防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1051号 (2021年5月15日発行)
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第6普通科連隊
 第6普通科連隊(連隊長・佐藤靖倫1陸佐=美幌)は、4月10日、美幌駐屯地体育館において、令和3年度自衛官候補生(以下「自候生」という)入隊式を挙行した。道外8名、道内24名の計32名の自候生が紫紺色の制服に身を包み、教育のスタートを切った。
 自候生は、自衛官となるために必要な基礎的教育訓練を約3カ月間行い、その後、2等陸士に任命されて自衛官となり各職種に必要な教育訓練を受け、それぞれの部隊に配置される。
 入隊式は、新型コロナウイルス感染防止の観点から防止策を実施し、来賓、家族及び自衛隊協力諸団体など約110名が出席した。
 午前9時、式が挙行され、国歌斉唱の後、任命告達が実施され、自候生一人ひとりの名前が読み上げられると、起立と同時に大きな返事が会場に響いた。次に32名を代表して野田竜希自候生が執行者の佐藤連隊長に対し、力強く入隊の申告を実施した。同じく野田自候生が先導で、全員が決意を胸に宣誓を行った。その後、区隊旗授与では竹下佳吾自候生が代表して区隊旗を授与された。
 佐藤連隊長は、「目の前のことに全力を尽くせ」、「同期の絆を大切にせよ」の2点を要望し、「区隊・班が全員揃って無事に修了式を迎えられるよう一生懸命努力するとともに、人間力を高めていき、いち早く立派な一人前の自衛官となって我々と一緒に将来活躍してくれることを切に願う」と式辞を述べた。また、来賓祝辞では、美幌地方自衛隊協力会会長の平野浩司氏等から自候生への激励の言葉を送るとともに、今後の活躍を祈念した。
 入隊した自候生は、今後共に訓練し、汗を流し、同期一丸となり、教育に臨んでいく。

中部方面混成団
 中部方面混成団(団長・芝伸彦1陸佐=大津)は、4月6日、大津駐屯地を皮切りに、松山、豊川、大久保の各駐屯地において、第17期一般陸曹候補生(男子)約950名、自衛官候補生(女子)約250名の入隊式を実施した。
 大津駐屯地で行われた入隊式は、桜舞う湖畔のヘリポートに会場が設定され、真新しい制服に身を包んだ一般陸曹候補生(男子)と自衛官候補生(女子)の総勢約520名が緊張した面持ちで式に臨んだ。
 東慶明2陸士、繁松佳奈候補生の申告に続き、前原元気2陸士、杉林千世候補生が代表に立ち溌剌とした宣誓が行われた。
 混成団長は、「自衛隊は、組織として力を発揮する。個人プレーは求めない。君達は、営内生活を含め、これからの教育でその基礎を学ぶことになる。教育間、時には辛いことや不安なことがあるかも知れないが、同期と助け合って乗り越えて貰いたい。教育が始まれば他の隊員よりも早く力を付ける隊員も出て来ると思う。その力は、仲間を支え助けるために使え。うまく行かない隊員、力が足らない隊員は、そこで諦めるな。仲間を頼れ。そしていつか仲間や後輩を助けられるよう強くなれ。一旦心を決めて君達はこの道を選んだ。いちいち迷うな」と訓示した。
 3カ月後、彼ら全員が一段と逞しく成長した姿で修了式を迎え、晴れやかな顔で後期部隊へと巣立って行く姿が見られることを期待したい。

