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   2004年2月1日号
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Nice Guys シリーズ
航空自衛隊は技術者集団
中原准尉は電算機処理員一筋
「最新情報に耳を傾け理解していく」
 中原茂雄(なかはら・しげお)准空尉=第5術科学校(昭和27年生まれ、愛知県出身)
 〈部隊歴〉▽昭和50年、第1教育隊新隊員173期▽50年、第2補給処、▽57年、補給本部▽平成4年、中央航空通信群▽11年、第5術科学校
 〈システム(プログラム)開発歴〉▽昭和53年、補給処システム換装(入間)▽58年、補給処調達システム開発(岐阜)▽61年、基地補給分散システム開発(入間)▽平成4年、基地システム導入(市ヶ谷)
  ◇ ◇
 〈航空自衛隊に入隊した動機〉
 自衛隊に入る前は、会社に勤めていましたが、昭和50年の5月、名古屋駅で地連の人から声をかけられ初めて自衛隊を意識するようになりました。その後、自衛隊は時間で行動し規則正しい生活(起床から消灯まで)をしていると聞き、一度体験したいと思い入隊しました。
 〈電算機処理員を目指したきっかけ〉
 自衛隊に入隊する以前、趣味でミニコンピュータを使ったことがありました。教育隊で職種を選ぶとき電算機処理員があることを知り、コンピュータをもっと知りたいと思い選びました。
 〈電算機処理員の業務〉それぞれの電算機により業務内容は異なりますが、電算機の操作やプログラム等の作成を行います。
 〈現在携わっている業務について〉
 准曹士に対し、電算機の教育を行っています。また、科の先任として、庶務業務も行っています。
 〈長い電算機処理員としての経験の中で、特に思い出深いエピソード〉
 昭和60年頃、補給本部で補給端末の維持管理を担当していた時のことが思い出されます。その頃はパソコンの出始めで、当時25万円くらいで買えるパソコン(ディスプレイ付)は、メモリが1MB、ハードディスクはついていませんでした。
 21基地の部隊に、補給端末としてハードディスク付(10MB)のパソコンが導入されました。部隊で補給端末を操作する人は、全員補給職域の人が行っていました。
 補給端末でトラブルが発生したときの対処をするのが私の担当です。トラブルが発生する場所は、各基地なので電話で解決しなければなりません。対処要領は、電話で相手のトラブルの状態(画面のどこにどのような文字が出ているか、どのような操作をしたか)を聞き、端末操作員に様々な操作をお願いし解決します。
 今のようにパソコンが普及されていないので、パソコン用語(スペースキー、エンターキー、ファンクションキー、コントロールキーなど)を聞き慣れていない人もいるので、スペースキーを押してもらうにも「キーボードの中央下にある横長のキー」などと説明して行いました。そのため、トラブルを解決するのに1時間以上もかかることがよくあり、苦労して解決したときは電話を通し2人して喜びました。
 また、補給端末の普及教育で各基地へ行き、端末操作員と会ったときなどは、初対面なのに懐かしく思いました。補給端末を通し、各基地の人と知り合えたことが大変うれしく思っています。
 〈電算機処理員として心がけていること、モットー〉
 コンピュータの技術(ソフト、ハード)は日々変わっています。興味を持ち、進んで最新情報に耳を傾け、自分なりに理解していくように心がけています。
 〈後輩に対するメッセージ〉
 自分の周りで、パソコン等で困っている人がいたら、自分のできる範囲で助けてあげてもらいたい。自分の知識を外に出すことにより、自分の気づかなかったこと、知らなかったことを見つけることができます。
 〈奥様へ一言〉
 「ありがとう」の一言を送りたいです。
 喜怒哀楽がはっきり出ますが、いつも明るく振る舞ってくれていますので、仕事を終え家に帰ったらホッとし、疲れも吹っ飛んでしまいます。

