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自衛隊ニュース   910号 (2015年7月1日発行)
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米太平洋軍 在日米軍新司令官来省
中谷大臣及び河野統幕長と会談
 5月・6月に就任したばかりの新・米太平洋軍司令官、新・在日米軍司令官が相次いで防衛省を訪れ、中谷元防衛大臣、河野克俊統合幕僚長と会談した。
 5月27日に日系人として初めて同職に就いたハリー・B・ハリス米太平洋軍司令官は6月11日に大臣、翌12日に統幕長と会談。統幕長は「新ガイドラインで明記された共同計画の策定、同盟メカニズムについて集中的に協議を進めたい」と要望、ハリス司令官は「様々な問題の認識を共有し、日米間の情報の共有を含め調整したい」等と応じた。
 6月5日に同職に就いたジョン・L・ドーラン在日米軍兼第5空軍司令官は同15日に中谷大臣、河野統幕長と会談。ドーラン司令官は統幕長との会談冒頭で、「日米の関係はエキサイティングな時期にある」等、歴史的に大きな役割となる職責の重さを意識した発言があった。中谷大臣との会談では、大臣が地元・高知で6月7日に行われた日米共同統合防災訓練における米軍の協力に感謝し笑顔で握手を求める等、温かな雰囲気の中で、今後更に日本の安全保障、地域の安定のため日米双方で協力することを確認した。

26年度災害派遣及び不発弾等処理実績
統合幕僚監部公表
 6月4日、統合幕僚監部が「平成26年度自衛隊の災害派遣及び不発弾等処理実績」を公表した。
▽災害派遣実績
 災害派遣総件数は521件。前年度比34件減少だが24年度(520件)とほぼ同数。21年度以降は年間500件台で推移しており、ほぼ平年並みと言える。
 昨年度災害派遣総件数521件のうち407件(78%)が航空機による「急患輸送」であり、過去10年、急患輸送は災害派遣件数の6〜8割を占めている。ドクターヘリの導入促進により10年前(17年度の急患輸送は609件)と比較すると大きく減少しているものの一定のニーズがあることがうかがえる。近傍火災と山林火災における「消火支援」が73件で災派総数の14%、山岳・海上での行方不明者捜索、山岳遭難者捜索、遭難船舶捜索が該当する「捜索救助」が17件(3%)、「風水害・地震等」が13件(2%)、「その他の災害派遣」が11件(2%)と続く。「その他の災害派遣」とは、熊本・岡山・佐賀で発生した鳥インフルエンザへの対応、東京・山形・石川における座礁船乗組員救助が該当する。
 「風水害・地震等」は件数こそ少ないが、災害派遣実績を派遣人員数でみると例年、大規模な風水害・地震に対する人数が大きな割合を占める。昨年度は災害派遣全体で6万6267人のうち、「風水害・地震等」に派遣された人数は5万0522人で7割強。中でも、8月20日〜9月11日の約3週間に渡り人命救助・行方不明者・入浴支援を実施した「広島県広島市における人命救助に係る災害派遣」、9月27〜10月16日の約3週間に渡り人命救助・心肺停止者の搬送、関係機関職員の輸送及び航空偵察を実施した「御嶽山における噴火に係る災害派遣」の2件が大規模で、昨年度「風水害・地震等」派遣人員数の9割強を占める。
▽不発弾等処理実績
 不発弾等処理のうち、陸上で発見された不発弾その他の火薬類は処理件数1379件(前年比181件減)、処理重量57・2トン(前年比0・1トン増)。うち沖縄県の処理件数が約45%を占める。40年前の昭和50年は24%だった。戦後長い年月を経て全国の処理件数が減少傾向にある中で沖縄県の占める割合が大きくなる傾向にある。
 海上における機雷処理は、山口県小野田市埴生漁港で5月17日に海自第43掃海隊が処理した1個(重量0・5トン)、その他、海上における魚雷、爆雷、爆弾、砲弾等の爆発性危険物は処理個数763個(前年度比431個増)、処理重量6・6トン(前年度比1・8トン増)だった。機雷の処理個数は23年度以来毎年1個が続いている。機雷以外の爆発性の危険物は港湾工事によって大量発見され処理個数が格段に増えるケースがあるため、引き続き処理ニーズは存在し続けている。

