自衛官にふさわしい処遇を 先般北方と警察が共同図上演習を行ったとのことですが、こういった演習はこの先、全国的に展開されるのですか。 警察官にしても自衛官にしても第一線でその地域の治安を保つのだと、そしてわが国の治安に対して攻撃を加えるものを排除するのだという目的を持ってやっているわけですから。そこにおいて働く自衛官と警察官の共通の使命感というのはあるのだろうと思います。実際の問題点がいくつも浮かび上がってくる現場で議論を繰り返していく、それを積み重ねて「霞ヶ関」と「市ヶ谷」あるいは「永田町」そこできちんと決断を下していく事が大事なのだろうと思います。 PKF(国連平和維持隊)後方支援業務隊については確実な成果と実績をあげています。今後さらに、PKF(国連平和維持隊)本隊業務まで求められたらいかがお考えですか。 PKF本体業務の凍結解除はいたしておるわけです。現在、東チモールで行なわれているのはPKFではなくて後方支援業務ですから、解除はしたけれどまだ実際にPKF本体業務は行なっていない。ということですので、PKF本体業務の凍結解除をして実際に行くとなった時に特に武器の使用について、今のままで本当に安全に任務が遂行できるかということはもう一度検証してみる必要があるような気が私はしております。もちろん、それは国会における議論ですから、まだ前回のPKO法改正の時にはその議論をきちんと詰めたか、ある意味実際に東チモールが迫っていたので凍結解除をしたという一面はあるわけです。ですが、東チモールで行なうのは後方支援業務でしたから、本当にその議論に直面して徹底して議論が行なわれたとは思っておりません。
鳥取県庁に危機管理で自衛官 大臣の地元鳥取県と自衛隊の連携は非常に「いい関係」だと聞きましたが。 理想的といえば理想的といえますね。私と坂田善穂地連部長(現八師団幕僚長)で一座を組んで、共同講演も7,8回やったと思いますよ。最初に地連部長が1時間話して、その後私が1時間話して、質疑応答を受けてというものです。そういうパターンで二人で7ヶ所くらい回ったかな。私だけが話していても「何が実際に、防衛庁・自衛隊に勤務したことも無い者が」、という話になりますけど、実際に制服自衛官が講演してその後、私が話すと「ああ、なるほどね」となるわけです。この間、鳥取で会場に入りきれない人が来てやった講演は、知事と地連部長とサリン事件の被害者とNYのテロの被害者といった人たちとでパネルディスカッションするというものでした。なかなか面白かったそうですよ。 よく災害などが発生するとどこに連絡すればいいのか分からないというのがありますが、鳥取県の場合は県の方で危機管理に関して自衛隊ともよくやってるそうですね。 「鳥取県西部大地震」というのが一昨年ありまして、そこで自衛隊が非常に迅速・的確にやってくれたと聞かされています。坂田地連部長は実はその時、病気をした直後で入院していたのですが、地震発生直後にとにかく担架に乗って知事室に行き、災害対策本部のソファーに横になりながら迅速・的確に動いたそうです。それに知事は感銘を受けて、県庁に制服自衛官を入れよう、そして消防からも警察からも来てもらって、危機管理官の下に制服3人を置こうということで、今は3人で一座を組んで鳥取県39市町村を巡回してそれぞれの防災態勢を整えている。自衛官と市町村長たちが常に意思疎通ができることが必要で、知事がよく言うのは「災害が起こった時に名刺交換してるようでどうするんだ」という話です。鳥取県も知事なり地連部長なりの行動力があって、ある意味自衛隊と行政との関係は1番いい形ではないでしょうか。 自衛隊始まって以来の緊張感のあるこの時の防衛庁長官は一時の息も抜けないと思いますが大臣の言われる一分一秒のご活躍を期待しています。本日はどうもありがとございました。 ありがとうございました。