国際活動教育隊(隊長・伊崎義彦1陸佐=駒門)は、国際平和協力活動を担う陸上自衛官の育成を主任務とし、要員育成のための課程教育及び派遣される部隊の訓練支援を行なう陸上自衛隊唯一の部隊。同隊では5月9日から30日までの間、第22期上級陸曹特技課程の教育を行い、36名の隊員が国際活動に係わる自らの知識・技能を高めて修了し、各々の部隊へ帰隊した。
卒業した隊員は、入校の早い段階から総合実習の準備の一つとして、個人課題で警備計画を作成し、次に幾つかのグループに分かれて学生同士で討議を行い、本課程としての警備計画・不測事態対処計画を立案した。教育の集大成として実施した4日間の総合実習では、国際活動の現場で直面することが予期される状況として、地元部族の所有する牛による部隊の通行不能時の対応や現地住民からの苦情対応などを行ない、各状況への対処後は、その場でグループ討議を行い、改善策を捻出、そして、再び訓練を繰り返し行なうことで、国際活動に必要な知識・技能を修得した。
修了式では伊崎隊長から「本教育で培った『自ら考える力』を、今後も引き続き研鑽して、来るべき派遣に備えるとともに、原隊での勤務においても『自ら考え、実行する』ことを継続してもらいたい」との訓示があった。これを受け、ある隊員は「海外における活動は日本とは異なり、派遣国の特性をよく理解しなければならない。今後、国際活動で海外に派遣されたなら、本教育において学んだ事をしっかりと反映させていきたい」と述べた。
卒業した隊員は部隊において、いつ派遣命令が発令されても直ちに任務に就く事ができるよう、本教育で学んだ事項を部隊訓練に活かし、将来の海外派遣に備えている。 |