防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1062号 (2021年11月1日発行)
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ゲッキーの突撃レポート
第8回
宇都前外務副大臣に聞く

ゲッキー)
菅政権から、岸田政権に移行しましたね。外務副大臣お疲れ様でした。任期を終えて今の感想をどうぞ。

宇都)
ありがとうございました。政務官の時も勉強になりましたが、副大臣の一年間はとても内容の濃い一年でした。

ゲッキー )
一番印象に残っていることは何ですか?

宇都)
やはり世界的なコロナの蔓延ですね。既に世界的流行をしている昨年の9月から上番したのですが、日々変化する海外の状況等をにらみつつ、在外公館職員の安否に常に気を配りました。幸いにして、コロナに罹患した職員はいましたが、重症化したり死亡した職員はいなかったのでホッとしています。

ゲッキー)
政務官の時は32カ国を訪問したと伺っていますが、副大臣としてはどの程度行けたのですか?

宇都)
実は、コロナの水際措置によって、国を跨いだ往来が厳しく制限されていたので、中南米の「ドミニカ共和国」と「エクアドル」の2カ国だけしか行けなかったのです。しかし、いずれも政権が革新派から保守派に移行したばかりの国で、「自由で開かれたインド太平洋」のグループに引き込むのに、とても良いタイミングでの訪問となりました。

ゲッキー)
その他に、苦労したことはありますか?

宇都)
アフガン対応では、外務省の対応を国内からも厳しく批判され、それにキチンと説明するのに骨が折れました。一部のネット情報等では、「外務省職員が邦人や現地職員を置き去りにして真っ先に逃げた」と非難されていましたが、そうではありません。邦人の多くは国際機関職員で残留の意思と義務を持つ人たちでした。また、現地職員も自衛隊の現地入りにより、もう少しで全ての対象職員と家族を救出することができたのですが、空港にバスが到着する直前に爆破テロが起こり、残念ながら任務成果に繋がりませんでした。政府として判断が数日遅かったことは、大きな反省点です。

ゲッキー)
岸田政権に期待することはありますか?

宇都)
岸田総理は、安倍政権時代に4年以上にわたり外務大臣を務められましたので、今般の国際情勢や安全保障環境の厳しさは十分頭に入っています。その上で、「真に必要な防衛力強化のための防衛費については確保する」という明確な方針を示していますし、また国家安全保障戦略・防衛大綱・中期防衛力整備計画の見直しも公言しています。敵基地攻撃能力の保有も含め、是非とも、我が国独自の防衛力強化を進めて頂きたいと強く願っています。

ゲッキー)
宇都さんの次のポストは何処ですか?

宇都)
私は、自民党の「政務調査会長代理」という役職をいただきました。高市政務調査会長の下で、全ての政策や予算案等の党内審査を担います。非常に重要かつ責任あるポストで、身に余る光栄です。防衛省の各種法律や自衛隊の予算等も、全力で後押ししていきたいと思います。

ゲッキー)
益々のご活躍を。ゲッキーも応援しています。

 宇都隆史(自由民主党参議院議員、前外務副大臣、元航空自衛官)
 昭和49年生まれ、鹿児島県出身。平成10年に防衛大学校卒業(第42期)、航空自衛隊入隊。平成19年に政治の道を志して退官。平成22年自民党比例区で参議院議員に初当選。


雪月花
 きょうは近くの保育園の運動会。久しぶりに元気な音楽が流れてくる。これを聞くとどうしても半世紀前の我が家の長女の幼稚園の運動会を思い出さずにはいられない。筆者は中学校の時には百メートルを12秒3で走っていたので運動会ではいつもノートや鉛筆を貰う組だった。だから自分の子どもの初めての運動会にも大いに期待していた。今どきの保育園の運動会は自分の子どもの出番が終わると子どもを連れてサッサと帰るようだがあの頃は運動会が終わるまで誰にも応援した。そしてお昼には砂ぼこりの舞うグラウンドで手作りのお弁当をみんなで食べた。友人や親せきの人お隣さんも誘って賑やかだった。長女は年少組だったのでかけっこの一組目だった。スタートからトップで飛び出し4コーナーでは男の子にも大差をつけていた。やったやったと私たち親は喜んでいたがゴールテープの前に来ると突然止まってしまった。こちらから「どうしたそのまま走りなさい」と叫ぶが立ち止まったままだ。そのうち遅れて来た園長のお孫さんがテープを切ってしまった。練習の時にはテープは張らないから長女は進入禁止と思ったようだ。園長のお孫さんは今までに運動会を見ているのでテープを突っ切ってもいいことを知っていたのだろう。他の組の競争でも親たちがトップを走るわが子に「健ちゃーん、すごいすごい」と歓声を上げると健ちゃんは向きを変えて親たちのいる応援席にやってきた、何ですか?と言う顔をしていた。大人は当たり前に分かっていても子供にとっては思いもよらない事がいっぱいある。どんな小さいことでも丁寧に説明してあげる必要を教えられたことだった。負け惜しみだが誰でも経験するかけっこの1位よりもテープを切らない事件の方が強烈なインパクトがありいつまでも忘れることはないだろう。

