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   2004年2月15日号
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ゴランPKO
各国隊員420名が交流イベント開催
青森「ねぶた囃子」も披露
 国際連合兵力引き離し監視隊(UNDOF)に派遣されている第16次ゴラン高原派遣輸送隊(隊長・吉浦健志3陸佐以下43名)は、日本文化紹介や各国部隊隊員(オーストリア、カナダ、スロバキア、ポーランドなど)間交流行事を、12月19日にジウアニ宿営地(イスラエル側)、1月9日にファウアール宿営地(シリア側)で実施した。UNDOFにおける日本隊の名称は「J-CON(ジェイコン)」で、この行事をJ-CON DAY(1月9日はJ-CON NEW YEAR)と称し、UNDOF隊員ら関係者をはじめ在シリア林大使、飯田防衛駐在官、イスラエル・シリア両国の日本人会会員を招待し、双方合わせ約420名が参加した。
 この時季のゴラン高原は、中東とはいえ氷点下に達することもある寒空。日本隊が設けた両会場では、各国隊員間の交流イベントが次々と行われ、多数の来訪者の熱気で溢れた。
 過去の派遣隊も同様の行事を行ってきたが、第16次隊が実施した今回の交流行事の特色は、過去の派遣輸送隊が行ってきた日本文化紹介に加え、各国隊員による参加型の行事へとその様相を新たにした点が挙げられる。その結果、日本隊員のみならず、各国隊員自身が次々に行事を盛り上げ、大盛況となった。
 日本隊は、日本から派遣されている陸・海自衛官の司令部要員2名とともに、書道、茶道体験などを展示したほか、第16次隊の編成地が青森ということもあり、ご当地のねぶた囃子をメインイベントとして披露した。そして行事の終わりでは、各国隊員もねぶたの"ハネト"として参加し、踊りを通して様々な国の"ハネト"が渾然一体となって最高潮に盛り上がった。

2空群、海氷観測始まる
4月27日まで合計25回を予定
 気象庁と防衛庁との省庁間の協力支援業務として、昭和35年1月29日から実施している北海道沿岸からオホーツク海の海氷観測が今年度も12月25日から、第2航空群のP-3C哨戒機により始まった。
 今季、初回の通算949回目に当たる海氷観測は、第2航空隊と気象班の隊員ら14人が乗り込むP-3C(2-5025号=機長・三國1尉)により行われ、午前9時56分に八戸航空基地を離陸、午後1時53分に無事任務を終え八戸航空基地に着陸した。昨年度は、12月26日に海氷を視認できたが、今回の観測では、レーダーでも海氷を確認できなかった。1月6日の第2回目の海氷観測で初めて、網走の北北東約300?付近の海氷を視認することができた。
 今年度の海氷観測は4月27日までの間、合計25回が予定されている。
 海氷観測結果である海氷見取り図は、札幌管区気象台と海上幕僚監部などへ、写真は函館海洋気象台へ送付され、その後、気象庁から海氷情報として北海道周辺海域やオホーツク海を航行する船舶などに提供される。

太宰府天満官から梅の使節団訪れる
<7師団>
 1月23日、早咲きの梅の花が咲き始めた太宰府天満宮から梅の使節団が7師団を訪れた。
 梅の親善使節団は、日本航空が札幌空港と福岡空港間の就航記念として1956年から、南北の交流を深める恒例行事として行われている。
 日本航空の職員の案内で、神職、巫女さんらが師団司令部を訪れ、今村功師団長に紅梅と白梅の鉢植えが手渡された。
 受け取った師団長は「みごとな紅白の梅をありがとうございます」と、神職、巫女さんにお礼を述べ、既に6千本の梅が徐々に咲き始めたという太宰府からの贈り物に目を細めていた。
 春の薫りは十分に感じられるその紅白の梅は、早々に師団司令部庁舎2階ロビーに展示され、師団訪問者や隊員に一足早い春の訪れを感じさせている。