呉教育隊
 春へと移り変わるやわらかな青空の下、海上自衛隊に新たに入隊した第16期一般海曹候補生課程学生205名及び第23期自衛官候補生課程学生43名の入隊式が、4月8日、呉教育隊(司令・飯塚祥平1海佐)において執り行われた。
 入隊式では、呉地方総監の園田直紀海将が、第16期一般海曹候補生の海上自衛官任命及び第23期自衛官候補生の自衛官候補生任命を行い、続けて「『学生としての本分を全うせよ』及び『原点で学ぶ自分に自信と誇りを持て』」と訓示した。
 新入隊員は、初めての儀式に初々しい制服姿で臨み、任命を受ける際には総員が一様に緊張の面持ちであった。一般海曹候補生による「服務の宣誓」は本木樹海士長(元陸上自衛官)を代表として、また自衛官候補生による「自衛官候補生の宣誓」は森澤知弘自衛官候補生(広島県崇徳高校出身)を代表として、それぞれの過程ごとに総員の若い声が式場全体に大きく響き渡り、新入隊員の決意の強さがうかがわれた。
 新型コロナウイルス感染防止対策の中で新入隊員1名当たり1名の招待とせざるを得なかったが、当日来隊した約180名の家族の中に海上自衛隊の厳粛な式典と制服に身を固めた新入隊員の凛々しい姿、呉音楽隊の重厚な演奏や、高らかに響きわたる国歌斉唱に深く感じ入ったという声も聞かれた。入隊式が終わると自衛隊家族会の説明及び分隊編成式が行われ、その後、家族は短い間ながらも子息、主人との歓談を楽しみ、うす桃色の花弁が舞う中、呉教育隊を後にした。

佐世保教育隊
 佐世保教育隊(司令・柳信男1海佐)は4月8日、佐世保市副市長(山口智久氏)、佐世保地方総監(出口佳努海将)をはじめとし、各協力団体等代表が来賓として臨席の下、第16期一般海曹候補生課程及び第23期自衛官候補生課程の入隊式を挙行した。当日は、天候にも恵まれ、若人の門出に相応しい朝を迎えた。
 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、式典への家族の参列は270名に制限するとともに、講堂においてパブリックビューイングを設置する等の感染対策と安全確保を徹底したうえでの開催となった。
 一般海曹候補生306名(54名は女性隊員)、自衛官候補生95名の計401名は、真新しい制服に身を包み、希望と強い覚悟をもって入隊式に臨んだ。
 佐世保教育隊司令は、「ここでの教育において、困難なときこそ仲間を思いやり、切磋琢磨して、同期のために汗を流さなくてはならない。そこで、培われる同期の絆はこれから歩む自衛隊生活のかけがえのない財産になる。共に強い絆を紡いでいこう」と式辞した。
 佐世保地方総監は、「修練の指針として<良き社会人たれ>及び<謙虚に学べ>の2点を要望し、諸官にできないことは何一つない。どうか途中で諦めず、謙虚に学んでもらいたい」と訓示した。
 学生たちは、これからの5カ月間の厳しい修練のスタートラインに立ったばかりであり、修業時には自己の成長した姿を披露するべく、厳しい教育訓練に入る。

航空教育隊
 航空教育隊(司令・伊東修1空佐)は4月5日に第17期一般空曹候補生(以下「補生」という)課程の、4月8日に第23期自衛官候補生(以下「自候生」という)課程の入隊・入校式を防府南基地(第1教育群)及び熊谷基地(第2教育群)において両日同時に行った。
 航空教育隊は、航空自衛隊の曹士隊員の教育を主たる任務としており、全国2カ所(防府南基地及び熊谷基地)で新入隊員を受け入れている。
 この春新たに入隊したのは、補生課程809名(内女性319名)及び自候生課程1486名(内女性155名)の合計2295名である。
 今年も、新型コロナウイルス感染症対策として、参列者の最小限の参加規模、マスクの着用、充分な間隔及び換気を確保するため、また、昨年度は体育館での収容人数制限から数回に分けて行った式典を、今回は屋外に式場(一部雨天のため体育館で実施)を移し、それぞれ1回ずつ行った。
 式では、補生課程の学生に対し、航空教育集団司令官(引田淳空将)代理による2等空士及び空士長の補生への任命が、自候生課程の学生に対しては、航空教育隊司令による自候生への任命が行われ、引き続き代表学生が、力強い声で服務の宣誓をそれぞれ行った。その後、共通して、航空教育隊司令からの課程履修命課を受け、代表学生による申告が行われた。
 式辞において航空教育隊司令は、現在の我が国を取り巻く安全保障環境や自衛隊に対する国民の関心や期待に触れ、新入隊員に対し「諸君はここでの約3カ月にわたる生活で、まずは航空自衛官として、特に部隊において空士として任務が遂行できるよう教育や訓練を受けます。その間、諸君は目の前の様々な困難にぶつかるでしょうが、それらにしっかりと向き合い取り組んでください。時にきついと感じる場面があるかもしれませんが、その時は、教育指導にあたる区隊長や班長の先輩自衛官に、遠慮なく相談してください」と述べた。
 なお、防府南基地に入校した補生学生の男女比において、今回初めて女性の数が男性の数を上回った。