機略縦横(27)
呉地方隊先任伍長 海曹長 井元孝治
 隊員の「充実感」と「笑顔」が残るように

 常に国防という目標に向かって、隊員一人ひとりが忍耐強く、時には汗と涙を流す現場に足を運ぶことは先任伍長として一番大切なことである。隊員に声をかけ、声を聴く、そして部隊指揮官を補佐して任務完遂に努める。ON/OFFを切り替え、時にはレクリエーション等士気の高揚に関わる活動を計画実施し、隊員が笑顔で発散できるOFFの時間を作為するのも一つの任務である。海上自衛隊先任伍長を中心に先任伍長が引き継ぐ良き伝統は、時代の変化にも対応し、先任伍長ネットワークというツールを活かして共有を図る。各部隊の伝統的なものは先任伍長から先任伍長へと受け継がれ、自隊の愛着を育み、良き隊風の醸成により団結、そして精強な部隊へと繋がる。見返りを求めず、与えられた配置において奢ることなく、感謝の気持ちを忘れず、規律及び団結の強化、士気高揚等の推進を図り、隊員が任務完遂後に「充実感」と「笑顔」が残るように尽力するのが先任伍長である。…(はい喜んで!)

令和3年度第1次訓練検閲
「強靭な防御戦闘で任務を完遂」
<第1普通科連隊>
 第1普通科連隊(連隊長・小倉好文1陸佐=練馬)は、9月8日から17日までの間、東富士演習場において、中隊等の教育訓練の成果を評価するとともに、その進歩向上を促すために、第3中隊、第5中隊及び本部管理中隊施設作業小隊の訓練検閲を実施した。
 本訓練検閲は各級指揮官による状況判断、部隊の基本的行動及び隊員の基礎動作の確行を主要検閲項目とし、徒歩行進に引き続く、陣地防御における中隊等の行動を対象とした。
 9日から10日にかけて行った徒歩行進においては、行進中に経路変更の必要性が生起したが、部隊の先頭を行進する第5中隊長は、連隊本部に状況を報告するとともに、迅速かつ的確な状況判断により、各小隊長等にじ後の企図を示した。部隊行動の遅滞を防止して、行進を継続させた。
 防御準備では残暑による厳しい暑さと、朝晩の冷え込みによる激しい寒暖差の中ではあったが、隊員は強固な防御陣地を構築した。また、施設作業小隊は連隊の作戦に最大限寄与するため、障害構成及び機械力支援を実施した後、敵の化学攻撃に伴い、開設した連隊除染所において除染作業を実施した。
 防御戦闘では、地形を最大限活用した陣地において、火力と障害を連携させた対機甲戦闘を行うとともに、迂回浸透してくる敵徒歩兵に対しても火力を集中し、敵の侵攻を阻止し、任務を完遂した。
 連隊は本訓練検閲を通じて得た成果をもって受閲部隊の更なる進歩向上を促した。

中隊訓練検閲
<第303ダンプ車両中隊>
 第303ダンプ車両中隊(中隊長・祖父江篤3陸佐=南恵庭)は、8月26日から、同年9月1日までの間、北海道大演習場及び天塩管理用地等において中隊訓練検閲を受閲した。
 当初、南恵庭駐屯地にて隊容検査を行い、任務の理解、個人携行品、救急法、部隊装備火器等の射撃動作、車両点検を確認したのち機動展開した。
 前段においては、中隊主力をもって恵庭及び幌別から天塩までの間、往復700kmの工程で障害構築資材を輸送し、被支援部隊の作業工程に合致した特大型ダンプの運用を重視し、任務を遂行した。
 後段の任務は、第1小隊が陣地構築、2・5LP部品倉庫用簡易掩蓋掩壕(写真)を構築して、被支援部隊のニーズに合致させた構築物を構築し、所定の時期までに完成させた。第2小隊は侵攻阻止態勢のための交通路である勇舞沢機動路整備に必要な骨材運搬を実施し、車両部隊としての行動を遺憾なく発揮した。
 本検閲において、良好な事項についてはさらに助長し、改善を要する事項については速やかに是正し、じ後の訓練の資とし、より精強な部隊を育成して行く。

隊員の快適な生活・勤務環境を守る ベッドを全シングル化
<日本原駐屯地>
 日本原駐屯地(司令・坂井健一1陸佐)は、駐屯地内で起居する全ての隊員(営内者)が高い士気と規律を維持し、各人の能力を十分に発揮できる生活・勤務環境とするため、居室のベッドを全てシングル化した。
 日本原駐屯地は従来より常に一部の隊員が2段ベッドで就寝せざるを得ない状況が続いたが、この度駐屯している部隊毎の居室利用密度を均等化し、また利用頻度の低い部屋を廃止する等の工夫を凝らして部屋の使用区分を見直し、隊員が生活する居室の数を増やして漏れなく全ての営内者がシングルベッドで就寝できるようになった。
 2段ベッドを完全に排除することによって、これまで2段ベッドで就寝していた隊員が抱えていた階上、階下で就寝する同僚に気を遣う負担とストレスから解放され、気持ちよく就寝して明日の鋭気を養うことができるようになった。また一部屋当たりの人数が減少したことでコロナ対策も万全になり安心して生活できるようになった。
 今後人事異動等により隊員の増減があっても、日本原駐屯地は万難を排してシングルベッドによる隊員の快適な生活・勤務環境を守っていく。
 日本原駐屯地は秀峰那岐山の麓に位置し、豊かな自然に恵まれた風光明媚な駐屯地で、第13特科隊、第13戦車中隊、第13高射特科中隊、第13後方支援隊の一部及び日本原駐屯地業務諸隊の各部隊が駐屯しており、陸上自衛隊の様々な職種の方や事務官の方が勤務することが可能である。全国の自衛隊員の皆さん、是非日本原駐屯地勤務で勤務してみませんか?

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