防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   884号 (2014年6月1日発行)
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千歳青年会議所50周年
准曹会表彰
 5月10日、千歳基地准曹会(3高群・杉本孝哉曹長)は、市内ホテルで行われた「千歳青年会議所創立50周年記念式典」において、感謝状を授与された。
 青年会議所は、活動の基本を「奉仕」「修錬」「友情」に置き、「明るい豊かな社会を築き上げる」ことを共通の理想とし、会員相互の啓発と交流を図り、公共心を養いながら、地域社会の繁栄と平和に貢献することを目的としている。
 千歳青年会議所では、「千歳川清掃」をはじめ、「千歳夏祭り」、「スノーバスターズ(独居老人宅の除雪ボランティア活動)」等、千歳の街がより魅力的な街になるよう多くの活動を行っており、その一部の活動に、千歳基地准曹会も参加させて頂いている。
 この感謝状は、千歳青年会議所創立50周年を迎えるにあたり、同会議所が行っている運動に、深い理解と格段の尽力をしたという功績により、東千歳曹友会、北千歳曹友会とともに贈呈されたものである。
 千歳基地准曹会は、これからも千歳市が魅力的な街になるよう千歳青年会議所の活動に参加していくので、隊員の積極的な協力及び参加を待っている。

「強い兵士の育成」
日米最先任等会同
活発な論義
 統合幕僚監部最先任下士官渡邊満徳准陸尉は4月9日、防衛省統合幕僚監部(市ヶ谷)第2大会議室において日米の最先任等を参集し日米最先任等会同を開催した。本会同は、昨年12月に沖縄で実施した日米最先任下士官等会議に引き続いて行われたもので、今回は隊員の服務指導に重点をおいて情報共有・意見交換がなされた。
 参加者は、陸上自衛隊最先任上級曹長鈴木准尉、海上自衛隊先任伍長宮前曹長、航空自衛隊准曹士先任新井准尉及び在日米軍最先任上級曹長ジェームス・ローレント(横田基地)、在日米陸軍最先任上級曹長スティーブン・ペイトン(キャンプ・座間)、在日米海軍先任伍長シェリンダ・ミラー及び米海軍第7艦隊先任伍長クリスピアン・アディンドン(横須賀基地)、米第3海兵遠征軍最先任上級曹長スティーブン・モーフィールド(キャンプ・コートニー)、米空軍第18航空団最先任上級曹長ラモン・コロンロペス(嘉手納基地)、米空軍第35航空団最先任上級曹長ギャリー・シャープ(三沢基地)並びに自衛隊主要部隊等の最先任上級曹長等総勢約50名が一堂に会した。
 会同は統幕最先任渡邊准尉が司会進行役を務め、服務全般の情報共有、メンタル・ヘルス及び自殺予防等の取り組み及び家族支援に関する意見交換が行われ、活発な論議がなされた。
 自衛隊側から米軍側に対して、戦地から帰還した兵に対するケア等についての取り組みなど具体例の説明を求めたところ、第3海兵遠征軍モーフィールド最先任は「部隊では、ウォリアー・アラウンド・テーブルを開催している。これは各自の戦地における体験談を皆で共有し、心理面でのストレス軽減を目的に行っている。」また、米空軍18航空団コロンロペス最先任は、「ストーリー・テラーを主催して、帰還兵のみならず他の兵士も併せて各自の悩みなどを話す機会をもっている。世の中には完璧な人間などはいない。誰でも弱点がある。自分の心を開いてコミュニケーションを取る事が大切である。私自身も今まで失敗や後悔をしてきた。自分の殻に閉じこもらずに思い切ってさらけ出すことにより気持ちが楽になるばかりでなく、『失敗を二度と起こすものか!』と気持ちが強くなった。人間の性格を変える事は非常に困難であるが、強くなることは出来る」など、現場での取り組みなどについて経験談を交えて貴重な意見を聞く事が出来た。
 また、心の強い隊員(兵士)の育成に関し、陸自東部方面隊最先任野村准尉は、「東方では、強くてしなやかな隊員の育成を推進している。「強くてしなやか」とは刀に例えると、刃の部分は強さが必要だが刃身にしなやかさがないと外力からの力をいなしたり出来ない。このようにプレッシャーやストレスに強い隊員を育成する事で、実戦のみならず普段の服務規律維持につながると確信している」と武人として熱く語った。
 統合幕僚長による訓示では、「大半が准曹士で占める自衛隊は、実質的に准曹士が自衛隊を動かしている。准曹士が団結する事により自衛隊の行動が出来るので、准曹士先任が中核となり准曹士が団結して欲しい。また、指揮官が先任を理解し先任を使って部隊を強くすることが大切である。そのために、先任は指揮官とコミュニケーションを良く取って欲しい」などと要望した。また、先日行われた米国統合参謀本部議長デンプシー大将との懇談において今回の日米最先任等会同開催が話にのぼり「色々なレベルで交流することは大切である。積極的な交流を望む」とデンプシー大将が語ったと紹介された。
 本会同主催者の統幕最先任渡邊准尉は、「統幕最先任制度は今年4月から本格運用が開始されました。今回は日本全国から多くの日米最先任等にご参集頂きました。本格運用開始にふさわしい会同内容となり大変感謝しております。会同では、実戦経験豊富な米軍から具体的な事例やメンタル・ヘルス関連の取り組みなど様々な意見や情報を伺い知る事ができたので、最先任等業務においてメンタル・ヘルスやレジリエンス等の分野において非常に参考になると思います。また、米軍に対しても自衛隊の服務状況や隊員育成の取り組み等を理解してもらえたので、安全保障上のパートナーとして十分に信頼を得たと思います」と力強く語った。
 会同終了後、参加した自衛隊主要部隊の最先任等からは、他自衛隊の服務に関する認識や取り組みだけでなく、在日米各軍の服務状況等や具体的な服務指導要領等について知見を得る事ができ、最先任等業務に非常に参考になったと語っており次回の開催を強く希望する声が多く上がっていた。
 統合幕僚監部において最先任等制度の本格運用が開始され、ようやく陸海空自衛隊における最先任等制度の足並みが揃った。今後、日米下士官間の最先任等業務系統のネットワークが更に緊密となり、相乗作用により「強い隊員の育成」に大きな影響力を発揮していくだろう。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
(株)アスビック 三瓶 聡
1つ1つ経験を積み自分を信じて判断、対処
三瓶氏は平成25年7月、北部情報保全隊を2陸尉で定年退職。54歳