海自に旧海軍医学校蔵書1万冊寄贈
 1月26日、国立医療センター(東京駒沢)に保管中の旧海軍医学校等の蔵書約1万冊が海上自衛隊に寄贈された。
 同蔵書は海幕長の指示により潜医隊(司令・大塚八左右海将補)で一時保管することとなり、海幕首席衛生官(渡邉千之海将補)、横須賀病院長(藤田一之海将補)をはじめ桜医会会長以下6名の医官OBが立ち会いのもと、潜医隊敷地内の一郭に設けられた旧海軍病院蔵書資料室(仮称)に収められた。海軍衛生医事で重要な資料、医学雑誌の定期刊行物等多数の蔵書が収められたが、特に洋書は、19世紀前半から20世紀前半(終戦前)までの著名な医学雑誌や稀少本が創刊からのバックナンバーとして揃っているなど、貴重な資料も多数含まれている。

陸海空の隊員諸君 安全を祈ります
<論陣>
諸難問解決の切り札に
対北制裁法が成立
 手にしたカードは、最も効果がある局面で抜く手も見せず切らなければ価値を失う。日本は、この国会で対北朝鮮向けのカードを手に入れた。我が国単独で北朝鮮への経済制裁が行える「改正外国為替法」「同貿易法」がそれである。
 日本中の人たちが一日も早い解決を願っている拉致事件や核兵器開発停止問題なども、このカードの出現で、意外に早期に解決できるかも知れない。たゞ、「カードを手にした」と叫んでいるだけでは、本当の圧力にならず、かえって相手を開き直らせることになりかねない。その点"切る"タイミングが大切である。
 これまで、わが国はなんども北朝鮮に圧力をかけようとしてきた。例えば、在日朝鮮人が本国に送金するのを停止させようとか、輸出入の規制、資産の凍結などについても、いろいろと検討してきたが、実際問題として強権発動はできず、軍事用転嫁のおそれがあるものだけの規制にとどまっていた。特に外国への送金や資産の凍結などをしようとする場合には、いまの外為法では「国連決議など国際機関の合意が必要」とされていた。これでは、事実上、経済制裁ができない形となっていた。
 こんど成立した法改正では「日本の平和と安全のため特に必要があると政府が判断した場合、閣議で制裁を決定できる」となっている。国連決議などの枠が一応、取り払われたわけである。ただし、制裁発動後には速かに国会の承認を求める。国会の承認が得られない場合は措置を解除するとなっている。もちろん、国際的な反応も充分、考慮の対象となる。法案通過に関しては、民主党の賛成が大きな力となった。これまで、この種の法案は主として自民、公明の与党で成立のための努力をする場合が多かった。こんどは与党に加えて最大野党である民主党も賛成に加わったことで、ことはスムーズに運び、早い時期に陽の目を見た。もっとも送金停止といっても「第三国」を経由した場合「そこまで規制できるか」など心配する向きもあるが、"圧力"となることは間違いない。
 事実、北朝鮮は、この法律が「法案」として浮上してきたころから、日本に対する態度を軟化させてきた。「すでに解決済み」と言い張ってきた拉致事件では「帰国(日本人)した家族が平壌(ピョンヤン)まで来れば、北朝鮮にいる肉親を渡してもいい」と言いはじめているし、日本製のトラックや工作機械を買いたいなど輸出規制発動を恐れる動きもでている。「とにかく、経済援助をよこせ」「食糧をくれ」と物事を進める前提には、必ず、金や物を要求してきた。それが"軟化"に変化してきたのは、やはり、北制裁法が現実のものになったためであろう。しかし、北朝鮮政府は、この法律に反発している。朝鮮中央通信や北朝鮮の労働新聞などは「日本の制裁法による封鎖や制裁に最後まで超強硬で対応する」「核問題の平和的解決に重大な難関を作る」などの見解を発表し、表面的には強気の姿勢を崩していないように見えるが、一時期のように「東京を火の海にする」とか「ミサイルを射ち込む」などの超過激な言葉や脅しは見られなくなった。
 わが国としては、北朝鮮の軟化については「いい傾向」だとしながら「もしかしたら、なにかをきっかけに再び態度を硬化させる可能性もある」と警戒している。とにかく、わが国は、北朝鮮に対する従来の方針である"対話と圧力"の二本立てで拉致事件などを解決に向かわせることに変化はないが、北制裁法の登場で"圧力"部分が、確実に補強されたことには間違いない。
 6力国協議でも見られるように、北朝鮮の外交は、なかなかしたたかである。硬軟使い分けて"国益"を守り、強めようとする。それを押さえるのにロシアも中国も、ちょっと困っていた面があった。日本は拉致問題などでは、もっぱら「お願い」の形をとってきた。強く出られなかったのである。強く出ようにも"法にしばられ"てしまっていた。北制裁について、いまひとつの動きがある。自民党が法案化のために精力的に動いている「北朝鮮船舶の日本入港禁止法案」である。むやみに使う訳にはいくまいが日本の平和、安全を保っていくためには「必要な法律のひとつ」かも知れない。

