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自衛隊ニュース   890号 (2014年9月1日発行)
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普天間移設工事に関し沖縄優先を要請
小野寺防衛大臣に
沖縄県経済団体会議が要請書

 小野寺五典防衛大臣は8月20日、大臣室で、沖縄県の経済団体や観光振興団体、農協、漁協など12団体が加盟する沖縄県経済団体会議(國場幸一議長)の訪問を受け、米海兵隊普天間基地の移設工事を念頭に置いた「米軍基地の整理・縮小に伴う代替施設の建設及び返還作業に係る県内企業への優先発注 県内資材等の活用について」の要請書を受け取った。
 同団体は要請書の中で、製造業・建設業を構成する第二次産業が沖縄県の経済発展はもとより雇用を下支えする重要な産業となっており、米軍基地の整理・縮小に伴う大規模工事の県経済全体への効果は計り知れないとしている。
 要請書を受け取った小野寺大臣は、沖縄県に米軍基地が過剰に集中している現状を踏まえ、「グアム移転も含めて沖縄の負担軽減に最善の努力をしていきたい。その中で、普天間の危険性を一日も早く除去するためにキャンプシュワブへの移設工事を進めています」と現状を説明し、「沖縄経済に資するような形で、ご要望をしっかり受け止めさせていだたきます」と述べた。
 訪問を終えた國場議長は「小野寺大臣に要請の趣旨は理解して頂けたものと思う」などと手応えを語った。


ふるさとトーク
武田副大臣 in 旭川

 8月6日、武田良太防衛副大臣は北海道旭川市で開催した「車座ふるさとトーク」に出席し、地元住民14名と対話した。「車座ふるさとトーク」は、安倍内閣として、大臣・副大臣・政務官が地域住民と少人数で車座の対話を行い、生の声をつぶさに聴き政策に生かそうという取組。今回は、「北海道の「守り」をどうするか?〜北の鎮めと南への備え〜」をテーマに、道庁や市役所、市民委員会、住職、NPO法人、学校などの関係者、自衛官募集相談員など自衛隊と関わりのある人々と意見交換を行った。参加者からは、自衛隊の広報に対し、「もっと市民との意見交流をする場を設け、情報を発信し共有して」といった意見が、防災に関しては、「自衛隊の防災に関する知見を地域に落としてほしい」、「地元の建設業界と自衛隊が一緒に訓練をする仕組みがあればいい」などの意見や、「災害への備え」、「災害後の心のケア」についての話があった。また、集団的自衛権について、「何がどう変るのか、もっと国民に教えて欲しい」といった意見もあった。
 これらに対し、武田防衛副大臣は「独りよがりな安全保障政策、防衛政策でなく、国民の皆様と一緒に国を作り、守っていく、そのしっかりとした礎になっていくという原理原則を我々は今一度、全員が肝に銘じ、しっかりと励んで参ります。地元のお祭りも然り、災害任務も然り、身の危険を顧みず頑張る自衛官を、どうか皆様で支えていただけますことをお願い申し上げます」と答えた。
 防衛省は、「今回いただいた様々な御意見も参考に今後の取組を進めていきます」としている。


CRF新司令官が着任
第7代 川又弘道陸将
所命必遂 統率方針に

 今年一番の暑さを記録した8月5日、座間駐屯地儀じょう広場で第7代中央即応集団司令官川又弘道陸将(前職は第4師団長)の着任式が行われた。
 着任式にはCRF隷下の各部隊長などが参加。また在日米陸軍司令官ブーザー少将も臨席した。
 照りつける日差しの中、川又司令官は着任の辞で「これから陸上自衛隊の最精鋭を誇る諸官を率いて任務に邁進できることは名誉であり、その重責に身の引き締まる思いである。我が国を取り巻く安全保障環境やCRFの活動地域においても予断を許さない厳しい情勢にあるが、海外における任務完遂とともにそれに従事する隊員の安全を確実にするための教育訓練や装備の充実を早急に検討し具体化しなければならない」と決意を述べた。統率方針として『所命必遂』をかかげ、「任務役割を深く認識し、日頃から厳しく特殊な任務に耐え得るよう心身を鍛えるとともに、陸上自衛隊唯一の部隊の集合体・一隊員として、比類なき技を磨くこと」を強く要望した。
 その後行われた記者会見では、着任式で訓示した「比類なき技を磨く」についての質問に対し、福島第一原発事故での専門性・特殊性を有する任務を例にあげ、「他の特殊武器防護隊に比較されるべくもなく一歩抜きん出た能力を持つ部隊であり、その存在が抑止力につながる」とあらためてCRFの強みを述べた。また海外任務にあたっている隊員の家族に対しては、自身が第4次東ティモール派遣施設群長としての海外任務体験があることを踏まえ「安心して頂けるようにできる限り状況を報告していきたい」と述べた。


雪月花
 港区の私立女子小学校に六年生で双子の子どもを通わせるお母さんに聞いた話。今年の夏休みも二人を連れてハワイに行ったそうだ。今やハワイもグアムも夏休みの定番コースになっているので珍しくもないが、目的を聞いてキョトンとした。夏休みの絵日記のアリバイ作りだと言うのだ。この学校は小中高一貫校で都内でも名門といわれ評価が高く、セレブの子弟が通っているとの噂だ。絵日記はその子の家庭状況がはっきり分かるので情報収集には一番手っ取り早い、お母さん同士のカフェ会議では格好の資料提供になる。そしてなまじっかの夏休みを過ごしていると学校で友だちからのいじめにあうというのだ。だから絵日記にはワイキキの白い浜や、あの木何の木、ディズニーのアウラニーリゾートが克明に書かれる。日本に帰ってもプールは都心のホテル、キャンプは軽井沢という。いったいひと夏にいくらお金を掛けるのだろう。高知の親戚の子どもの絵日記も見せてもらった。昔と同じようにクワガタの絵が描かれている、おじいちゃんの眼の手術に付いて行ったこと、ネズミ花火に追いかけられたこと、「輪抜け」にも行った(この1年前半の無事を感謝し後半も元気に暮らせることをお願いする神社の行事)。やっぱり絵日記には虫かごと網と麦わら帽がよく似合う、そしてお金もかからない。何十年たっても筆者と同じことが綴られている絵日記はまことに嬉しい。

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