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   2003年5月1日号
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家庭のひろば
不眠へ正しい対処を
無呼吸症候群の疑いも
 「睡眠のトラブルに悩む人は多いが、その対処の仕方には間違ったものが多い」として、国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部の内山真部長(睡眠医学)=写真=は、正しい対処の仕方を12の指針(別表参照)にまとめ、次のようなアドバイスをしている。
 ▽寝酒は不眠のもと
 全国3万2,022人を対象とした保健福祉動向調査によると、ほぼ5人に1人の割合で、「寝つけない」「途中で目が覚めてしまう」「熟睡した感じがしない」など睡眠障害を訴えたほか、睡眠中のいびきや息苦しさなど病気との関連が疑われる人も数%いることが分かった。
 問題はその対処法で、眠れないときにアルコールを飲むという人が3割に上った。世界10カ国で行った同様の調査でも、寝酒をする人の割合は日本人がトップだった。
 しかし、アルコールを飲むと、一瞬は鎮静効果が働いて眠れるが、眠りが浅くなり、2〜3時間後には体の中で分解されるので夜中に目覚める原因になる。次第に飲酒量が増えて健康を害するので睡眠薬代わりの寝酒は避ける。
 ▽休日の寝坊は逆効果
 平日はゆっくり眠れないからと、日曜日の朝に遅くまで寝るパターンの人が多いが、朝が遅いと夜の寝つきが遅くなり、かえって月曜日の朝がつらくなる。
 人間の体は起床後、太陽の光を浴びてから約15〜16時間後に眠気が表れる仕組みだ。夜に気持ちよく眠りたければ、朝はなるべく早く太陽の光を浴びることが大切だ。そして日中に眠気を感じたら、昼食後、午後3時までの問に寝るのがベスト。本格的に眠らないよ20〜30分で切り上げる。
 ▽不眠の原因を知る
 熟睡した感じがしない人は、まず寝床の上で過ごす時間を減らしてみる。遅寝早起きにすると、布団の中で眠れない時間を過ごさなくてすむので、熟睡感がアップする。
 ただし、睡眠をきちんととっているのに昼間眠くて仕方がないという人は、病気が原因になっていることもある。特に中年以降の男性では「いびきがひどい」「眠っている間に呼吸が何度も止まる」などの症状を家族に指摘された場合には、『睡眠時無呼吸症候群』などの病気が疑われる。単なる不眠と間違えて睡眠薬を飲むと、かえって危険なので、きちんと検査を受けてから適切な治療を受けること。

INで健康管理
多様なヘルス機器登場
生活習慣病を防ぐ
 生活習慣病を防ぐには日常の健康管理が大切。測定したデータを直接パソコンに送信し、インターネットで健康アドバイスも受けられるなど通信機能を持った健康機器が登場している。

ダイエット指導
 室内のどこで血圧や体脂肪を測ってもパソコンにそのまま記録でき、インターネットで栄養管理士や健康運動指導士からダイエットなどの個別指導を受けられるのが、体脂肪計・血圧計・歩数計のセット「ヘルスプラネット」(タニタ、6万4,800円)。
 各機器は微弱電波や赤外線による通信機能を持ち、無線で専用レシーバーにデータを送る。レシーバーはUSBコードでパソコンとつながり、パソコンが起動すると自動的にデータを取り込んで専用サイトに送る。送られるデータは、体脂肪計は体重、体脂肪率、体脂肪量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体型判定、総消費エネルギー量。血圧計は最高・最低血圧、脈拍、頻度分布。これらの1週間分のデータと付属のベストウエイトセンターの蓄積データをもとにアドバイスしてくれる。

ツボ経路で健康を
 宇宙飛行士用にロシアの宇宙科学者チームが開発した健康管理システムをドイツの財団が一般向けに応用したのがCMD(コンピュータ・メディカル・ドクター、東京体育機器、レンタル料は月/3,000円)。
 病気は体のエネルギーの不均衡によるという中国古代医学の考えに基づき、手足の各12カ所のツボを専用センサーで押さえて電気的抵抗値からホルモンやストレス、血液、リンパ液、臓器などの状態を探知。USBコードで取り込まれたデータはインターネット経由でドイツにある専用サーバーに送られ、分析結果やバランス回復のためのツボ刺激個所の図などが10秒で戻ってくる。

