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   2003年7月1日号
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Nice Guys シリーズ
航空自衛隊は技術者集団
吉野3佐はパイロット(輸送機)一筋
「プロとしての自覚と誇りを持とう」
 吉野正一(よしの・まさかず)3空佐(51歳、新潟県出身)
 〈部隊暦〉▽昭和45年、入隊(航空学生26期)▽48年、輸送航空団飛行群▽51年、入間航空隊▽55年、第3輸送航空隊▽57年、幹部候補生学校▽59年、航空総隊司令部飛行隊▽平成元年、第3輸送航空隊(公資格企画室長)▽9年、第2輸送航空隊(飛行班長)▽13年、航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊
 〈飛行時間〉▽総飛行時間12,683時間▽C-1 7,473時間▽YS-11 4,691時間▽U-4 202時間
 〈パイロットを目指したきっかけ〉中学生の修学旅行で羽田空港を見学した時、初めて飛行機を見てパイロットになりたいと思いました。
 〈フライトコースでの思い出、エピソード〉T-34のフライトが始まった頃のことです。毎回エアーシックに悩まされ、コマンダーから「これ以上飛行機に酔うのなら君はパイロットに向いてないのだからパイロットを諦めろ」と言われた時期がありました。その時たまたま担当になった教官が、上空で「吉野、空は楽しいだろう、歌でも歌ったら」と言われ大きな声を出し、歌いながら操縦したところ着陸まで、エアーシックを忘れたことがありました。その後、何故かエアーシックはなくなりました。本当にその教官には今でも感謝しています。
 〈思い出深いフライト〉▽大手術を受ける女子小学生を空輸し、その後、手術が無事終わり、回復したその子供からお礼の手紙を頂き感激したこと。▽硫黄島に行った際、天候急変でなかなか着陸できず、燃料もこれ以上ミストアプローチできない状況で進入、無事着陸できクルー全員で肩を抱き合い喜び合ったこと。▽外国元首のVIPを関西空港に空輸した際、自分でも本当にうまくいったと自負して操縦席で待機していた時、元首が操縦席に来られ「ナイスフライト」と言いながら握手をしに来て下さったこと。
 〈ATR(定期運送用操縦士)資格を取得〉平成4年に私はATRを取得しました。ATRの教官を作るということで当時、第403飛行隊の教官操縦士が4名受験しました。今、思い出しても合格しなければいけないという相当なプレシャーがあり厳しかった気がします。ATR受験に約3ヶ月間の集合訓練を実施します。この間、受験者はだいたい睡眠時間2〜3時間になるんじゃないかと思います(経験値です)。ATRの試験は2つに大別できます。前段はシミュレーターによる航空機事項及びその口述試験、これに合格すると実機による運航試験及びその口述試験です。両試験ともに機長としての出発前の確認事項から始まり、口述試験と続き知識を確認され、0Kであればシミュレーター、実機にそれぞれ進みます。この口述試験が我々には、相当なプレッシャーで人に説明することの難しさを教えてくれました。
 平成5年、前任者の初代公資格企画室長・坂本2佐の後を受け13コース24名のATR受験、及び平成6年からはT-400練習機による第41飛行隊の事業用操縦士の指定養成認定のお手伝いもさせて頂きました。この4年間は自分の自衛隊生活の中でも特に印象に残る期間だったと思います。この間ATR受験の諸先輩やT-400の教官に大きな声を張り上げたり意見したりで生意気な後輩だったり教官だったと思います。
 〈輸送機操縦者、機長としての心がけ〉1つは、クルーコーディネーションです。輸送機は操縦士だけで任務達成はできません。機種、任務内容にもよりますが航法士、機上整備員、機上無線員、空中輸送員が乗組員となり、それぞれの役割を完璧にこなしてこそ任務達成できるのです。
 2つ目は、今、自分が輸送任務に合った操縦をしてるかな?ということです。輸送機の操縦は定時を目指し、定められた場所に人員、荷物等を輸送することで、主体は客室、貨物室にあります。やって当たり前の世界です(このことが一番厳しいと思っていますが)。従って輸送機操縦士の技量は、戦闘機のような敵機を何機撃墜したという華々しいものでなく輸送機に乗った人、貨物、クルーが自分の知らないうちに評価され、長い期間をへて信頼という形になって出てきます。
 〈後輩に対するメッセージ〉「プロフェッショナルとしての自覚と誇りを持とう」です。輸送機は、今後国際緊急援助活動、国際平和協力業務等の重要な任務が増えていきます。飛行機の操縦は機位(4次元)を確認し、状況にあった判断をパワーと姿勢(スロットルと操縦棹)で表現するだけですが、機位や状況が海外も含め大きく広がります。ありとあらゆる機位、状況に対応できるような判断力を養うため、日々、知識を深め、技術を磨き信頼を得られる操縦士になれるよう努力していきましょう。
 〈残された自衛官生活での目標〉パイロットに憧れ、航空自衛隊の門をくぐって約33年になります。パイロットとして育て、パイロットとしての仕事を与えてくれた航空自衛隊に感謝するばかりです。今後、微力ながら、後輩パイロットの模範になるようなパイロットを目指し続けたいと思います。
 〈奥様に一言〉台風が来れば飛行機の台風避難で、災害が起きたら緊急空輸で家をあける、頼り甲斐のない亭主でした。「大変ご迷惑をかけました。本当にありがとう、感謝しています。これからもよろしく」。

