自衛隊体育学校(学校長・保坂一彦陸将補=朝霞)は8月1日、女子ラグビー基幹要員集合訓練を報道公開した。今年度から始まった同訓練は、女性自衛官の中から、ラグビー経験問わず、体力・気力に優れ(31歳以下 身長165p以上 50m走7秒4以内 立ち幅飛び2m10p以上 ※必須でなく基準値)16年リオデジャネイロ大会から正式種目の7人制女子ラグビーで五輪出場を目指す隊員を集め、体校が"出場全競技メダル獲得"を掲げる東京五輪をはじめ将来の日本代表を発掘・育成するのが目的だ。年度内に1回約3週間の訓練を計4回行う。2回目の今回は陸自9人、海自1人、空自2人の計12人が参加した。1日のメニューは朝2時間体力トレ、昼2時間ラグビートレ、夜1時半筋力トレ。公開は昼練習で、茹だる暑さの中、参加者は水分補給の僅かな時間を除き殆ど休みなくパスやタックル、スクラム、トライなどの練習をこなしていた。
競技人口の少ない女子ラグビーだけにメンバー中、経験者は1人だが、大阪体育大陸上部出身者や元体校のレスリング特待生、現役サッカー選手などスポーツウーマンが集う。体校の国内有数の施設や人員をフル活用、伝統と高いレベルを誇る自衛隊男子ラグビーの優れた指導者を教官・助教に、鍛え上げているため、実力向上速度は目覚ましい。未知の競技、日々の成長、思いがけないチャンス。選手皆、笑顔絶えぬ前向きさが印象的だった。「人手が少ない中、送り出してくれた部隊に感謝」、「体力に自信がある隊員はぜひラグビーに挑戦を」など、同僚や後に続く後輩への思いも胸に、第一の目標は今秋実施予定の日本代表セレクションだ。参加レベルに達した選手を選抜し派遣する。唯一の経験者で代表相手にトライを決めたこともありながら入隊前はスポーツ経験無しの個性派、橋場麗奈3陸曹(8月1日付で東方衛生隊から体校スポーツ科学科に異動)をはじめ、代表入りを目指す彼女達の挑戦は続く。
▽今後は部外スカウトも
来年度以降は体校常設チームも構想され、「全国の女性隊員から金の卵を」(和田伸一郎教官)と、部内で発掘を続ける一方、部外スカウトも視野に。女子ラグビーは企業の支援も薄く選手の受け皿となる。今年度の防衛白書も自衛隊の東京五輪に向けた取り組みとして「女子ラグビーの支援、育成」を紹介している。 |