9月29日午前10時55分、三重県知事から台風21号による行方不明者の捜索・救助、孤立した住民救助並びに給水支援の要請を受けた33普連(連隊長・井上茂利1佐=久居)は、師団の増援を受け、県内の宮川村、紀伊長島町、海山町へ災害派遣に出動した。
要請を受けた33普連は、初動派遣部隊29名を要請のあった海山町へ派遣。次いで主力は他県で訓練中だったため、残留者で派遣部隊を編成して現地へ急行した。一方、他県で訓練中の連隊主力を急遽、久居駐屯地に帰隊させ、速やかに災害派遣準備を行い、逐次災害現場へと向かった。
宮川村へ災害派遣
「山津波」と昔の人が恐れていた土砂災害が発生した宮川村では、土砂が民家を飲み込み行方不明者や道路崩落など大きな被害をもたらした。現地に到着した隊員らは雨の激しく降る中、土砂によって押し流された家屋や岩などを掘り起こし、行方不明者の捜索活動を懸命に行った。翌30日以降は天候も回復し捜索活動は順調に進んだが、残念ながら5名の方を遺体で発見した。
また、現場は急峻な所に位置しており、水位が増している濁流の宮川のそばでの捜索活動は、ロープなどで身の安全を確保した状態での危険な活動になった。
一方、断水状態の地域に対しては給水活動などを行った。
紀伊長島町へ
老人ホーム内に取り残された約80名のお年寄りを学校などの安全な場所に輸送したあと、工事現場で行方不明となっている男性の捜索を開始。29日夕から30日早朝にかけて懸命の捜索活動を行っていたところ、同日午前、難を逃れて隣村で行方不明になっていた男性が発見され、捜索隊はホッと胸を撫で下ろしていた。
海山町へ災害派遣
到着した初動派遣部隊は、速やかに行方不明者の捜索に取りかかるとともに救援物資などを避難場所へ輸送した。
廣瀬師団長が視察
災害派遣間、第10師団長・廣瀬清一陸将が災害派遣活動を行う宮川村を視察し、懸命な活動を行う隊員に、声を掛け激励した。
10月5日15時、知事からの部隊撤収要請により富川村での給水活動を行っていた部隊を撤収、一連の災害派遣活動を終了した。
この度の災害派遣活動では、派遣人員数延べ約1,900名、車両数延べ約300両に達した。
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