技術研究本部第1研究所と陸自幹部学校の見学会が盛り込まれ、事前の問い合わせが相次ぐなど関心の程が高く、大学就職課関係者はじめ大学生、今期幹部候補生合格者など約70名が参加した。
一行はまず施設見学会に参加。第1研究所では概要説明のあと、展示室や艦艇試験甲の長さ247メートルの巨大な水槽を見学、続く幹部学校では青木校長が同校の教育について述べ、実際に学生らが図上演習に臨む教育現場を研修した。
 会同では木崎部長の挨拶に引き続き、河津募集課長から一般幹部候補生の採用についての詳しい概要が多彩なデータをもとに説明された。また、一般幹部候補生キャリアの代表として幹部研究員の佐々木1陸佐が防大出身者との違い、自衛隊の魅力などを自らの豊富な経験をもとに語り、「22年勤務して思うのは、自衛隊は努力にみあった成果とやりがいのある仕事。人生を賭けるにふさわしい組織」PRした。
 最後は陸海空の一般幹候生のリクルーターが加わり、質疑応答が行われ、会場からは具体的な質問や素朴な疑問が次々と飛び出した。参加者は「明確な回答で参考になった」「非常に安心した」と話し、内定者からは「今日、参加してますます意欲が出た」との声が聞かれた。

高校『総合学習』に協力
<大阪地連>
 大阪地連(部長・荒川龍一郎陸将補)は10月29日、中部方面航空隊(八尾駐屯地)とともに、私立柏原高校教諭7名と生徒90名に対し「総合的な学習の時間」の支援を行った。
 同校に対する協力支援は、昨年に続き3回目で、この日、生徒達は、中部方面航空隊・遠藤広報班長から八尾駐屯地と航空隊の概要・活動などについて説明を受けた後、10名ごとの9コ班グループに分かれて基地教練を実施した。主に、停止間の動作を実施し、初めての初めての動作に戸惑う人が多数見られたものの全員元気よく臨んだ。最後は、一番上手に行った9班の学生が、みんなの前で訓練した成果を披露した。
 引率した教諭も最初は心配そうに見ていたが、助教の号令にすばやく反応する学生の動作を見て感心していた。
 その後、格納庫に行きLR−1、OH−6、UH−1などの航空機を見学し、はじめて身近に見る航空機に感動していた。最後は、整備工場前に駐機していたUH−1の前で全員で記念撮影をして、約半日の学習を無事終了した。
 今回、学校との連絡先窓口となった大阪地連八尾分駐所の中村所長と河野広報官は、「総合的な学習の時間」について今後も積極的に学校に対し支援し、防衛庁・自衛隊に対する理解をより深めていくよう努力していきたいと力強く感想を述べた。

入隊予定者を無事引率
<新潟地連>
 新潟地連(部長・中野陽一郎1陸佐)からの海自入隊予定者4名と引率者1名は、台風23号の影響を受け、新大阪駅で立ち往生をする事態となった。
 入隊予定者と引率者の5名は、10月20日に新潟駅を出発して、同日に海自呉教育隊に着隊、翌日の身体検査に備える予定だったが、新幹線が台風上陸のため新大阪駅で折り返し運転に変更となり、同駅での立ち往生を余儀なくされた。
 引率者である新潟募集案内所広報官の伊藤整一2海曹は、現状を本部に報告し指示を仰ぐと共に不安が広がる入隊予定者には明るく振る舞い「必ず呉まで送り届ける。頑張ろう」と勇気づけた。
その支持を受け、同じく大阪駅にいた各地連の引率者と連携し伊丹駅まで移動、同駐屯地の支援を受けることができた。
 翌日には、新幹線ダイヤの乱れが残るなか、呉教育隊に無事着隊し、入隊予定者も移動の疲れが残ってはいたが、身体検査・宣誓制約を経て全員が任官した。

ホーク年次射撃を実施
―1高特団―
全国第1位に輝いた1高特群の射撃場面
 第1高射特科団(団長・伊藤隆将補)は米国マクレガー射場で平成16年度ホーク年次射撃検閲を、第1高射特科群(群長・天草洋1佐)が10月2日から10月16日、第4高射特科群(群長・門司佳久1佐)が10月17日から11月3日の間それぞれ実施した。
 今年度はホーク部隊の米国実射撃訓練開始から40周年に当たる節目の年であり、団長も渡米し、訓練を視察した。
 各群は例年にもまして気合が入り、成果については、第1高射特科群が96・8%、第4高射特科群が95・2%と両群共に優秀な成績をおさめ、千歳空港と旭川空港に逞しく日焼けした姿で帰国した。
 特に第1高射特科群は全国第1位の成果を残した。

3面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2008 Boueihome Shinbun Inc