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   2006年12月15日号
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《論陣》
さようなら明暗の2006年
=いろいろな出来事を胸に=
 あわただしかった戌年(平成18年)も歳の瀬。あとわずかで新しい年を迎える。「師走だ」「正月準備」といいながら、みんな、まだ“ことし”を走り続けている。それにしても2006年は、国際、政治、経済、社会、スポーツなどで「忘れられない良い話」と「すぐ忘れてしまいたい出来事」が山ほどあった。一年も押し詰まったいま、ちょっと時間を止めて「ことしの出来事あれこれ」を振り返ってみよう。
 日本の人みんなが祝福した慶事は、なんといっても秋篠宮文仁家に親王(男児)が誕生したことである。秋篠宮家の第3子だが、上の2人は内親王(女子)さま。初の長男であるだけでなく、なんと皇室にとっては41年ぶりの親王誕生である。悠仁(ひさひと)と命名された親王は、皇太子の内親王愛子さまに続いて天皇、皇后両陛下の4人目の孫。そして皇位継承順位が第3位なのである。ご誕生の9月6日以降、それまでとかく囂しかった女帝、女系天皇容認否認論議が、一瞬のうちに収まってしまった。ここ当分、皇室典範改正の話は遠のきそうな気配である。有識者の論争も小休止である。
 つぎに明るかったニュースは、2月23日、トリノ冬季五輪の女子フィギュア部門で荒川静香選手が、日本人初の金メダルを獲得したことである。リンク上の氷上の舞。美しい「イナバウアー」は、世界の人を魅了、惜しみない拍手が贈られた。浅田真央ちゃんの笑顔も忘れられない。そのほか日本のプロ野球選抜チームが世界一になったことにもまして、プロ野球パ・リーグで北海道日本ハム・ファイターズが25年ぶりに優勝(10月12日)したのには、日本中が興奮した。人気者新庄選手の引退には一抹の寂しさを禁じ得ない。スポーツでは、バレボール、女子ゴルフ(プロ)、体操、水泳、大相撲と話題は絶えなかった。ゴルフの藍ちゃんの活躍には注目を集めたが、卓球界のホープの愛ちゃんいまひとつだったような気がする。
 混乱のイラク復興支援のため、同国南部のサマワに派遣されていた陸上自衛隊の最後の部隊280人が、7月25日、無事帰国したのはうれしかった。それも長期派遣中、全部隊に一人の犠牲者を出すことがなかったのは“精鋭の証明”。「本当にごくろうさまでした」の言葉を心から贈りたい。しかし、航空自衛隊員はイラクで、海上自衛隊員はインド洋上で、いまだに活躍していることを忘れてはならない。
 安倍晋三氏が、第90代内閣総理大臣に就任早々、中国、韓国を歴訪し、とかく行き詰まりを見せていた「外交の扉」を強い力で開かせようとした努力は高く評価できる。親米一辺倒的外交から国際的外交への転換、世界平和の寄与に期待して止まない。久間長官(初代大臣)の再任は、沖縄問題の円満解決の大きな原動力となる。国会末、ぎりぎりで「防衛省昇格」が決定。来年1月から「省」になる。長年の夢の実現は嬉しい話。
 思い出したくないのは、東北、関東、関西などで起きた“親の子ども殺し”である。なかでも6月4日に秋田県藤里町の小学1年生の男児殺害事件で逮捕された33歳の女性が、実は、実の娘(小学校4年生)を事前に殺害し少し離れた河原に死体を投げ捨てていた。世の親たちにとって、本当にやり切れない残忍な事件であった。埼玉県の市営プールでの女児溺死事故も、大人の不注意から起きた悲劇だった。
 マンション、ホテルの耐震構造設計図偽造事件も、まれにみる“人命軽視”の犯罪だった。
 経済好況といわれる中で、「ホリエモン」こと、ライブドアの堀江貴文社長や幹部が「証券取引法違反」=粉飾決算など=容疑で逮捕された。村上ファンドの村上世彰社長の証券取引法違反=インサイダー取引=の逮捕とともに“新型経済事犯”であった。お互い気脈を通じていたかは裁判の過程で分かるにしろ、「放送界の巨星」を夢見た堀江と放送株買いにからんで「白馬の騎士」として名を馳せたこれからが注目される。
 博多の親子ドライブが一転愛児惨死の事件となったのは市役所の一職員の飲酒運転。それをきっかけにして全国で飲酒運転禁止キャンペーンが展開された。だが、もう可愛いい子どもたちは帰ってこない。
 福島、和歌山県知事らが、同じような談合あっせん容疑で逮捕されたり、社会保険庁のでたらめ計理。おまけに岐阜県などでの裏金作りなども腹立たしいニュース。
 北朝鮮の核実験(10月9日)は、外国を脅かそうとしているのか、独裁体制維持のためなのか。決して北朝鮮には有利にならないことなのに。不可解の一語。
 豪雨、地震、津波、竜巻など異常気象が目立ったことしでもあった。九州、関西、信越はてはジャワまで急派され、災害復興に努力された自衛隊員のみなさん“ごくろうさま”でした。

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