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自衛隊ニュース   2013年5月15日号
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軍楽隊の時代を再現
陸・海・空音楽隊が日比谷野音に集結

 4月27日、日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で「日比谷野音90周年記念事業 オープニング式典&吹奏楽フェスティバル・フリーコンサート」が行われ、コンサートに陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・武田晃1陸佐)、海上自衛隊東京音楽隊(隊長・河邊一彦2海佐)、航空自衛隊航空中央音楽隊(隊長・水科克夫2空佐)が出演した。野音開場当初〜戦前には陸軍や海軍の軍楽隊を中心に吹奏楽や管弦楽の演奏会が度々催されたといい、当時の雰囲気を再現するため自衛隊に白羽の矢が立ったもの。陸自中央音楽隊が「行進曲『威風堂々第1番』」、海自東京音楽隊が「東京行進曲」、航空中央音楽隊が「交響曲第9番『新世界より』第4楽章」など当時の軍楽隊が野音で演奏した曲目を当時と同じ"野外の生音"で再現した。
 当日は東京消防庁音楽隊、警視庁音楽隊、駒澤大吹奏楽部、東海大付属高輪台高等学校吹奏楽部も出演。陸自中央音楽隊はフィナーレで高輪台高校と「東京オリンピックマーチ」を合同演奏した。合同練習の機会は一度も無かったというが、息はピッタリ。武田隊長が事前に高輪台高を訪問し、音楽指導のほか、「少年時代にテレビ中継でこのマーチを聞いたのが私の音楽の原点」などのエピソードを話して聞かせたという。約5時間に渡る初夏のビッグイベントに相応しい爽やかな音色で締め括った。


総理から感謝状
大震災2周年追悼式に貢献
陸自中央音楽隊

 陸上自衛隊中央音楽隊に対する内閣総理大臣感謝状贈呈式が5月7日、防衛省大臣室で行われた。この感謝状は3月11日の「東日本大震災2周年追悼式」における演奏に対するもので、小野寺五典防衛大臣から武田隊長に感謝状が贈呈された。3・11から丸2年。武田隊長は後日、「1周年追悼式の際は記憶が生々しく、会場は悲しみに包まれていました。今年は前を向く気持ちが感じられました」などと、当日の様子を語った。


日々積み重ね40回
11飛教団がT—7無事故1万時間

 4月17日、第11飛行教育団(団司令・山下隆康1空佐)は、T—7飛行無事故1万時間を達成した。航空自衛隊では事故を防止するため、1万時間の無事故飛行を一つの目標として日夜訓練に取り組んでいる。第11飛行教育団がこのような無事故基準を達成するのは、平成23年6月23日以来40回目となる(静浜基地での連続無事故達成記録は、昭和53年3月7日以来計18万8000時間)。また、同日、静浜基地において、4月4日に達成された管制無事故140万回と合わせて記念行事を行った。


59期生325名が高工校に入校

 高等工科学校(学校長・菊池哲也陸将補)は4月8日、第59期生徒(325名)の入校式を2月末に竣工したばかりの講堂で行った。式には神奈川県知事代理(副知事)をはじめとする部内外100名を超える来賓が臨席、新入生の家族約650名が出席し盛大に執り行われた。吹奏楽部の演奏による国歌斉唱に始まり、任命・申告・宣誓と続いた。新入生代表・西上優紀生徒の声に合わせ全員が声高らかに宣誓した後、一人一人が自分の名前を発声した。学校長は式辞で「目標を立て日々努力せよ」、「真の友情を育め」の2点について同期と助け合い努力してほしいと要望した。また、陸上幕僚監部教育訓練部長・山之上哲郎陸将補は「人は練磨により仁となる」を激励の言葉として贈り、新入生は一言も聴き逃すまいと、真剣に耳を傾けていた。
 引き続きグラウンドで2・3年生による歓迎パレード、ドリル演技、同校出身者が操縦するヘリコプターによる祝賀飛行が行われ、新入生の新たな門出に花を添えた。その後、食堂で午餐会が実施され、生徒は久しぶりに家族と食事を共にし、楽しい一時を過ごした。全ての行事が終了した新入生の表情は家族との別れを惜しみながらも、新たな学校生活への決意に満ち溢れたものであった。


文科省通信教育で優秀者表彰受ける
田中三津彦1陸佐

 4月26日、文部科学省第1講堂で「第64回 文部科学省認定社会通信教育修了者表彰式」が行われた。同表彰式では、成績優秀な修了生に文部科学大臣賞が贈呈され、受賞者の一人として千僧駐屯地業務隊長・田中三津彦1陸佐が出席した。文科省認定社会通信教育講座は事務系の講座、生活技術・教養系の講座、技術系の講座など全96講座があり、防衛省の退職自衛官援護施策の一環として活用されている。田中1佐は昨年、行政書士講座を受講。「定年の3年前を迎え、将来行政書士をやるかは別として民法や行政法を学び可能性を広げたいと考えた」という。「幾つになっても自分を成長させる、また、進路という観点でも有意義な講座が色々あります。ぜひ積極的に学習する機会を」と、定年を控え将来を模索する仲間たちにエールを送っていた。