第17回サラリーマン川柳コンクール(第一生命)
防衛庁 傑作集
 〈優秀作品〉
 定年前 ふえる口数 減る動き(枝園)
 挙げた手が ニュースとともに 低くなり(北方サンダース2曹)
 無線機の 横で写メール 活躍し(便利だもの)
 〈優良作品〉
 大器だと 言われて ず〜っと 待機組(夢追ってばかり人)
 銃よりも メール打つのが 早い部下(口撃開始線)
 IQは 昔知能で 今イラク(北海の熊さん)
 物資支援 発音間違え「ブッシュ支援」(有機肥料男)
 俸給は 努力せずとも ダイエット(誠柳)
 キツイとか ムリとか言うな ハイと言え(元気な三十代)
 〈良好作品〉
 携帯の 電池が切れて 所在不明!(演習統裁官)
 着信の メール見るより まず老眼鏡(メガネ)(五十路太郎)
 退官日 妻に送ろう 二級賞詞(老兵)
 「丸投げ」と 「命令」の区別 まだつかず(チキン軍曹)
 小隊長!! うなづく 時こそ わかってない(ルルモッペコマンダー)
 敬礼で 迎える我が子を 矯正し(企画だおれ)
 指揮官の 目を見る部下が 多くなり(天童ラフランス)
 官品より 「携帯」が勝さる 稼動率(「補給陸曹」)
 半長靴(はんちょうか) それって博打? と聞く友人(酒のみのんだくれおやじ)
 意見具申 抵抗勢力と 誤解され(一生懸命)
 秋なのに 落葉もなくなる 初度巡視(闇夜の力ラス)
 バンザイで 送った上司が また上司(転勤属)
 イラクまで やっぱり持ってく 子の写真(七色とうがらし)
 アクセスに アクセクしている 我悲し(老兵)
 初対面 第一印象 階級章(干歳調達走ろう会)
 全国の なまりがチャンポン 子供達(企画だおれ)
 妻曰く昇任なければ FA宣言(上官服従)
 ついに来た 赤いきつねと 緑のたぬき(勤続25年)
 電話受け 呪文のような 名と階級(歯科受付電話当番)
 指導後の 付箋紙まるで ピアノ鍵盤(仕事の虫)
 地震速報 妻が一言 行かないの?(営外者B)
 チグリスの 文明学ぶ 自衛官(正男)
 携帯も なくてはならぬ 装備品(戦う事務官)
 指示される 上司は息子と 同じ歳(老兵)
 射撃前 ゴルゴ13 読んで寝る(七色とうがらし)
 孤立して 孤独とうそぶく 部隊長(部下一同)
 絶対ない 防衛庁の 民営化(ハコ)

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