防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年5月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
いかに指導者が大切かよくわかる成長ぶり示す
頑張れ、小鹿野高校

 ちょうど一年ほど前の6月、この欄に私の隣り町・小鹿野の埼玉県立高校野球部に、石山建一監督(69)が赴任してきたことを書いた。石山監督といえば、知る人ぞ知る球界の知名人で、ひとり歩きもできないような弱小中の弱小高校野球部に何で、と不思議で仕方がなかった。
 詳細は省くが、何しろ早大で大活躍し、社会人野球に進んでも日本石油、プリンスホテルの現役、監督として活躍した後、長島・巨人のGMまで務めた大物が…。これは捨てて置けないと、取るものも取りあえず小鹿野高校の試合に駆けつけた。
 それから約一年、あれほど"出ると負け"だったチームが、試合ごとに成長して「オヤッ」と思うほどの戦いぶりを見せ始めたのだ。私が注目したのは「県外遠征などしたことのなかったチーム」をこの春、石山監督が関西遠征に連れていったことだ。関西地方にも石山監督の"教え子"だった高校野球の監督が何人もいる。そのチームと小鹿野高校を対戦させることで、試合感覚を教え込もうというのが、石山監督の狙いだったのだろう。
 強豪として知られる天理高戦は、レギュラーメンバーとの対戦だった。監督の母校・静岡高をも含めての数試合を行っている。ちょうど春のセンバツ甲子園大会の最中だったため、甲子園のスタンドでも観戦できた。
 4月から新任教師として赴任してきた新國直樹監督は、スタンドから出場校のシートノックを見て「ノックの大切さを改めて知った」という。新國監督はいま石山監督から「監督としてのノウハウを1から勉強させてもらっている」とか。石山監督が校外指導者という立場にあるため、公式戦ではベンチ入りできないので、新國監督が指揮を執っているが、夏の甲子園予選までには、さらなる成長ぶりがうかがえることだろう。
 こんなことがあった。校庭での練習をネット越しに見ていたサッカー部の生徒が、ピアスをしているのを見た石山監督が「そんなものをしていては、先生も親も喜ぶはずがない。喜んでもらいたかったら、うんと練習して強くなれ。そうなれば周囲の見る目も違ってくる。地元ファンも喜んで応援してくれるはずだ」と諭した。
 その生徒は翌日から「こんにちは」としっかり挨拶するようになった。「そのうちサッカーやめて、野球部に入れて下さい、といってきますよ」といったら石山監督、苦笑いしていた。期末試験で落第点ばかり取っていた野球部の生徒が「野球やりたかったら、勉強も一生懸命して合格点を取れ」とハッパをかけられ、次の試験で5指に入る高得点を取った、と石山監督は我がことのように喜んでいた。
 関根大輔という2年生の控え捕手がいる。遠征で代打に使われ同点ヒットを打った。「バットスイングの速さ、キャッチボールの大切さ…。何から何まで勉強することばかり。これからも監督のいうことを無駄にすることなく、体を鍛えあげてレギュラーを取れるよう頑張りますよ」と話していた。
 石山監督を慕って、留学までして野球に勉強に汗を流し続ける生徒たち。いま、他のスポーツ部門で指導者の暴力ざたが話題になっているが、指導者の大切さをしみじみと感じる小鹿野高校野球部の成長ぶり。これからも地元民と一緒に、しっかりと見守っていきたい。


「出雲温泉開店です」カラフルな暖簾を設置
出雲駐屯地

 出雲駐屯地(司令・稲吉正孝2陸佐)の業務隊(隊長・品川善邦2陸佐)は、隊員の心身の疲労回復や温泉気分を味わってもらうため、昨年度からまず第1段としてユズやヒノキを浴槽に浮かべて、温泉情緒を香りで楽しませてきたが、今年度からは第2段として、効能が高いヨモギ湯を追加する他、更なる温泉情緒を高めるため、駐屯地内の4つの浴場(幹部・陸曹・陸士・女性)にカラフルな暖簾を設置した。
 それぞれの暖簾の命名は、隊員から島根県の名勝地に由来した名前を募集したもので、本格温泉が楽しめると隊員に大好評の湯となった。因みに、お湯自体は温泉ではないが、山陰の豊かな自然が育む水を使用しているため、これまた、何も入れなくても気持ちのよくなるお湯である。


セクハラストップ
陸・海・空で集合訓練
第13旅団
 第13旅団(旅団長・掛川壽一陸将補=海田市)は、3月5、6の両日、海田市駐屯地体育館で中国・四国地区等を対象とした陸・海・空の各自衛隊及び地方協力本部等のセクシャル・ハラスメント防止担当者に対し「職場の良好な勤務環境の確保」「部下等からのセクハラに関する相談への適切な対応」を目的として、集合教育を担任実施した。
 この教育は、全国を各地区に分け、年度に1回陸幕より依頼・派遣された部外講師により、教育を実施するもので、中国・四国地区では5年に1度の周期で第13旅団が担任し海田市駐屯地で実施される。
 今回の教育は5日を「監督者」、6日を「相談員」に区分し、それぞれ前段を一般的事項と事例紹介の講義、後段をシナリオに沿った相談対応実習(ロールプレイ)の形式で実施され、参加者に対し意識の高揚と相談対応要領の向上を図った。

津波被害を想定 
市町村・関係機関と連携深める
下志津

 千葉市若葉区の下志津駐屯地(司令・飯盛進陸将補)で4月10日、県内16市町村及び近隣警察・消防署の防災関係機関に対して、自衛隊の災害対処態勢、自治体との連携状況等について理解を深めることを目的とした災害対処訓練を実施した。訓練は、千葉県東方沖約40キロを震源とする首都直下地震が起き県東部地区に津波被害が発生することを想定し、災害発生当初の自衛隊の指揮所活動、派遣準備及び東日本大震災災害派遣活動の体験に基づいた行方不明者の捜索・救援活動を実動により訓練し、自衛隊と自治体の防災関係機関との連携要領について理解を深めた。
 また、自衛隊の訓練と併せ、いすみ市(大田洋市長)が実際に災害対策本部を設置する等合同で訓練を行った。飯盛駐屯地司令は、「今後とも県市町村・関係機関と更なる連携を深め、災害対処の実効性向上に努めたい」と述べた。


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