乗員、一致団結 続いて古庄海幕長が、現在1100名の隊員が海外で活躍していることを踏まえて「国際感覚を養い」さらに「カリブ海、大西洋と変化のある航海は訓練に絶好、海を好きになり、時に千変万化の大自然の力を知り、司令官の下に一致団結して立派な士官に成長してほしい」と要望を述べた。結びに、隊員家族には今後とも理解を呼びかけた。 東郷司令と各艦長および実習生代表が支援団体の代表から花束の贈呈を受け、決意の敬礼を岸壁に残して艦隊に乗り込んだ。乗艦者の列に拍手と声援が贈られた。 遠洋航海を通して海に慣れ、幹部自衛官として必要な知識と技能を体得した初級幹部たちは、諸外国との友好親善の絆を手土産とし151日後、再び晴海に姿を現す。一回り大きくなった一群を乗せ9月17日、練習艦隊の汽笛が秋空に響くはずだ。
総航程は地球を半周。砕氷艦「しらせ」が「第45次南極地域観測協力」を完遂し、無事に帰国した。艦長・原口一之1海佐以下、乗員171名の胸には青の防衛徽章。海外で活躍した者の証だ。一層逞しくなった隊員を家族が出迎え、151日ぶりの再会を祝った。後部飛行甲板で行われた帰国式典では海幕長・古庄幸一海将から労いの言葉があり、留守を預かった家族の方を振り向いて「無事に艦長以下、総員帰って参りました。今後もよろしくお願いします。今日はありがとうございました」(4月12日、東京港晴海埠頭HI岸壁) お台場の高層ビルを背に、ゆっくりと現れたオレンジの艦体。3月上旬から快調に氷を割り北上し、3月26日に67人の観測隊員をシドニーに届けて、以降も順調に航海を続けてきた。 甲板に整列した隊員の輪郭が晴天に浮かび上がった時、それまで穏やかだった岸壁の一隅が色めき立つ。 10時には予定通り入港。練習艦隊音楽隊のマーチ演奏が「しらせ」に届く距離になると一転して、子供達も静かに接岸作業見守る。 だが来賓の乗が済むと、再び目に見えてせわしく、300人の隊員家族は堰を切って「しらせ」艦内に吸い込まれた。 飛行甲板には儀仗隊が整列し古庄海幕長に対し栄誉礼。横須賀総監・齋藤隆海将、防衛部長・倉本憲一海将補、文部科学省の幹部が列席し帰国式典が行われた。原口艦長と隊員の職務精励に対し、2級表彰が贈られた。