多庫ふれあいコンサートのお知らせ
 〈日時〉7月27日(日)14時00分開演(約2時間)
 〈場所〉パルテノン多摩(多摩センター駅前)
 〈出演〉陸上自衛隊第1音楽隊 朝霞振武太鼓自衛隊らっぱ隊
 〈内容〉軽快な吹奏楽を中心に自衛隊のらっぱ、日本太鼓を織り交ぜ、活気溢れるサウンドをお届けします。(演奏予定曲目 コマンド・マーチ、サンダーバード他)
 ※入場無料
 〈申し込み方法〉往復ハガキに、住所、氏名、年齢、人数(2人まで)を明記の上、左記までお申し込み下さい。(応募者多数の場合は抽選となります。7月11日必着)
 〈申込先〉〒179-8523 練馬区北町4-1-1、陸上自衛隊第1師団広報班「演奏会」B係
 〈問い合わせ先〉陸上自衛隊 第1師団 広報班 電話 03-3933-1161 内線218

寄せ書き 入隊所感
女性自衛官教育隊2中 新隊員課程  吉野由梨
 朝霞駐屯地女性自衛官教育隊に来てから初めてみたもの、聞いた事など、とにかく毎日学ぶ事がとても多く、めまぐるしい程に1日があっという間に過ぎ去っていきます。思い起こせば昨年の夏、家に来た1通の葉書が、私が自衛官になる道を選んだきっかけでした。その葉書で資料を請求し、広報官から話を伺い、自衛官の魅力を知った私は、受験をする決意をしました。受験倍率の高さに驚きはしましたが、あきらめず全力で受験に臨み、本当によかったと思っています。
 入隊後、1分1秒という時間がどれ程大切か、仲間同士が助け合う事の素晴らしさ、規律を守る厳しさを、少しずつ実感しています。この先訓練は辛く厳しいものになっていくだろうし、泣き、挫折したくなる時も多々あると思います。しかしその時、班長のおっしゃっていた「手綱を緩める事はいつでも出来る。道が2つに分かれた時は、厳しい方を選びなさい」という言葉を思い出し、挫けずに一生懸命貫きたいと思います。
 また、同期の絆を大切にし「ひとりは皆の為に、皆はひとりの為に」の精神で失敗を恐れず、何事にも全力で挑戦していきたいと思います。
女性自衛官教育隊2中 新隊員課程  浜辺智美
 一番最初に思ったことは、他とは違う何かが自衛隊の入隊式にはありました。列をきちんとそろえる、首や体や目線などを動かさないということ。自分にとって経験したことのない所でした。自分の行動ひとつひとつが周りの人たちに影響していくので自分勝手な行動は絶対に許されない。隊長のお話からもあったように、団体生活にとって大切なのはチームワークということ。誰かが困っていたら助けてあげるということ。自分が不安なら積極的に相談するということ。
 自分は不安があっても誰かに話すことはできません。今まで自分の中で押し込めてきた部分があり、姉や母などに助けてもらったことが沢山ありました。しかしこれからは自分のことは自分でやるということ。すごく不安なことが沢山あります。自分にとって、団体生活とは周りの人たちと兄弟のようになることが、これからの自分にとっての目標でもあります。
 入隊式のこともあり、ますますこれから努力していかないといけないなと思いました。入ったからには最後までやりきる。両親も頑張ってこいと言ってくれました。自分で選んだ道なのだから、必ず努力すればなんとかなると自分の胸にたたき込んで、これからの道に進んでいきたいと思っています。
 何が起こるかわからない。しかしどんな場所にぶつかったとしても、乗り切ると言うこと。自分自身まだまだ不安なことでいっぱいです。何でもやることが大事。頑張ることが大事。頑張って頑張ってやり抜いていく気持ち。
第117教育大隊326中 一般陸曹候補学生課程  山路修平
 自衛官としての生活が始まり2週間が経ち少しずつ馴れてきました。入隊した当初は実家から「営内生活」という環境の変化に戸惑いを感じましたが規律を厳守する事に重きをおく自衛隊の資質教育がここにあるのだと感じ頑張る気持ちになりました。
 入隊して仲間が増えました。朝から晩まで訓練、食事などを共にするのでお互いの良い所や悪い所も見えてくると思います。そんな時、本音で語り合いお互いを高め合う仲になりたいと思っています。また良きライバルでもありたいです。これからの4ヵ月で一生懸命頑張り競い合えば一人ひとりの力も伸びるし、切磋琢磨する事により団結力も生まれると思います。最後にはそんな仲間になりたいです。
 今はまだ教育導入の段階ですがこれから徐々に訓練が厳しくなってきます。しかしながら、区隊長、班長が教育または指導する事を少しずつ自分のものにしながら確実に1人前の自衛官になれるよう頑張りたいです。
 同期全員が一般陸曹候補学生として必要な知識及び技能等を確実に前期教育で修得し、後期教育へそれぞれ自信をもって迎えるように努力を惜しまず日々努力したいです。

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