防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   877号 (2014年2月15日発行)
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寄せ書き
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今までの全てに意味がある
第5普通科連隊(青森) 3陸曹 中村正則
 私は28期レンジャー学生として、部隊レンジャー集合教育に参加しました。志願した一番の理由は、憧れの先輩、お世話になった先輩方が皆レンジャー隊員で、少しでも追い付きたい、一緒に仕事がしたいという気持ちでした。今、レンジャー教育の最終任務を終え、実感した三つの事を書き綴りたいと思います。
 まず一つ目は、「一人では何も出来ない」ということです。潜入時の経路選定、任務で使用する重量物の運搬、偵察、襲撃等の協同連携、どれもが一人では出来ない事、戦闘隊全員が助け合わなければ任務は達成できませんでした。
 二つ目は、「辛い時、苦しい時こそ厳しさが必要だ」と痛感しました。実際に行動訓練の山中で仲間が倒れた時、「休め」や「歩かなくていいよ」とは絶対に言えませんでした。その場には車両など入って来る筈もなく、一緒にいるのは疲労困憊した同期だけ、更にその場にとどまれば寒さで全員が動けなくなってしまう恐れがありました。本当に仲間の事を思うなら、仲間を引きずってでも前に進ませ、自分も前に進まなければならないと感じました。
 そして最後の三つ目は、「全て繋がっている」ということを実感しました。苦難を共に乗り越えた同期、厳しく指導してくれた教官・助教、レンジャー点検、各種基礎訓練、行動訓練の各想定、反省も含め最後の第9想定で「今までやって来た全てに意味がある」と感じる事ができました。
 レンジャー隊員としてこれら三つの事を教訓とし、中隊に恩返しできるよう日々邁進していきます。
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振り返るといつも仲間が
第5普通科連隊(青森) 3陸曹 柴田 守
 私がレンジャーに志願した理由は、己の限界へ挑戦することとスキルアップの為でした。基礎訓練では、「体力調整運動1の1」で早速自分の弱さが出ました。体力に自信のあった私は、最初の体力調整運動だと甘く見ていました。悔しさと情けなさでいっぱいになりながら、ズルズルと皆から遅れていきました。
 行動訓練の想定中も、精神面の弱さから私は何度も倒れ込んでしまいました。疲れ、空腹、渇き、眠気と闘っているのは自分だけでは無い、分かっていても出来ない自分、そんな中でも仲間達は私の手を取り「一緒に行くぞ」と言ってくれ、仲間の大切さを実感しました。
 レンジャー訓練を終えた今、振り返るといつも仲間の励ましがありました。私が無事にレンジャー訓練を終える事ができたのも、第28期の同期がいたからです。今後はレンジャー訓練での経験を活かし、自分の弱さを克服、更なる知識・技能を向上して部隊に貢献していきたいと思います。
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企画係として大きく成長
第13音楽隊(海田市) 3陸曹 吾郷輝行
 平成25年12月7日に開催された第34回定期演奏会は盛会のうち無事に終了した。定期演奏会は音楽隊にとって最も大きな行事で、音楽隊の任務の一つである「広報のための演奏」という部分で我々の能力を最大限に発揮できる機会。また、普段ならば楽器編成が大きく演奏し難い曲も定期演奏会では他の音楽隊や部外演奏者の支援を得易くより本格的なプログラムが組める。
 私は企画陸曹として演奏会の企画・進行・シナリオ作成や各種調整等を行い、不慣れな業務に戸惑い、苦戦しながらも、部内・部外問わず多くの方々の協力を得て、何とか私の持つ責任を果たせたと感じている。
 平成19年3月、普通科から音楽科へ転任して以来多くの演奏会に参加してきた。聴衆の方々から沢山の拍手を頂いたり、自分自身で身震いがするほど演奏中に感動を覚えた経験もある。音楽隊員として少しずつではあるが自信がついてきたこともあり、演奏会の選曲や企画全般に携わり、ある意味一番音楽隊らしい業務を持つ企画係をやってみたいという思いはかねてからあった。上番してから半年に満たない程度だが、いざやってみるとこれがなかなか思った通りにいかないものだと痛感した。定期演奏会まで2カ月を切った頃に教育のため係の長が不在に。演奏会までの大まかな道筋は把握出来ていたものの不安で一杯だった。目の前のことをひたすらやって、今思えば回り道をしている場面もあったが、良い演奏会にしたいという思いは常に持ち続けた。しかし、調整がスムーズに進まなかったり部内での連携ミスが起こったり。慣れない業務で時間に追われ自分の楽器の練習もままならない。苛立ちよりも情けなさを感じていた。私を支えてくれたのは音楽隊の同僚の方々、そして家族だった。職場の先輩方、特に企画係を経験したことのある人たちには温かい言葉を何度もかけて頂いた。仕事で帰りが遅くなる日が長く続いても理解していつも待っていてくれた家族には本当に感謝している。
