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スペーサー
自衛隊ニュース   1092号 (2023年2月1日発行)
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令和5年始動! 訓練始めで団結力強化
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海自第5航空群
我が国の安寧を維持する夢を堅持
 海上自衛隊第5航空群(群司令・高田哲哉海将補=那覇)では1月10日、朝から気温が14度を超えるなかで、年頭行事が行われた。
 第5航空群司令からは、「我々が日々の任務で成功を収めていくためには、我が国の安寧を維持するという夢を堅持した上で、国家百年の計ともいえる計画の下、日々の計画をしっかり立て、実行に移していく必要がある」という年頭訓示があった。
 その後、第5航空隊(司令・濱野寛美1海佐)のP3C哨戒機が訓練空域へと飛び立っていった。
 ソマリア沖・アデン湾で海賊対処行動に従事している隊員も含め「美ら海の防人」たちは、今年も常に最前線に立ち、勝ち続けるために日々の任務と訓練に邁進していく。(防衛ホーム1月15日号1面に関連記事)
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海自第4航空群
P1が初訓練飛行で富士山を周回
 1月11日、海上自衛隊第4航空群(司令・金山哲治海将補=厚木)は令和5年初訓練飛行を実施した。
 金山司令が年頭訓示を実施したのち、「初訓練飛行かかれ」の号令によりP1哨戒機が厚木航空基地を出発、富士山を周回し=写真=約1時間30分の飛行を終えて厚木基地に戻った。
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第1施設団
団長を先頭に持続走
 第1施設団(団長・仲西勝典陸将補=古河)は、1月10日、古河駐屯地営庭において団本部年始行事を実施し、新たな気持ちで令和5年の隊務を開始した。
 行事では、仲西第1施設団長をはじめ第1施設団本部の各科長らが科を代表し新年の目標を発表するとともに、だるまの目入れを行った。その後、団長を先頭に訓練始めとして持続走を実施し、施設団の更なる飛躍を誓った。
 第1施設団は、引き続き仲西団長を核心とし、本年も強靭な部隊の創造に努め、いかなる任務も完遂するべく邁進していく。
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第5飛行隊
十勝管内上空を飛行
 第5飛行隊(隊長・塩崇2陸佐=帯広)は、1月12日、「令和5年年初飛行訓練」を実施した。
 本訓練は、第1対戦車ヘリコプター隊(隊長・裏出貴信2陸佐=帯広)と合同で実施し編隊飛行能力の向上及び令和5年の航空安全を祈願し、併せて、訓練公開に参加した各協力団体の会長等との相互理解の向上と更なる連携強化を図ることを目的として実施した。
 当日は、十勝晴れが広がる中、鳥海旅団長、永田副旅団長、山之内幕僚長、内山帯広地本部長ほか訓練参加者が、UH1×3機に搭乗し、AH1×3機とともに、十勝管内上空を約1時間飛行した。
 旅団長は、年初飛行訓練の中で隊員と家族並びに各協力団体・地域の皆様に感謝を述べつつ「旅団一丸となり練磨を重ね、「即応機動する旅団」、「信頼される旅団」を目指し、任務に精励する所存です」と年頭の辞を述べた。
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第15ヘリコプター隊
那覇基地、本島周辺空域で編隊飛行
 第15ヘリコプター隊(隊長・小野栄二1陸佐)は、1月13日、那覇基地及び本島周辺空域において、編隊飛行訓練を実施し、編隊飛行能力の向上を図るとともに、航空安全を祈願するとともに、協力関係者の訓練研修及び報道公開を行った。
 視察官の井土川旅団長は、「本年は、沖縄本土復帰50周年から、新たな気持ちで踏み出す第一歩の重要な誓いの年である。隊長・小野1佐を核心として、厳しい任務を完遂するとともに、県民からの更なる理解と信頼の獲得にまい進してもらいたい」と訓示した。
 参加した第15ヘリコプター隊副隊長の川嶋2佐は、「本日は天候にも恵まれ、編隊飛行能力の向上を図ることができました。今年も航空安全に万全を期して、平素から実施している緊急患者空輸をはじめとする災害派遣等、各種任務を完遂していきたい」と述べた。
 今後も第15旅団は、沖縄県民の皆様の安心・安全のため引き続き訓練に励んでいく。

