防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   895号 (2014年11月15日発行)
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地域社会と交流深める
地本便り
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P—3C体験搭乗を実施
〈沖縄地本〉
 沖縄地本(本部長・山根寿一陸将補)は9月27日、海上自衛隊第5航空群の支援を受け、募集対象者及び募集協力者等43人に対しP—3C型哨戒機による体験搭乗を実施した。
 当日は、晴天に恵まれ、普段搭乗する機会のないP—3Cの機窓から、ラムサール条約登録地及び国立公園に指定されている慶良間諸島を望み、通称『ケラマブルー』と呼ばれる美しい海を眺める空の散歩を楽しんでもらい多くの参加者から「慶良間の海はとても綺麗でした!」「楽しかった! 貴重な時間をありがとうございました。また機会があれば乗せてください!」と喜びと感謝の声があった。また、防大の受験を希望し将来操縦士を目指したいという学生が操縦士に対し質問したりアドバイスを受けたりする場面も見られ、募集協力者や対象者にとって有意義な時間となった。
 沖縄地本は、「県民と自衛隊の架け橋として様々な企画を通して、自衛隊の任務や活動を理解して頂くよう努め、募集成果に繋げていきたい」としている。
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県内屈指の祭りで広報
20万人を超す来場で賑わう
〈三重地本〉
 三重地本津募集案内所(所長・森田賢二3陸佐)は、10月12日、津市で開催された「津まつり」において海上自衛隊舞鶴移動募集支援班の支援を得て、自衛隊車両展示およびミニ制服試着などの広報活動を実施した。
 津まつりはマーチングバンド・よさこい・太鼓・日本最大級の和船山車などによるパレードが行われる370年あまりの伝統を誇る県内屈指の一大イベント。
 台風19号接近に伴い開催も危ぶまれたが天候が持ちこたえ、当日は20万人を超す来場者で賑わいを見せた。
 御嶽山の捜索活動が連日報道されていることもあり大勢が自衛隊に関心を示し高機動車を興味深げに見学していた。「この車両は御嶽山の活動に参加しているのですか?」など多くの人が広報官に質問していた。
 舞鶴移動募集支援班の支援を得て制服試着などを実施したが、海上自衛隊のない三重県で海自の制服を着るまたとないチャンスだと嬉しそうに試着する小中学生や、迷彩服を着て高機動車の前で記念撮影する親子連れなどで大変な賑わいをみせた。
 なお、舞鶴移動募集支援班が配布していた、ティッシュおよび艦艇などが印刷されたカードが早々になくなるなど、多数の募集情報を得ることもできた。
 三重地本では「今回は、舞鶴募集支援班の活躍により、大変素晴らしい成果を収めることができた。今後とも市町イベントで積極的な広報を行うことにより、自衛隊に対する理解と認識を深めさせ、防衛基盤の拡充に努める」としている。
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地本キャラ総選挙
センター"決定!!
〈茨城地本〉
 茨城地本(本部長・許斐輝幸1陸佐)は、来年度の募集ポスターのデザイン起案にあたり、今年お披露目した三人娘のキャラクター
からポスター中央を決定する「茨城地本総選挙〜次のポスターの中央は誰だ?〜」を地本ホームページで投票を募った。これは、本年度の当地本独自の募集ポスターがマスコミ各媒体から多くの問い合わせを受けるなど好評を博したことから、広報施策の更なる推進を図る目的で実施したもの。
 7月28日から選挙告知し、8月20日午前10時より投票開始、8月29日に中間発表、9月10日午後3時まで投票を受け付けた。総選挙の期間中、ソーシャルネットワークサービスで話題になったり、テレビ番組で本年度の募集ポスターが取り上げられたりと想定外の宣伝効果も加わり最後まで大接戦。陸自風のキャラクター「小梅」が600票を獲得、来年度のポスター中央に位置することが決まった。
 茨城地本は、「年々厳しくなる募集環境を踏まえ、募集対象者への有効な情報発信手法を発掘するべく、新しい施策をどんどん打ちだし、対象者の心をつかむ募集活動を展開していきたい」としている。
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自衛隊広報ROOM
隠れ家としてTVで紹介
〈愛知地本〉
 愛知地本(本部長・市川文一1陸佐)は、10月26日、愛知地本「自衛隊広報ROOM」において、中京テレビ(日本テレビ系列 愛知・岐阜・三重・静岡の一部で放映)人気番組「前略 大徳さん」の番組収録に協力した。
 同番組は視聴者参加型の情報バラエティー番組で、タレントのビビる大木さんと、お笑い芸人チュートリアルの徳井義実さんがロケに出て、視聴者が気になっている情報や、どうしても叶えたい「視聴者のわがまま」に応えるというもの。今回は、名古屋駅で「ビビる大木が行きつけにしたい店ランキング」との内容で、有名飲食店のほか、「隠れ家」的スポットとして、愛知地方協力本部「自衛隊広報ROOM」が紹介された。