空幕長が優良提案褒章授与
現場の提案が業務を向上─。航空幕僚監部では1月21日、平成15年度優良提案褒章授与式が行われた。
 「優良提案褒章」は、前年度空幕長に報告された「独創性、応用範囲が優れているもの」「改善後の効果が大きく他部隊などにも広く参考になるもの」のいずれかを満たした業務改善提案の中から、特に優秀な提案者に与えられるもの。今回は約5000件の提案の中から審査、選出した結果、4名の隊員に授与された。
 中部航空警戒管制団の岩田雅史2空佐は「精密検査結果データ管理用ソフトウェアの作成」により受賞。すでに一部病院などで試用され、今後は全国で運用の予定だ。
 第12飛行教育団の藏田衛紀1空曹は、素人でも簡単に鉄板が切断できる「プラズマ切断用治具の作製」により評価された。
 「T−4型機アキュムレータ分解、組立治具の作製」で受賞の第13飛行教育団、河口健吾3空曹、金村保典空士長、石本誠空士長の3名は、文殊の知恵で軽量化に成功した喜びを分かち合った。
 空幕長・津曲義光空将が4名に賞状とメダルを手渡し、「多くの中から選ばれた非常に優秀な提案だ。これからもさらなる向上のために頑張って欲しい」と労いの言葉をかけたあと、列席で、輝く鳳凰のペンダントを胸に記念撮影を行った。

ミュージシャン つのだひろ氏、空幕など訪問
 ミュージシャンのつのだ☆ひろ氏が1月15日、家族らと防衛庁を訪れ、橋本誠一空幕総務部長、谷野淳一空幕広報室長、河村仁陸幕広報室長を表敬した。
 つのだ氏は、自身のマネージャーの実弟が航空中央音楽隊員であることが縁で、昨年の「自衛隊音楽まつり」を鑑賞。立川駐屯地の空音に見学に行くなど、音楽を通じて、自衛隊に関心を持ち交流を深めており、この日初めて来庁することとなった。
 一行はまず、空幕広報室を訪れ谷野室長らと懇談した。音楽まつりの話になると、つのだ氏はその時の感動を再びよみがえらせ、「リピーターがあれだけ多いコンサートは他にない。全出演者が本当に素晴しかった」と音楽隊の高い芸術性や統制のとれた自衛隊の演技を称えていた。
 続いて空幕総務部長室へ橋本部長を訪問。子供たちを交えながら、これまでの自衛隊との交流などについて和やかな雰囲気で談笑した。また、航空自衛隊の生徒隊を受験し、結果発表を目前に控える長男の呂敏(ろびん)君(15歳)に橋本部長から、入隊後のあらゆる可能性と期待を込めてエールがおくられた。(=写真)
 その後見学した市ヶ谷記念館では、市ヶ谷台の歴史などの説明を受け、熱心に館内を見てまわった。見学を終えた呂敏君は「身近に自衛隊に入隊した友達がいて、自衛隊の話は普段から学校でもしている。もっと色々見てみたいし生徒隊に受かっているといい」と話し、姉の里澄(りずむ)さん(17歳)は「隊員がみんなかっこよかった。違和感のようなものもなくてとてもやさしかった。歴史が好きなので記念館での話が興味深かった」と感想を話していた。

2003年国連軍縮フェローシップに参加
施設学校研究部 3陸佐  倉田 一
 平成15年8月31日から同年11月7日までの間、国連軍縮局が軍縮に携わる(もしくは今後携わるであろう)国運加盟国各国の若手外交官や国防関係者を対象に行った2003年国運軍縮フェローシップ・プログラムに日本を代表して参加するという機会を得ましたので、その所見の一端を述べてみたいと思います。
 国連軍縮フェローシップとは、特に発展途上国における軍縮専門家を育成するために1979年以来毎年実施されているプログラムで、その参加者は、地域のバランス、参加実績を考慮しつつ国連加盟国の中から毎年25名前後選抜されています。プログラムの内容は、約10週間かけて、スイス(ジュネーブ)を皮切りに、オランダ(ハーグ)、ドイツ(ベルリン)、オーストリア(ウィーン)、日本(長崎、広島)、アメリカ(ニューヨーク)を歴訪し、国連、ジュネーブ軍縮会議、化学兵器禁止機関(OPCW)、国際原子力機関(IAEA)等の国際機関、核研究所等を研修するとともに、大量破壊兵器の問題から地雷除去の現状、小型武器の不正取引の問題等に至るまで国際社会が抱えている軍備管理・軍縮の問題について各国の軍縮大使、軍縮専門家と幅広く話し合うというものです。
