防衛大学校では、神奈川県横須賀市に所在する本校から千鳥ヶ淵戦没者墓苑までの約68kmの道のりを昼から翌朝まで夜通し歩き、千鳥ヶ淵、靖国神社と参拝していく防大生有志による学生行事を「東京行進」と呼んでいます。
昭和34年から毎年学生が主体となって学生間の融和団結の促進、体力練成、献花・参拝を通しての愛国心の涵養を目的に実施されている伝統行事で、今年は平成22年11月27日(土)から28日(日)にかけて実施され460名近くの学生が参加しました。
防衛大学校から中間地点である横浜駅までの間は皆溌溂と行進しており、予定より早く到着する分隊が続出する程でした。真夜中に横浜を出発すると寒さ、疲労、睡魔からか全体的に行進速度が落ちたものの、各学生とも予定通りに千鳥ヶ淵に到着することができました。
千鳥ヶ淵では、学生は到着後制服に着替え奉仕会の方の案内で苑内を行進し代表者が献花、そして短い時間ではありましたが苑内を見学、その後バスで靖国神社へ移動し境内を行進し昇殿参拝を行いました。
靖国神社では、多くの参拝者の方々から「これはどこの学校なのか」といった質問を受けました。私が防大生有志による参拝であることを説明するたびに応援や励ましの言葉を頂き、非常に嬉しく、また励みになりました。
出発から24時間以上が経過し、防衛大学校に帰るバスに乗る頃にはさすがに全員から疲労の色が濃く見えました。しかし、最後まで規律を乱すことなく帰途につき、無事に今年度の東京行進を終えることができました。
「無事に終わった」ものの、細部を反省すると事前調整・実施要領など多くの改善点が浮き彫りになりました。中には私が主導して昨年度の実施要領に変更を加えた所も含まれており、私の未熟さを改めて思い知りました。しかし、「反省すれども後悔せず」という信念で、東京行進の責任者という立場から得られた経験を、来春入校する江田島の幹部候補生学校以後の生活・勤務に生かしていきたいと思います。
私の補佐を直接務めてくれた3学年石神学生、それぞれの大隊をまとめあげてくれた各大隊責任者、リーダーシップを大いに発揮し各分隊を率いてくれた4学年の参加者、支援教官、学校職員の皆様、そして千鳥ヶ淵及び靖国神社の関係各位に感謝の意を表し、篤く御礼申し上げます。 |