「らしく」戦い優勝
通信教導隊が管内職種銃剣道大会で

 通信学校通信教導隊は3月18日に朝霞駐屯地で実施された「第2回東方管内通信科職種銃剣道大会」に参加し、念願の優勝を果たしました。本大会は、現在試行中の最先任上級曹長制度の一環として、通信団最先任上級曹長以下が企画・運営し、銃剣道技術の向上と東方管内曹士の団結を目的として昨年度から実施されています。競技は東方管内の通信科部隊8個チームが参加し総当戦で行われました。本大会に臨むにあたり、ただ勝つだけを目標とせず武道を通じた人間形成、礼儀、礼節を重視するとともに「正しい姿勢」で「正しい刺突」を練習方針として掲げた結果、通信教導隊らしい基本に忠実な銃剣道を実施したことが良い結果に繋がったと感じています。また、当日は通信学校長、教導隊長を始め多数の応援団の後押しと、訓練・支援のため当日応援に来ることができなかった仲間からも、久里浜の地から熱烈な「気」が届き、選手と応援団が一体となって掴んだ勝利だと確信しています。次回は、7戦全勝(今回6勝1敗)の完全優勝、2連覇を目指し頑張ります。(通信教導隊監督・黒澤和弘陸曹長)


魁の風 中央即応集団
日本隊の姿を伝えたい
東北方面後方支援隊東北方面輸送隊(霞目) 1陸尉 坂口良男
 私は、南スーダン共和国(ジュバ)において現地支援調整所広報要員として勤務しています。日本隊が国連南スーダンミッションに参加して1年が過ぎ、現地においては国連機関をはじめ現地政府機関、地域住民等より日本隊の活動を高く評価して頂いています。
 日本を遠く離れて異国の地アフリカで猛暑やマラリアの危険がある中、黙々と任務遂行する隊員の姿を少しでも多くの方々に伝えていくことが広報要員の責務と認識し、引き続き高い評価を得られるよう特に次の3つの点に着意して勤務しています。
 先ず部内向けに対する活動の紹介です。ここでは主に現地支援調整所の案件調整、兵站業務及び我々の生活等に密着し、UNMISS、政府関連機関、JICA等と主体的に活動の案件形成に関わる調整、後方補給に関する調整等の活動状況を積極的に紹介しています。
 次にUNMISS司令部を通した情報の発信です。主に日本隊の道路整備等の施設活動は勿論、ゴミ拾い、ゼブラプロジェクト等のボランティア活動についても取材依頼し、幅広く活動している旨を情報発信してもらえるようその話題作りに努めています。UNMISSホームページ、フェイスブック等に掲載された時などはその努力の甲斐が報われたと思う瞬間です。
 最後に日本の国民の皆様への広報です。約1万5千?離れた地域から本邦へは容易に声は届きませんが、機会あるごとに現地メディアよりジュバ在住の邦人へ情報発信してもらう、アフリカに所在する本邦メディアの支局へ取材を依頼する等の配慮はかかせません。また、本邦からの来客に対する案内等は絶好の広報の機会となるので努めて日本隊の活動が理解して頂けるよう、また、日本隊の活動に好感をもって頂けるよう努めています。私は、無器用で人に上手く伝えられませんが、日本隊が南スーダンの国造りを支援する姿を少しでも理解されるよう努力したいと思います。
目標を持つ大切さ学ぶ
中央輸送業務隊(横浜) 1陸尉 中川将志

 私は、輸送調整幹部として現地支援調整所ウガンダ班で勤務しています。私の職務は日本又はウガンダから南スーダンの輸送について調整し、実行することです。私は、今回の派遣にあたり、現状を把握し、「ウガンダと南スーダン間の補給品輸送に国連機の使用を可能とする」「輸送の効率性を助長するため、ウガンダと南スーダン間に定期便を確立する」という2つの目標を立てました。
 第1の目標については、国連の理解も得ることができ、1月から国連機の使用を開始しました。国連機は土曜日を除き毎日運航しており、私は、この貨物室を有効に活用したいと考えていました。
 国連機使用の利点は、輸送費がかからないこと、免税申請等、各種輸送手続きが必要ないことにあり、緊急性の高い補給品の輸送に使用することができます。その不利点は、輸送できる貨物に制限があり、大型貨物、危険物、冷凍冷蔵品の輸送には使用できません。これら利点・欠点を考慮し国連機を活用することが重要だと認識しています。
 第2の目標について、私は日本で実施されている全国物流便定期便のように、ウガンダで取得した補給品を定期的に輸送したいと考えていました。この構想には、国連機を使用した輸送ができることを前提としており、緊急性のあるものは国連機を使用し、そうでないものは定期便を使う等、使い分けることが重要だと認識しています。
 この定期便は、毎月28日に南スーダンに輸送を完了するもので、これにより要望、取得、輸送に一定のリズムができ、効率性を上げることができると考えています。この調整は2月から着手し、3月1日にウガンダ・カンパラの輸送業者を集め、輸送役務説明会を実施しました。4月28日には定期便第1便がジュバに到着する予定です。
 私は、本派遣を通じ、具体的な目標を持つことの重要性について再確認することができました。目標は具体的であればあるほど、達成状況を確認することができ、また見失うことがないためです。派遣期間も半ばを過ぎ、3次隊と4次隊の派遣交代を調整する時期となりました。派遣交代時の輸送調整はもちろんですが、4次隊への申し送りに関し、どのような状況・体制で申し送るべきかを確立し、準備、調整をしなければなりません。最後まで目標を見失うことなく努力したいと思います。


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