今日も衝撃的な報道が目立つ。中国では一部で水道が汚染しているという。水も心配だ。英BBCはマラソン男子世界記録保持者のハイレ・ゲブレシラシエ選手(エチオピア)が北京五輪出場を辞退したと伝えた。理由はいうまでもない。北京の大気汚染である。いやがらせではない。彼には喘息が持病というのだ。1万メートルは参加する。 日本のスポーツ新聞は「中国の汚染は自分の健康にとって脅威だ。42キロを走れない」と本人のコメントを載せていた。同時に女子世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ選手(英国)は、特殊なマスクを着用して訓練しているそうである。 面子を重んじる中国にとって、これは衝撃的に違いない。しかし、考えようによっては、水も空気も汚染された大地を再生させる好機でもあるのだ。 筆者は、中国の自動車はすべて電気自動車にすべきであると主張している。北京の学者・マスコミ関係者に呼びかけてきている。上海も、である。皆さん、いずれも関心を示してくれる。新華社の友人は、具体的な情報が欲しい、と催促してきた。 筆者の頭には富士重工の電気自動車がある。よく知る大株主は元文部大臣をした中島源太郎氏だが、当人も後継者の息子も亡くなっている。長男の隆太郎君の所在がつかめない。やむなく日本自動車工業会の友人を訪ねて、適当な人物を紹介してもらっている最中だ。間もなく事情をつかめるだろう。なんとしても中国の大都市のガソリン車を排除する必要がある。 日本もそうすべきだが、石油業界が反対するため、全ての車をCO2排出ゼロの車にはできないらしい。ならば中国が先行すればいい。既に実用化が可能になっている。大量生産でコストをどんどん下げることができる。夜間の電力で充電が可能である。 時あたかも中国は全人代の真っ最中だ。各省ばらばらだった縦割りの環境行政を一本にまとめるという。前進だ。 この大気汚染は日本もそうだった。今も汚染はなくなっていない。東京だって安全とはいえない。肺がん死亡者は増大している。恐らく中国も同じだろう。たとえ中南海にいても、大気汚染から逃れることはできない。北京のタクシー運転手の将来は厳しいだろう。 私事に渡って恐縮だが、そう考えている人間として品川区が実施している肺がんの検査を受けてみたら、なんと影が映っている、というのである。本日、CTを撮るはめになってしまった。思えば以前は、砂塵と排ガスが舞うダンプ公害地区を毎日、車で走っていた。休日しかまともな空気を吸うことが出来なかった。東京・新橋の本社界隈は、文句なしの大気汚染地区であった。会社でも国会の政治家事務所でも、たばこの煙が容赦なく肺を汚染していたのだから、仕方ないといえば仕方ないのだが。 ともあれ軍備に無駄な金を投入する余裕があるのであれば、断固として電気自動車の導入を優先決断すべきだろう。そうすれば、人類は地球再生を手にすることが出来るはずである。北京に強く要望・提言したい。