防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   897号 (2014年12月15日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 7面 8面 9面 10面 12面

〜中央即応集団〜
魁の風
Central Readiness Force
南スーダンで国連メダル授与式
 南スーダン派遣施設隊(隊長・野村昌二1陸佐)は11月14日に国連メダル授与式を日本隊宿営地で挙行した。授与式にはSRSG(国連事務総長特別代表)エレン・ロイ女史ほか、UNMISS関係者、軍事部門司令官、各国の指揮官及び日本大使館関係者など約100人以上が参加しSRSGへの儀じょう後、式が開始された。授与式で野村隊長は「この上ない喜びで心から感謝を申し上げます。国連のマンデート(任務)達成に最大限貢献し、南スーダンの平和と安定に寄与していきます」と英語で式辞を述べた。SRSGは「日本隊はマンデートを完遂し、我々の期待に大きく応えた。野村隊長の卓越したリーダーシップに感謝と敬意を表します」と述べ、更に「日本隊の女性隊員は南スーダンの女性を鼓舞する模範でした」と訓示した。SRSGから野村隊長、隊幕僚及び女性隊員へ国連メダルが授与され参列した隊員へは各国の指揮官から授与された。最後に全員で記念撮影を行い授与式は終了した。
 授与式の後に、食堂でレセプションを催し、空手及び居合の演武を披露し日本の文化を紹介するとともに、音楽演奏を実施して国連メダル授与へ感謝の意を表し、日本に対する信頼及び理解の獲得に努めた。

盛大に記念行事
13旅団15周年
海田市駐64周年
 陸自第13旅団(旅団長・掛川壽一陸将補)は11月2日、海田市駐屯地において、国会議員、地方自治体の長、協力諸団体の長、歴代旅団長等多くの来賓の臨席及び多くの地域住民の来場を得て、隊員836名、車両数188両、航空機9機が参加し、多くの市民が見守る中、第13旅団創立15周年・海田市駐屯地創設64周年記念行事を盛大に挙行した。当日は降雨の予報だったが天候に恵まれ、一般開放時刻の8時半前には既に表門に来場者の列が、北門には車の行列ができ早朝より多くの市民が駆けつけた。
 式典は、式辞に引き続き、衆議院議員・河井克行氏、中川俊直氏、中丸啓氏、広島県知事・湯崎英彦氏及び海田町長・山岡寛次氏から祝辞として、先の広島市豪雨災害への第13旅団の活動に対し賛辞とともに激励があった。観閲行進では、中国五県の県旗紹介に続き隷下部隊及び海田市駐屯地に所在する部隊が一糸乱れぬ観閲行進を披露した。また、初めて海自呉造修補給所貯油所に勤務する石川貴之1等海尉ほか2名の警備犬訓練士を含む11名の隊員が参加し観客から大きな拍手が贈られた。観閲行進の後、観閲飛行、祝賀飛行と続き、山口県の航自防府北基地からT—7初等練習機、鳥取県の空自美保基地からC—1輸送機、三重県の陸自明野駐屯地からAH—1S対戦車ヘリコプターが飛来し華を添えた。
 第13音楽隊(隊長・今井裕樹2尉)の演奏に引き続き、第13偵察隊が実施する精鋭6名によるオートバイドリルでは、アクセルターン、フォーメーション走行、3連ジャンプ、走行間射撃など、優れた技術を披露した。訓練展示は、第46普通科連隊(連隊長・一宮大介1佐)基幹による攻撃戦闘訓練が行われ、実戦さながら、普通科・戦車・各種火砲の他、施設器材、ヘリコプター等を駆使した空地一体となった迫力満点の勇姿を披露し、観客を魅了した。
 祝賀会食は防衛協会会長・深山英樹氏あいさつ、外務大臣・岸田文雄氏、広島市長・松井一實氏祝辞、中国五県の担任部隊長紹介、広島県隊友会長・寺尾憲治氏の乾杯の音頭で開会した。祝賀会食には、中国五県の名物も出店し、出席者は隊員が作るその味を堪能しながら、記念日を祝った。
 戦車試乗は、整理券配布所に長蛇の列ができ、人気の高さが窺えた。また、旅団の保有する装備品を展示した装備品展示のほか、訓練検閲や災害派遣活動の様子を撮影した写真展、自衛官やその家族が製作した作品展にも多くの見学者が訪れた。今回2回目の登場となった陸上自衛隊のマスコット「タクマくん」と「ユウちゃん」は、野外演奏会で第13音楽隊、安芸南高校吹奏楽部と共演するなど来場者を温かく出迎え、家族で訪れた子供達と一緒に記念撮影する姿が多く見られた。
 本記念行事は、約1万1千人の方々が訪れ、年々地域住民の自衛隊に対する理解と信頼が深まり、期待が更に高まっていることを認識する記念行事となった。

雪月花
 11月7日、市ヶ谷駅の近くにある日本棋院にはたくさんのマスコミやファンが押しかけていた。16歳2カ月という史上最年少の女流本因坊が誕生した、藤沢里菜二段が3連勝で向井千瑛女流本因坊からタイトルを奪取したのだ。2010年7月15日号の本欄では、11歳6ヶ月という日本棋院始まって以来の最年少プロ、これからも数々の記録を作っていくだろうと書いていた。藤沢本因坊とは筆者も多少の縁があり応援をしている。今年の春だった、棋院で出会った時「高校はどこに行っているの?」と聞いた。三代続く囲碁界の名門だから千代田区や港区のセレブな学校の名前が出るかと思って聞いたのだが「高校には行きません」。お祖父ちゃんは囲碁界では知らない人はいないと言われる故藤沢秀行名誉棋聖、今でも隠然たる影響力を残している。お父さんの一就さんも日本囲碁界の重鎮で新宿に塾を開き子どもたちの指導を行っている。そんな環境だから自分の進路は自然に決められたのかもしれない。今では1日10時間は碁盤の前に座っているそうだ。学校に行く時間に碁の勉強をしたかったのだろう、根性は見上げたものだ。6月の会津中央病院杯の優勝賞金7百万円に今回の5百万円、この面でも凄い。本因坊を奪われた向井さんも「中国や韓国の女流棋士はものすごい数でレベルも高いが藤沢さんなら十分戦える」とエールを送っている。男子の六冠・井山裕太さんとタイトルをかけた対局は見られないものだろうか。

Home
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc