9月19日、防衛省で統合幕僚監部最先任下士官交代に伴う諸行事が行われた。
まず、統幕長室で岩崎茂統合幕僚長に対し、9月20日付で交代の初代統幕最先任下士官・小畑良弘准陸尉と第2代・渡邊満徳准陸尉による下番申告・上番申告、識別章の返納・受領が行われた。続いて、9月20日付で定年退官(3等陸尉に特別昇任)の小畑准尉が定年退官申告を行い、統幕長から小畑准尉へ、35年有余に亘る自衛隊勤務に対する労いと今後の活躍を祈念する温かな言葉が送られた。
次に、A棟講堂で交代行事が行われた。岩崎統幕長、松村五郎統合幕僚副長以下、各部部長ら統合幕僚監部の隊員、鈴木喜晃陸上自衛隊最先任上級曹長、新井岳志航空自衛隊准曹士先任、在日米軍最先任上級曹長をはじめ在日米軍下士官団など計約200人が出席・陪席。行事では小畑准尉・渡邊准尉の紹介とそれぞれの挨拶、岩崎統幕長による小畑准尉への送別・渡邊准尉への激励、記念品の贈呈などが相次いで行われた。
この中で、昨春上番以来の小畑准尉の主な功績が紹介された。4幕最先任との連携を密に各部隊最先任等との連携を構築、日米下士官会議の実施、国内自衛隊主要部隊の現況把握、在日米軍最先任上級曹長と日米共同部隊訪問を行い連携を強化、海外派遣部隊最先任との情報交換など。統幕最先任下士官制度は現在は試行段階で平成26年度以降本格運用が予定されている。「小畑准尉は創意工夫に努め精力的に活動し、ほぼ制度を確立してくれた」(岩崎統幕長)。第2代の渡邊准尉は、「小畑准尉の実績を大切に、更なる発展を」誓い、モットーに虚心坦懐(※注)を掲げる。「統合幕僚長に適時適切に情報提供ができるよう、陸・海・空自衛隊、在日米軍との連携を積極的に行うとともに、タイムリーな業務を行いたい」などと挨拶した。
交代行事終了後は儀仗広場に場所を移し、岩崎統幕長をはじめ行事に出席・陪席した約200人他が参列して小畑准尉の見送り行事が盛大に行われた。小畑准尉は記念撮影、花束贈呈のあと、参列者の拍手に送られ送迎の車へ歩を進めた。交代行事では、「CRF最先任上級曹長、統幕最先任下士官という要職を担わせていただき、本当に恵まれた自衛官人生でした。時代の巡り合わせに感謝しています」などと挨拶した小畑准尉。深深と頭を垂れ、全員の万歳三唱と万雷の拍手に送られ防衛省を後にした。
(※注)心にわだかまりを持たず、素直でさっぱりした気持ち |