 今回は、ロシア、中国のフェローをはじめ、カシミール問題で対立しているインド、パキスタン、小型武器の不正取引で頭を抱えているアフリカ諸国、中南米等々の国から30名のフェローが集まりました。日本からの参加は、一昨年の航空自衛官の参加に引き続き、フェローシッブ・プログラムの歴史の中で、私が通算2人目ということもあり、軍備管理・軍縮分野における日本の役割への更なる期待がうかがえる形となりました。
 ジュネーブ軍縮会議、国連総会第一委員会等の研修においては、軍備管理・軍縮関連議題の論議や交渉の進め方、決議案の提出から採択までの流れ等について理解を深めることができました。特に、多国間交渉においては、会議に先立つ水面下での調整が重要で、レセプション、非公式会議、電話等を駆使した良好な人間関係に基づく根回しが会議の趨勢を決定するといっても過言でないことを学びました。また、化学兵器禁止機関(OPCW)、包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)、国際原子力機関(IAEA)等の国際機関の研修では、各機関の業務内容、現状と問題点等について、その概要を修得するとともに、各機関が実施する査察業務等において、高い専門知識をもった軍人登用(軍事アドバイザーとしての役割)のニーズが高いことを実感しました。更に、国際機関の研修、ドイツ連邦政府、日本政府による招待、各研究センター主催によるセミナー等を通じ、国際安全保障、軍備管理・軍縮に関する最新の情報を入手し、国際社会における軍備管理、軍縮の今後の展望を知り得たことも大きな収穫でした。
 一方、国連加盟国各国軍縮大使のブリーフィング、各国フェローとの交流・討議等を通じて、国際安全保障問題、軍備管理・軍縮問題について、国家間の意見の違い、温度差というものを強く感じました。特に大量破壊兵器の拡散と小型武器の拡散に対する先進国と発展途上国の危機意識の違い−−つまり、先進国が大量破壊兵器の拡散問題を最優先課題として取り組んでいるのに対し、発展途上国側は、小型武器の不正取引、拡散問題を中心課題として位置づけていること−−は、国連主導による軍備管理・軍縮施策の舵取りがいかに難しいものであるかを物語る証左でもありました。
 今回参加したフェローのうち国防省関係者はわずか4名、そのうち軍人は2名、残りのフェローは外務省関係者ということもあり、討議等を通じて苦杯をなめる場面もありましたが、数少ない軍人の一人として参加したことにより、軍事的見地から地雷の除去、小型武器の特性等に関して専門的な意見を提供し、各国フェローから一目置かれることもしばしばでした。また、約10週間に及ぶ研修のほとんどを各国のフェローと共に過ごしたことにより、強固な団結心が芽生え、良好な人間関係を築き上げることができました。
 言うまでもなく、本プログラムで培った人間関係は今後大きな財産になるであろうと確信しました。本プログラムを主催した国連軍縮局のザレスキー調整官の言葉を借りるならば、まさに「軍備管理・軍縮マフィア」の一員としてその名をフェローの歴史に刻むことができたと自負しております。最後に、貧弱な英語力でしかも私自身が軍備管理・軍縮分野に精通していなかったという状況の特質上、自分の思いがなかなか伝えられないもどかしさを感じる場面も多々ありましたが、軍備管理・軍縮をめぐる現状と今後の展望を自衛官の立場から研修できたことは、今後、自衛隊として軍備管理・軍縮の分野でどういった協力ができるのか?という問題を考える上で多くの指標を得ることができたと思っています。
 今後は、本ブログラムで得た問題認識、軍備管理・軍縮に関する知識、国際感覚を常に忘れることなく、その成果を職務において還元していきたいと思います。

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