地球上には10億発の地雷や不発弾が未処理で残っていると言われる。戦争や内戦、民族紛争の残存である。その処理に日本のJMAS(日本地雷処理を支援する会・折木良一会長)が活躍している。カンボジアで2002年不発弾を処理したのが始まり。この時、初代の理事長だった土井義尚氏は退職金の大半を含む莫大な個人資産を投入したと言われ筆者もその熱意に感動したことを憶えている。いまでこそ外務省の補助金や一般の寄付金などで予算を組めるようになっているが同氏に限らず草創期の人たちはかなりの拠出を行い今は債権の全てを放棄しているとのことだ。そして後につづく人たちもボランティアに近い形で厳しい任務を遂行している。その後同会の活躍はカンボジアのほかラオス、アンゴラ、アフガニスタン、パキスタンに広がり昨年12月からは、太平洋戦争の激戦地パラオでも活動を始めた。港外の沈船海域から爆雷160個が確認され爆雷の亀裂からは危険な爆薬が漏れており急を要するのだ。命がけで取り組むJMAS職員その原動力は?危険な地雷原が安全地化し笑顔いっぱいで遊ぶこどもの純粋無垢な眼と地元民の「ありがとう」の一言だという。一個の爆弾を処理するのに丸1日かかることもある、9牛の1毛にも映るがJMASの仕事は地球上から地雷・不発弾のなくなる日まで続く。2013年6月現在で361、918発(うち地雷21、636)を処理、東京ドーム800個分(約4千ha)の地雷原と不発弾汚染地が安全地化された。 |