四国で日米共同統合防災訓練
 防衛省・自衛隊は近年、静岡県〜九州・宮崎県の日向灘までの広範な地域を震源に東海地震と東南海・南海地震が同時発生するマグニチュード9・1、最大震度7の南海トラフ地震(南海トラフ巨大地震同時発生)を想定した防災訓練を精力的に行っている。同地震の被災地の中でも、太平洋に面した高知県を中心に四国地方は甚大な被害が想定されており、6月7日には、陸自中部方面隊(中部方面総監・山下裕貴陸将=伊丹)隷下で四国4県を担任する第14旅団(旅団長・岸川公彦陸将補=善通寺)の旅団災害対処演習が四国全県で、同演習と連携した日米共同統合防災訓練が香川県と高知県で実施された。
▽日米共同統合防災訓練
 日米共同統合防災訓練の枠組みの中では、香川県で空自輸送機C—130が愛知県小牧空港から災害物資を高松空港に輸送する想定で物資輸送訓練が行われ、輸送物資を迅速に却下し速やかに交付準備が実施された。高知県では県中西部・香南市の高知駐屯地に指揮所を開設しての情報共有訓練、広島県呉基地から訓練に参加した海自輸送艦「くにさき」と搭載LCACによる、高知市の景勝地・桂浜の対岸に立地する種埼海岸を孤立地域に見立てた揚陸・却下訓練、種埼海岸から太平洋に突き出した埋立地である高知新港の高知県総合防災訓練会場への陸自CH—47、在日米陸軍UH—60による急患輸送・物資空輸訓練等を行った。東西に広大な高知県だけに県央のみならず県東部・室戸市と県西部・土佐清水市でも在日米陸軍機が参加して負傷者の搬送訓練等が実施された。
 統幕、陸海空自衛隊、在日米陸軍、在日米海兵隊から合わせて1100名以上、「高知県総合防災訓練」とも連携、自治体等防災関係機関多数が参加し大きな成果を上げた今回の日米共同統合訓練。防衛省・自衛隊の南海トラフ地震対処能力はより一層高まった。

沖縄防衛局でコンプライアンス講習会
〈防衛監察本部〉
 防衛監察本部(北村道夫防衛監察監)は6月3日、沖縄防衛局(井上一徳局長)と共催で、「コンプライアンス講習会」を開催した。
 コンプライアンス講習会は、コンプライアンス意識の普及・啓発を目的に防衛監察本部が、各機関及び陸海空自衛隊と共催で実施しているもので、講師には部外の講師を招き、専門的見地からの講演を行っている。
 沖縄防衛局での講習会には、フレイ法律事務所から<RUBY CHAR="梶木壽","かじきひさし">弁護士を講師として招き、「コンプライアンスの実践について」と題する講演を行った。
 梶木弁護士は、最近の具体的な事例を交え、コンプライアンスの意義及び重要性を説明するとともに、部下は上司の背中を見ていることから、指導者自らが先頭に立って仕事を担う心意気を持つべきという管理者としての心構えを力説した。また、問題の早期発見・早期報告・早期対処が何より重要であると総括した。
 また、防衛監察本部からは、鈴木良之副監察監が防衛監察本部の活動について説明し、防衛監察本部の活動に対する理解と普及を図った。
 なお、防衛監察本部は今後も各機関等(自衛隊や地方防衛局等)と共催しコンプライアンス講習会を行う予定であり、今後、講習会の開催を希望あるいは検討される機関等は、防衛監察本部へ気軽に問い合わせ願いたいとのことであった。
(連絡先)
防衛監察本部総務課企画室 地方コンプライアンス講習会担当03—3268—3111 内33072

雪月花
 クールビズ。ちょうど10年前の2005年から始まった。「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズに環境省が一般公募をしたのが始まりだ。クールとビジネスからとった造語だが語呂もよくノーネクタイ、ノージャケットで公式の場でも公認と言うことであっという間に広がった。西陣をはじめネクタイ業界は死活問題だとして反対キャンペーンを繰り広げたが日本の暑さと湿気には勝てなかった。今では国会で答弁に立つ防衛大臣もノーネクタイとなっているのはテレビで見るとおりだ。6月1日の衣替えの習慣は平安時代の宮中行事「更衣」から始まったそうだが、暑さに合わせた生活の知恵は日本にはいっぱいあった。筆者の郷里では梅雨の季節が終わった頃には畳干しが大作業だった、あっちの家でもこっちの家からも庭で陽に当てる畳を叩く音が聞こえた。畳を取り出した後は秋が始まる頃まで板張りになっている、ひんやりとした板の感触と板と板の隙間から吹き上げてくる緑の風を味わいながらパンツ一枚での昼寝はこども心にも誠に幸せだった、家の外は40度近い猛暑の世界なのだから。夜はこの部屋に蚊帳を張りホタルを入れて家族と一緒に休んだことも思い出す。クールビズ、大いに結構なのだが筆者の場合、ネクタイを外しただけのだらしない姿になっているのがちょっと情ないかも。(所谷)

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