 民間企業での勤務経験が無く、初めて会社というものに就職しました。
 業務管理教育で心構え等いろいろ指導をいただきましたが、退職3年前であり、部隊での業務が多忙なこともあって、就職準備らしいことは何一つすることもなく、援護の方に勧められるまま就職しました。
 当社は、ビルメンテナンス業務を北海道主要都市で展開する中堅企業であり、私は本社ビルの施設警備(守衛)として、3交代制の24時間勤務を実施しています。  
 当初は環境の変化に戸惑いましたが、入社から半年が過ぎ、業務にも慣れてきました。職務内容はビルにおける出入者の監視・火災盗難の予防・事故防止・その他命ぜられた事項です。自衛隊での警衛と当直を合わせたようなもので、とても親しみやすいのですが、一人で勤務する中で、状況判断から対処・報告まで全て自分の責任において実施しなければならず、まだまだ緊張の毎日です。
 私は就職先を選ぶ際、それほど深く考える事もせず会社に飛び込みましたが、運良く上司・同僚に恵まれ、また業務の内容も自衛官の経験をいかせるところが多く、今ではこの会社に入社できて良かったと思っています。
 これから様々な状況に困惑することもあるかと思いますが、自分を信じて1つ1つ状況判断をし、対処しながら経験を積んで行きたいと思います。

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