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   2004年6月15日号
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夢と勇気と感動をつなぐ
アテネ五輪聖火リレー
休校阿部3佐が参加
イラク派遣隊員へとどけ!
堂々とした走りで聖火ランナーを努めあげ、沿道の声援にも笑顔で応える阿部3佐(6月6日、東京・文京区で)
 東京都内で6月6日開催された「アテネオリンピック聖火リレー」に、自衛隊体育学校研究科スポーツ科学班長の阿部昌広3佐が聖火ランナーの一人として参加した。
 史上初めての試みで世界5大陸を結ぶ今回の「聖火リレー」。4日にオーストラリアのシドニーを出発した聖火はメルボルンを経てこの日東京に到着。地球規模の一大イベントとして注目を集める中、臨海副都心の東京ビックサイトをスタート地点に都内11区を巡る約53kmのコースを136名のランナーがリレーした。東京での聖火リレーは東京オリンピック以来40年ぶりとなる。
 阿部3佐は13時50分過ぎ、文京区・本郷で聖火を引き継ぐと、赤く揺れる聖火を灯したトーチを高々と上げてゆっくりと走り出した。それまで降り続けていた雨もぴたり止み、沿道を埋める人々から声援と拍手が沸いた。阿部3佐は手を降って応え、約360mのコースを走れ終えると「想像以上に多くの応援を受け、世界5大陸の、また日本の代表として選ばれた誇りを胸に走る事ができた」と感動をかみしめていた。
 今回の聖火ランナーはスポーツ教育、芸術、福祉活動などの分野から聖火ランナーの統一テーマである”「聖火をつないで世界をひとつに」を体現できる人”という基準で選出された。阿部3佐は、円谷幸吉選手に憧れて自衛隊生徒21期生として入隊。当時から福島県の代表選手として各種の駅伝で活躍し、幹部任官後は陸自中央駅伝等の監督を歴任。現在は筑波大学でスポーツ科学の第一線で活躍。一般公募で応募した結果、論文などの審査を通過してランナーの一人として見事選ばれた。本番前には「最初は大きな懸賞に当選したような気持ちだった。今はその重責を感じ、イラク・サマワで厳しい任務につく派遣隊員に夢と希望と感動をもたらせるよう、世界に平和を祈りながら走りたい」と意気込んだ。
 また、休校からのアテネ五輪出場選手であり、同校では心身のサポーター的役割も担っている柳田勝(射撃)、田澤修治(同)、小西ゆかり(同)、井上譲二(レスリング)4選手へ「この聖火の縁を担ぎたい」と込み上げる熱い思いも語っていた。
 聖火ランナーには他に五輪メダリストやスポーツ選手などが参加。特に最終ランナーへのリレーは東京五輪等でウェイトリフティング金メダリストで元休校校長の三宅義信氏がつとめ、歴史を感じさせた。

チビヤン大会開催
迫力満点の飛行展示
リアルタイムで応急出動も
<厚木航空基地>
 第4航空群(群司令・仲井隆夫海将補)は、5月9日厚木基地東側エプロン地区を一般開放し、「ちびっ子ヤング大会」を開催した。
 厚木基地では、昨年イラク戦争の影響で本大会が中止となったため2年ぶりの開催。当日は、時折雨が降る
あいにくの天候にもかかわらず、多数の市民が朝早くから詰めかけ、約7700人の人々が入場し、昨今の自衛隊への関心を実感させるものとなった。
 会場には、厚木航空基地所属のP-3C、SH-60Jをはじめ、第31航空群から飛来したUS-1A、小月教育航空群から飛来したT-5を加えた合計7機が地上展示され、ちびっ子たちの人気を集め、にぎわいを見せた。
 飛行展示では、UH-60Jからの救助員の降下及び患者収容等の救難展示飛行及びP-3Cによる迫力ある低空での低・高速飛行等に歓声が上がり、海上航空部隊の活動状況及び練度の高さに強い関心が寄せられた。また、大会開催中に厚木〜父島〜羽田間の急患輸送が発生し、展示中のUS-1Aが応急出動するというハプニングがあり、US-1Aが厚木基地を離陸するときには集まった市民から、拍手が上がる一幕もあった。
 さらに、花電車、ヨーヨー釣り等の催し物や多数の模擬店も人気を集め、多くの子供達で賑わって
いた。また、市民と隊員との間で展示航空機に関する質疑や昔の厚木基地を知るお年寄りとの会話が交わされるなど、地域と身近に触れ合うことが出来、海上自衛隊への更なる理解が深まった。

