|
27年度防衛省行政事業レビュー公開プロセス |
6月18日、防衛省で「平成27年度防衛省行政事業レビュー公開プロセス」が実施された。
これは、防衛省の事業を対象として作成したレビューシートに基づき支出先や用途を公表することで、外部視点を取り入れながら事業点検を行い、結果を予算の概算要求や今後の事業改善に反映させる取組み。統括責任者を三村亨経理装備局長とし、防衛省選定の蒲谷亮一氏(川崎市民オンブズマン)、行政改革推進本部事務局選定の石井雅也氏(公認会計士)等外部有識者6名と防衛省の対象事業担当者が4時間にわたり質疑応答を行い、活発な議論が行われた。
今回対象となった事業は4つ。「広報体制の整備」「多国間・2国間交流」については『事業内容の一部改善』、「UH—1J機体定期修理」については『現状どおり』「戦闘機搭載用統合火器管制システムの研究試作」については『事業全体の抜本的な改善』という評価結果が出された。
三村経装局長は審議終了にあたり、「本日のご意見を踏まえ一層の効果的・効率的な業務の運営に向けて更なる事業内容の精査を行い、見直しや広報の予算執行、平成28年度の概算要求に向けて検討していきたい」と述べた。 |
|
航空学生制度創設60周年記念行事 |
航空自衛隊防府北基地(司令・伊藤哲1空佐・兼12教団司令)で6月6日、航空学生制度60周年記念関連行事が松浦正人防府市長・齊藤治和空幕長・半澤隆彦航空教育集団司令官ら多数の来賓を招いて行われた。昭和30年に第1操縦学校(小月)の分校が防府飛行場に編成され「操縦学生基本課程」制度を発足。昭和34年に第12飛行教育団に改編され、現在約2年間の「航空学生課程」の他「地上準備過程」「初級操縦課程」を行っている。「初級操縦課程」は静浜基地の第11飛行教育団でも行われており、その後、芦屋基地の第13飛行教育団か美保基地の第3輸送航空隊へ進み、パイロットとなる。現在の航空自衛隊パイロットの約60%が航空学生出身である。
齊藤治和空幕長は祝辞で「『大空に夢をはせ、自由に飛んでみたい』この夢の実現への道のりは、決して平坦ではありません。入隊当初から厳しい様々な制限の下、同じ目標に向かって集まった同期生との団結を核として、勉学及び訓練に勤しみ、操縦者を目指して努力し続けることが求められます。それらの試練を克服し、晴れて操縦者となった後も、常に航空自衛隊の『槍の穂先』として尽力し続ける精鋭の集団である航空学生を、大変誇らしく思っています」などと延べた。当日は、航空学生制度60周年を祝うとともに、航空学生の英霊を追悼。記念植樹やドリル展示、初級操縦課程で使用するT—7やブルーインパルスの飛行観覧等も行われ、伝統の継承と更なる飛躍を祈念した。 |
|
空自QCサークル第2回大会 |
6月11日、空自千歳基地(司令・安藤忠司空将補)で「航空自衛隊QCサークル第2回大会」(大会会長・齊藤治和航空幕僚長)が開催された。空自では、業務改善の一手法としてQC(品質管理)サークル活動が各部隊で積極的に行われている。北は北海道から南は沖縄まで多くの部隊がエントリーした全国大会が始まっており、第2回の千歳大会には185サークルから応募があった。
大会当日は、書類による予選審査を通過した上位優秀10サークルが千歳基地に集い、活動内容について口頭やスライドを駆使した説明、質疑応答等により発表を行った。厳正な審査の結果左記の3サークルが金賞に選ばれ、大会会長の齊藤空幕長から、次点の銀賞受賞サークルと共に記念の盾と賞状が授与された。
▽金賞受賞サークル
※「 」内はサークル名
○第8航空団整備補給群修理隊(築城基地)「パティシエ」(テーマ・F—15航空機 FDR調整時間の短縮)○北部航空警戒管制団第45警戒群通信電子隊(当別分屯基地)「G—FES」(テーマ・気持ちのよい爽やかな交換業務)○第5航空団整備補給群修理隊(新田原基地)「ビギナーズ」(テーマ・F100エンジン整備作業改善による残業時間の短縮) |
|
安全に係る知識・技能向上へ
〈航空安全管理隊〉 |
航空安全管理隊(司令・橋本進空将補=立川)は関連する学会へ資料部長の竹内由則防衛技官ら研究職心理技官を調査研究などの情報収集入手や知識・技能の向上などのため27年度初めて派遣した。
6月6日〜7日に、早稲田大学東伏見キャンパス(東京都西東京市)で開催された日本交通心理学会第80回大会へ教育研究部主任研究官の片寄隆正防衛技官を派遣。本学術学会は、交通諸問題について心理学を中心とし、その近接科学を含めた研究を行っている。理論の前進とその成果の実践等を通じて交通事故の抑止とよき交通環境の建設に寄与することが目的で、研究会(大会)、交通心理士資格の認定等の活動を実施。今回の大会では研究発表、特別講演、大会シンポジウム、部会活動が実施された。交通場面における判断等の心理・行動・安全教育等に関しては、航空場面と共通する部分があり、安全及びヒューマン・ファクターズ教育等に関する情報収集、研究動向の把握等のため参加し、業務への反映可能な知見等を得て来た。
また6月13日〜14日には、資料部長の竹内由則防衛技官と航空事故調査部の仲村彰防衛技官の2名を芝浦工業大学芝浦キャンパス(東京都港区)で開催された第56回目の日本人間工学会に派遣した。
日本人間工学会は、人間工学に関する諸研究と応用及びそれに関連する事業を促進することを目的としている総合学会で、人間工学に関する国内最大規模の学会。下部に支部会及び研究部会を持ち、年1回の大会では、安全工学、事故分析、交通工学等に関する研究発表等がなされている。官産学の関係者が参加し、航安隊からも毎回参加。今大会は、特別講演、シンポジウム、口頭発表などが実施された。特に、竹内資料部長の発表した「夜間飛行中に遭遇する自動運動について」は好評で、多数の質疑応答や意見交換等を実施でき、今後の研究の資とすることができた。
各学会には、関連する官産学等から多数の参加があり、安全等に関する各種観点からの情報を得られるとともに、当隊の調査研究に参考となることも多数ある。航安隊は今後も継続的・積極的に参加し、各種研究内容の把握及び今後の研究動向を注視し、調査研究や教育、航空事故防止などに反映させたいとしている。 |
|
NEXT → |