ノーサイド
北原巖男
通常国会

 1月23日に通常国会が召集されました。会期は6月21日までの150日間。
 召集日当日、岸田首相は施政方針演説を行い、政府として国政全般に取り組む基本方針を示しました。その中で、岸田首相は、「防衛力の抜本的強化」について、自ら「今回の決断は、日本の安全保障政策の大転換です」として、次のように表明。長くなりますが、引用します。
 「…昨年末、一年を超える時間をかけて議論し、検討を進め、新たな国家安全保障戦略などを策定いたしました。
 まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には、裏付けとなる防衛力が必要です。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、いざという時に、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行った上で、十分な守りを再構築していくための防衛力の抜本的強化を具体化しました。
 五年間で四十三兆円の防衛予算を確保し、相手に攻撃を思いとどまらせるための反撃能力の保有、南西地域の防衛体制の抜本強化、サイバー・宇宙など新領域への対応、装備の維持や弾薬の充実、海上保安庁と自衛隊の連携強化、防衛産業の基盤強化や装備移転の支援、研究開発成果の安全保障分野での積極的活用などを進めてまいります。
 こうした取り組みは、将来にわたって維持・強化していかなければなりません。そのためには、令和九年度以降、裏付けとなる毎年度四兆円の新たな安定財源が追加的に必要となります。歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保などの行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約四分の一については、将来世代に先送りすることなく、令和九年度に向けて、今を生きる我々が、将来世代への責任として対応してまいります。
 今回の決断は、日本の安全保障政策の大転換ですが、憲法、国際法の範囲内で行うものであり、非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての我が国としての歩みを、いささかも変えるものではないということを改めて明確に申し上げたいと思います。」(1月23日 首相官邸HP)
 この決断は、既に1月9日から15日にかけて外遊された岸田首相自身が同盟国米国やG7の首脳に直接説明し、いずれからも歓迎され全面的な支持を受けています。国際公約と言っても過言ではありません。
 他方、最近のマスコミ各社の世論調査結果によれば、圧倒的多数の国民が、岸田首相のこの決断について、政府の国民に対するこれまでの説明は不十分だとしています。
 施政方針演説の中で、岸田首相は「一年を超える時間をかけて議論し、検討を進め」「極めて現実的なシミュレーションを行った上で」決断した旨述べています。安全保障・防衛という機微な事柄の性質上、これらを具体的に明らかにすることが出来ないことは言うまでもありません。
 そうした中にあって、岸田首相・浜田防衛大臣はじめ、防衛省・政府の皆さんには、可能な限り丁寧で分かりやすい説得力ある国会答弁に努められ、何としても国民の理解と支持を得て行っていただきたいと思います。
 今回は、日本の安全保障政策の大転換です。
 国会議員の皆さんには、国民各層を代表する国権の最高機関としての崇高な責任を果たすため、中身の濃い活発な論戦を展開して頂きたいと思います。国会での議論を意義深いものにするためには、野党の皆さんの責任も甚大です。ただ政府案を批判し反対するだけでは議論が深まることは期待できません。具体的な対案を示して行く。いみじくも1月21日付け日本経済新聞の社説が訴えています。「有力な野党の存在が政権運営に緊張感を与え、権力を監視する役割は重要である。」
 ところで1月20日、内閣人事局は「国会対応業務に関する実態調査結果」を公表。防衛省を含めた全省庁の国会対応業務の大変過酷な実態の一端を明らかにしています。
 各省大臣等の国会答弁資料作成プロセスの主な流れは、国会議員からの質問通告⇒質問取り・質問レク参加⇒質問内容登録⇒答弁資料作成担当の割り振り⇒答弁資料作成(更問・想定問答も。過去の関連国会議事録等添付)⇒答弁内容調整(部内、関係省庁、首相・官房長官答弁の場合は官邸も)⇒セット・印刷⇒大臣レク(通常、10時の委員会開会前の朝。但し、国会開会中の定例閣議(火・金)は院内閣議室にて9時から。そのため、大臣レクの開始時間は早まる)⇒委員会
 この国会答弁資料作りに、1日当たり平均約7時間を要しています。国会議員の質問通告の約6%が委員会前日の18時以降のため、最後の答弁資料作成に着手した平均時間は委員会前日の午後8時前ごろであり、部内や各省庁・官邸等との調整を経て答弁資料が完成した時刻は委員会当日の午前3時前となっています。これで終わりではありません。早朝の大臣レク、委員会へのアテンド。緊張が続きます。
 内閣人事局はこの調査結果を全ての国会議員の皆さんに直接説明され、理解を得ていただきたいと思います。質問に立つことが決まった国会議員は、委員会前日の正午までくらいに質問通告することを徹底していただきたいと思います。
 今通常国会での防衛省に対する質問通告は大量に行われ、その内容も広範多岐にわたることと思います。連日、夜遅くまで懸命に答弁資料を作成している皆さんに、心からの声援を送ります。くれぐれもお身体には気を付けてください。
 頼みます。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


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