空自創立50周年記念
各地で美術展を開催
 6月3日〜8日(土・日を除く)にかけて「航空自衛隊創立50周年記念市ヶ谷基地美術展」が市ヶ谷厚生棟地下一階多目的ホールで開催された。
 初日の3日午前10時から記念行事としてオープニングセレモニーがつばさ会会長、ともしび会会長、航空幕僚副長の臨席のもと開かれ、市ヶ谷基地司令を含めた4名によるテープカットで、4日間の市ヶ谷基地美術展が幕を開けた。その後、出席者は展示内容を鑑賞し、航空自衛隊市ヶ谷基地陶芸部製作による「航空自衛隊50周年記念」湯飲み茶碗(素焼き)に絵付けをし記念とした。
 会場には、航空自衛隊市ヶ谷基地所在の隊員と家族、つばさ会、ともしび会会員による200点異常の作品が出品されたほか、航空自衛隊創立50周年記念特別出展として書道家柏木白光さんによる長さ1.8m、幅90cmの「飛天」、「空」が展示され会場を圧倒していた。また、例年を上回る入場者からは、素晴らしい作品に感嘆の声も。
 今後、つばさ会、ともしび会会員並びに柏木白光さんの作品については、航空自衛隊創立50周年記念美術店として浜松、春日、那覇、三沢、入間基地を巡回することになっている。実施基地期日は次のとおり。
▽浜松=6月27日(日)〜6月30日(水)▽春日=8月18日(水)〜8月20日(金)▽那覇=8月27日〜9月2日(木)▽三沢=9月8日(水)〜9月12日(日)▽入間=9月28日(火)〜10月1日(金)

みんなで音を楽しもう!
<富士学校音楽隊>
小学校で演奏会開く
バンド指揮も初体験
 富士学校音楽隊(隊長・村田1尉)は5月25日、総合学習の一環として、子供達に「音」を楽しんでもらおうと、裾野市立西小学校で音楽鑑賞会を実施。「クラリネットポルカ」を始め、マーチやアニメ映画のテーマソングを織り交ぜ全9曲を演奏した。
 演奏が始まるや、生演奏の迫力に吸い込まれるように立ち上がる子、身を乗り出す子、手拍子や演奏に合わせて歌う子など反応は様々。そのような雰囲気の中、希望する生徒は生バンドの指揮をすることが出来るとの隊長の突然の提案があったとたん、歓声にも近い挙手の嵐となった。選ばれた2年生の赤羽美咲さんがみなが注目する中、初めての指揮に挑戦。輝く目をしながら、一方恐る恐るタクトに手を触れ、精一杯伸びをして振り上げたその手は、何とも元気がよくかわいらしい姿であった。
 音楽職種は唯一、隊長1人という異例の富士学校音楽隊は、学校教育支援と部内外音楽支援との狭間でスケジュール調整に苦悩している。しかし、隊員からは「こんな楽しい演奏会ならばまたやりたい」との感想も。この日の充実ぶりを物語っている。

南北で祭り支援
博多どんたく  福岡
音楽隊の軽快なマーチに市民は大注目(福岡)
 第4師団(師団長・澤山正一一陸将)は、5月3・4日の両日、福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」をパレードと音楽・太鼓演奏を行い協力した。
 「どんたく」初日の3日は、第19普通科連隊が小型車両を華やかに装飾したデコレーションカー6両で、祭りの主賓及びミス福岡を乗せて市中をパレード。4日には、第4音楽隊がマーティングフェスティバルに参加するとともに、福岡駐屯地太鼓部「防人太鼓」が演舞台で迫力の太鼓演奏を披露した。
 「どんたく」は、開催期間中の2日間で約180万人の人手で賑わった。
函館五稜郭祭  函館
隊員が榎本武揚らに扮し捧げ銃を披露(函館)
 28連隊(連隊長・岡部俊哉一佐)は、5月15・16日の両日、函館市で行われる三大イベントの一つ、「五稜郭祭」を支援した。
 初日碑前祭では、市内の中島三郎助親子最後の地碑前をスタートし、官軍(仙台額兵隊)に扮する新隊員10名とラッパ隊5名が献花に伴う吹奏と、戦没者に対する礼砲を行った。やや緊張気味の新隊員は、訓練の成果を遺憾なく発揮し、碧血碑・土方歳三最期の地碑・亀田八幡宮「開城会見の地」・箱根戦争供養塔で祈りを捧げた。
 2日目は、メインイベントの維新行列と開場セレモニーが行われ、当時の衣装を身にまとった新隊員57名が元気良く参列し、五稜郭公園までの約3kmを練り歩いた。途中、行啓通りで行われたパフォーマンスでは、開陽丸に乗船した榎本武揚と黒田清隆らに対し、各国の儀仗隊及び榎本軍と新政府軍に扮した新隊員が息のあった敬礼を披露し観客を魅了した。また、榎本軍と新政府軍の戦闘シーンでは、両軍の鉄砲隊に扮し、突撃する兵に対して射撃を行い演出効果に大いに貢献。見物に訪れた沿道の観客からは、ひときわ大きな拍手と歓声が送られた。
 最後に、五稜郭公園内の開場セレモニーで榎本武揚・黒田清隆による無血開場再現シーンが再現され、両名に対する捧げ銃や砲礼を披露し会場に華を添えた。

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