 課題も多く残ったが、当日は準備段階から撤収に至るまで整斉円滑に進行でき、沢山の聴衆に来場頂いて好評の声を多く頂けたのは心から嬉しく、それまでの疲れが吹き飛んだようだった。
 企画係になってからの演奏会への臨み方は上番する前までのそれとは少し変わってきた。これは、どの業務についても同様のことが言えるだろう。色々な業務を経験して、それをパズルのように一つ一つ繋げていくといずれ組織としての仕組みをより立体的に見ることが出来るのかもしれない。
 今回の定期演奏会を企画陸曹として経験できたことは自分の成長に大きな影響を与えたと確信している。これからもこの経験を活かし、部隊の為に精一杯貢献していきたい。
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団結・規律・士気の重要性
第32普通科連隊(大宮) 2陸曹 庄司陽平
 私は11月11日、行田市の総合体育館で実施された、平成25年度埼玉県・行田市国民保護実動訓練に参加しました。
 今回の国民保護実動訓練は化学剤によるテロが発生したとの想定に基づき、現場における初動対処能力の向上と関係機関相互の連携強化を図ることを目的とし、陸上自衛隊、埼玉県警察、行田市消防本部、行田市職員及び深谷赤十字病院等様々な機関が参加した大規模な訓練でした。
 訓練は、開会式から一連の流れをアナウンスで実況・解説し、避難誘導、化学剤の特定・除染、傷病者救護・搬送を各関係機関と連携して実施しました。我が衛生小隊は救護所の開設、受傷者の救護及び救急車搬送組を担任し、私は救護所での対応に当たりました。
 本訓練に先立ち、救護所用のエアドームの設置から、救護所を短時間で設置できるよう錬成を重ねるとともに、円滑に傷病者を受け入れる様に工夫して錬成しました。
 本番当日は、開始直前に天候が急変し風雨の中ではありましたが、錬成の成果を十分に発揮し迅速に実施することができました。
 訓練終了後、小隊の各隊員からは、充分な錬成訓練を実施して本番に臨んだ事で、それぞれが満足感と達成感を感じ、現地指導に来ていた中隊長からも「感動した!」と言って貰うことができました。
 最後に、今回の国民保護実動訓練に参加し、団結・規律・士気の重要性を再認識するとともに、任務達成のために何が必要で何をしなければならないのかを考え、今後も日々精進していきたいと思います。
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勤続25年、感謝を胸に
第7普通科連隊(福知山) 陸曹長 佐々木吉幸
 私は、平成25年11月1日で無事に勤続25年を迎えることができました。今振り返るとあっという間でした。「やっと25年」「もう25年」の両方のとらえ方がありますが、大きな事故・怪我もなく、沢山の方々に支えられてここまで無事に勤務することができ、感謝の気持ちで一杯です。
 ここでは日頃口に出せない思いを述べさせていただきます。
 まずは、両親に対してです。入隊以来面と向かって感謝の気持ちを伝えることはほとんどありませんでした。44年前、五体満足で産んでいただき、そして厳しさと優しさの「アメとムチ」で育ててもらったお陰で、今の自分自身があると思っています。本当にありがとうございます。体に気をつけて、一日でも長く、息子の成長を見守ってやってください。
 次に妻に対してです。自衛隊生活25年、妻とは23年を共に過ごしてきました。3人の子供にも恵まれ、子育てで忙しい中、私のわがままを聞き入れ、愚痴も言わず、自分のやりたいことを我慢し、黙って付いてきてくれたことに感謝したいと思います。自衛隊生活も残り10年、よろしくお願いします。
 最後に自衛隊で、同じ釜の飯を食い、同じ目標に向かって、競い、また助け合いながら頑張ってきた、沢山の良き上司・同僚・部下に巡りあえたことに感謝したいと思います。
 自衛隊生活も残すところ10年となり、現状に満足することなく、自分自身に新たな目標を見つけ「後悔先に立たず」にならないように自分自身と皆のために尽くし、悔いのない満足のいく自衛隊生活を送って頑張っていこうと思います。

一面の銀世界で
「しらせ」乗員の成人を祝う
 1月18日、砕氷鑑「しらせ」(艦長・日高孝次1海佐)は艦上で小玉翔平、井坂悠祐両海士長の成人を祝った。昨年11月8日に出国した同艦は3年ぶりに昭和基地沖の接岸に成功。第55次越冬隊員・夏隊員、物資約592トン、燃料約567トンの昭和基地への輸送、基地の要望に応えた屋外観測支援、基地作業支援を行った。既に離岸し復路についている「しらせ」は第54次越冬隊員等を乗せオーストラリアに向かっている。
 南極で成人の日を迎えることは貴重なことだと考えています。一生に一度の成人式を、南極で皆さんに祝っていただき感無量です。
 帰国したら、今まで見守ってくれた両親に感謝の気持ちを伝えたいと思います。今後は自覚を持った行動で何事にも積極的に精一杯頑張りたいと思います。
(運用科・小玉翔平海士長)
 人生で一度しかない成人式を南極で迎えることが出来てとても光栄です。同級生にはできない貴重な経験だと思います。
 今まで支えてくれた両親や先輩方への感謝の気持ちを忘れずにこれからも頑張っていきます。
(運用科・井坂悠祐海士長)

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