 自衛隊広報ROOM近くで、愛知地方協力本部・荒川志保2陸曹がビビる大木さんをお出迎え。「カフェ感覚で気軽に立ち寄れる」など、行きつけポイントを説明しつつ、周囲を爆笑の渦に巻き込む抜群の切り返し、やり取りの中、撮影が開始された。自衛隊広報ROOM内では、愛知地本募集課計画班長・井上康司3空佐が加わり、展示品を見ながらの説明では、絶妙のコンビネーションと、ビビる大木さんとの駆け引きで周囲をおおいに沸かせた。
 その後は、各種制服試着体験を行い、たくさんの笑顔と優しさに包まれた番組収録となった。
 番組放送内では、本年度「第2回護衛艦カレーナンバー1グランプリinよこすか」で第1位となった、海上自衛隊潜水艦部隊「濃厚味わいカレー」がレシピをもとに忠実に再現され、試食をした番組出演者一同から大絶賛された。
 愛知地本は、「『自衛隊広報ROOM』を広報の拠点とし、今後更なる募集・広報活動を行っていく」としている。

昨日の敵は今日の友
日米下士官が硫黄島訪問
  祖父が戦った者同士の参加者も
 9月25日から26日までの間、統合幕僚監部最先任・渡邊満徳准陸尉は、陸上自衛隊最先任上級曹長・鈴木喜晃准陸尉、海上自衛隊先任伍長・宮前稔明海曹長及び航空自衛隊航空総隊准曹士先任・山崎勝巳准空尉並びに在日米軍最先任ジェームス・ローレント最上級曹長、在日米海軍先任伍長ジョゼフ・ファーニー最上級兵曹長、米海軍第7艦隊先任伍長クルスピアン・アディントン最上級兵曹長、米海兵隊第3海外遠征軍最先任リー・ボナー最上級曹長及び同軍先任伍長エリック・アンダーソン最上級兵曹長など日米の下士官14人で硫黄島を訪問した。
 一行は、硫黄島へ到着するや海自硫黄島航空基地隊副長及び空自硫黄島基地隊副司令へ表敬挨拶した。その後直ぐに「天山慰霊碑」及び「米軍将兵の碑」にて英霊に対し献花等を行い慰霊した。「再会の碑」では、その碑文(「かつての戦地、昨日の敵は、今や友好の地となり、今日の友である。"Where we once met in war. We now meet in peace"」)の前で、日米最先任等は堅く握手を交わし『友好の絆』を確認した。
 その後訪問団は空自硫黄島基地隊准曹士先任外山准尉及び海自硫黄島航空基地隊先任伍長田山曹長による部隊概況説明や部隊施設・内務班見学を実施し業務内容及び勤務環境等を掌握した。また、硫黄島に勤務する海空部隊の准曹士15名と懇談。個人の携帯電話やPCインターネット環境などが未整備である硫黄島の余暇の過ごし方、離れて暮らす家族とのコミュニケーション、絶海の孤島であるがゆえの楽しみ方等について生活実態等を掌握した。
 米海兵隊ボナー最先任は、見学を終えてから「整然と並べられたドラム缶や綺麗に整備された職場や内務班などから部隊の士気や個人の誇り高さが伺い知れる」と感想を述べていた。
 訪問2日目は、島内史跡研修を行った。医務科壕、大阪山砲台、沈船、摺鉢山及びシャーマン戦車等を研修し、陸海空海兵各軍種の見地から硫黄島における激戦に思いを馳せた。米軍が硫黄島に上陸した海岸では、米海兵隊ボナー最先任が周囲の地勢や摺鉢山との位置関係を脳裏に焼き付けるように見ていた。大阪山砲台では、在日米海軍ファーニー先任伍長が6インチ砲の諸元などの説明を熱心に聞いていていた。
 また、米海兵隊アンダーソン先任伍長の祖父と空自総隊准曹士先任付山崎1曹の祖父はそれぞれ硫黄島で戦ったそうであり、お互いにそのことを知ると70年の時を経て再会したかのごとく熱く握手を交わし、先人に思いを馳せ、時代が築いた絆を実感していたようであった。
 また海自宮前先任伍長は、「今年度3回目の日米最先任共同事業となる硫黄島部隊訪問だったが、天山慰霊碑、米将兵の碑、再会祈念碑を米軍と共に参拝することで、お互いの友好親善をより深めることができた。硫黄島には海自の基地があるため、航空集団先任伍長在職期間に訪問したことがあったが、航空自衛隊の施設研修等は初めてであり、空自隊員とのディスカッション、居住区見学等、島内におけるお互いの生活環境についても垣間見ることができ大変有意であった。過酷な勤務環境下において、目に見えない苦労も多いと思うが、一人一人頑張ってほしい」と述べた。
 統幕渡邊最先任は、「硫黄島は、地政学的位置と歴史的意義の2点において日米双方に大きな影響を与える場所と考える。しかしながら今回の訪問における最大の成果は、『経験の共有』にあったといえる。在日米軍各位の反応も同様で、共同訪問本来の意義である『言葉を尽くすだけでは通じない何かを行動を通して分かり合う』ことを改めて体験した。前述の通り、訪問者の中には親族がこの地で戦った者もいたが、互いの英霊に対し頭を垂れ敬意を表す姿は、千言万語を超える誠意を感じ、堅く握手を交わしている。こうした姿に、我々は『真の友情と信頼は、共に行動し経験を共有することにより育まれる』ことを教えられ今後の活動の励みとなった。この場を借りて、訪問に尽力された隊員の方々に感謝の意を表したい」と述べた。
 在日米軍ローレント最先任は、「統幕最先任の渡邊准尉のおかげで、日米各軍種最先任と硫黄島を訪問できました。硫黄島の外山准尉及び田山曹長のお陰で硫黄島の現況だけでなく島内の戦跡研修ができ貴重な経験となりました。今後も日米下士官の交流を深化させたい」と意気込みを語った。
 日米共同統合運用が常態化してきている中で、こうした近現代史をふまえて築かれた日米同盟を准曹士レベルで強固にすることは非常に意義がある。今後も統幕最先任及び在日米軍最先任を中心に日米下士官交流が更に活発になるだろう。
 日米最先任等共同部隊訪問は今回で13回目となる。

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