読史随感
神田淳
<第77回>

慰安婦問題の真実

 日韓の慰安婦問題が続いている。文在寅大統領は、朴槿恵前政権が2015年日本政府と締結した「慰安婦問題は日韓両国間で最終的かつ不可逆的に解決された」という合意を、2018年一方的に破棄した。
 韓国の市民団体である「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(略称「正義連」、旧「挺対協」)」は、1990年結成以来、慰安婦が旧日本軍による暴力で強要された性奴隷であるとの、活発なプロパガンダを国内外に展開してきた。国連人権委員会は「挺対協」のアピールを受け、1996年、慰安婦を「軍事的性奴隷」とする「女性に対する暴力に関する報告書(クラマスワミ報告書)」を出した。この報告書の影響下、2007年にはアメリカ下院が「従軍慰安婦」にかかわる対日非難決議を行った。これに続いてオーストラリア、カナダ、フィリピン、インドネシア、オランダ、EUの議会で同様の日本非難決議が採択された。
 2011年「挺対協」はソウルの日本大使館の前に少女慰安婦像を設置した。これを皮切りとして、「挺対協」は国内だけでなく、世界各地に住む韓国系市民と協力して、世界に少女慰安婦像を拡散している。
 慰安婦問題とは何なのか。いわゆる従軍慰安婦とは、日中戦争および大東亜戦争中、日本軍が駐屯した各地に設置された慰安所で働く公娼であった。慰安所は軍が直接設置して運営したものもあったが、ほとんどは民間の業所を軍専用の慰安所に指定し、管理する形態だった。軍は運営守則、利用時間帯等を定め、許可証を発行し、定期的な性病検診を義務づけた。慰安婦は軍の性奴隷といった存在ではなく、普通の売春婦だった。前線での慰安所が軍と同様の危険にさらされていたのは確かだが、その分高収益だった。慰安婦は実家に送金したり、貯蓄して戦後ほとんど無事帰還した。
 最も深刻な誤解は、慰安婦たちが官憲によって強制連行されたというフィクションである。これは吉田清治という日本人による、済州島の女性十数名を慰安婦として強制連行したという全くウソのレポートを、1982年朝日新聞が掲載したことに端を発している。当時の朝鮮(韓国)の若い女性たちが公娼になった道のりは、斡旋業者が貧しい階層の戸主に若干の前借金を提示し、就業承諾書をもらい、娘たちを連れていく過程だった。娘たちには強制と感じられることもあっただろう。しかし、日本の官憲が婦女子を強制連行するようなことはなかった。
 1970年代まで慰安婦の実情をよく知る人たちが多数生きていたときには、慰安婦問題は提起されなかった。時が40年以上過ぎ、そういう人たちがいなくなってその記憶が薄れて来るや、架空の新たな記憶が作られ、慰安婦問題が登場した。この間、韓国で反日教育が進み、蓄積した反日感情のもとに慰安婦問題が発火した。
 1910年の日韓併合は韓国の大きな屈辱だった。戦後(解放後)、韓国は日本による統治時代を「日本民族の野蛮で侵略的な資質を露わにした極悪非道の最悪の統治だった」とし、史実を改竄・捏造してこうした歴史観をつくりあげ、国民を教育してきた。こうして強い反日感情をもつようになった韓国人は、慰安婦問題を「野蛮な日本民族が韓民族の血を陵辱した事件」として、フィクションをも信じることになる。
 この問題は、虚偽はあくまで排し事実本意でなければならないが、個別事実だけでなく慰安婦問題の真実の全体像を明らかにして、良識を主張していく必要がある。
(令和3年5月15日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


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