携帯電話で心電図
 手のひらサイズの心電計・血圧計・携帯電話がセットで宅配される「宅配検診」(愛知検診技術振興財団、利用料/7,800円)は、安静時と軽い運動をした負荷後に心電計を胸に当て測定した心電図と血圧数値が、つないだ携帯電話に自動的に取り込まれ、そのままメールで送信すると同財団を経て名古屋大学付属病院のコンピューターに届き、専門医による診断とアドバイスが受けられる。心臓が痛いなど具合の悪い時に即計測できる利点も。


家庭メモ
【子供にも家事を】
 新入学をきっかけに、玄関の掃除、新聞の整理など能力に適した家事を任せると、家族としての自覚を育てることができる。ただし、任せた家事については親は干渉しないこと。
 【介護を長続きさせる】
 心の余裕がないと介護することがつらくなり長続きしない。よく笑うか、周囲の人とよく話し合っているか、他者の手をうまく利用しているかなど、ときどき自分をチェックしてみることも大切。
 【魚料理に酢】
 魚を焼くときには、皮に酢を塗ると、網に身がつかず、きれいに焼ける。自身の魚をゆでるときは、湯の中に酢を入れると形が崩れない。

ヨモギに春の香り
わが家で草餅
 ヨモギを摘み、わが家で草餅をつくりましょう。春の香りが口の中に広がります。家族で春の行事にすると、子供にも喜ばれます。シュンギクで代用できます。(1個分113キロカロリー)
 ▽材料(10個分)
 ヨモギ20グラム、白玉粉20グラム、ぬるま湯110cc、砂糖40グラム、上新粉140グラム、塩少々、こしあん250グラム
 ▽つくり方
 (1)こしあんは10等分して、俵型にしておく。
 (2)ヨモギは柔らかい葉先の部分を、塩を入れた熱湯でゆで、すぐ冷水にとり、水気を絞って、細かく切り、すり鉢でする。
 (3)ポールに白玉粉を入れ、ぬるま湯3分の1を加えて溶かし、砂糖、上新粉、残りの湯を加えてこねる。
 (4)ぬれぶきんを蒸し器に敷き、種を同じ大きさにひと握りずつ並べ、強火で25分蒸す。
 (5)蒸し上がったらポールに移し、すりこぎをぬらして、よくつき混ぜ、熱いうちにヨモギを加えてさらにつき混ぜる。
 (6)つき上がったら10等分に分ける。
 (7)餅を手のひらでだ円形に延ばし、@のあんを包み込み、形を整える。

引きこもり脱出
作家として自立
書くことで等身大の自分を発見
「稲の旋律」 旭爪あかね著
 社会との接触をほとんど持たない無職の青年の「社会的引きこもり」が問題になっている。10年もの引きこもりを経て作家として自立した旭爪あかねさん(36)は、「書くことで等身大の自分を受け入れ脱出できた」と語る。
@10年も引きこもり
 小中高と優等生だった旭爪さんが不登校になったのは大学4年の時。専門職や研究職を期待する親の意向に沿って大学院に進学してから昼夜逆転の引きこもり状態になった。
 「親や周りの意向に合わせて生きてきたのが限界になってしまったのかもしれない」と今は思う。外出したくても体が動かず、このままではどうなるかと不安ばかり増す。年金暮らしの親から援助を受ける自分を「情けない」と思いつつも、就職もできずに引きこもる生活が10年続いた。
@好きなことに挑戦
 この状態から抜け出るきっかけは、幼いときからあこがれていた「文学」に挑戦したことだった。そこでできた少数の文学仲間から少しずつ社会と接触できるようになり、平成13年に不登校の少女を描いた「冷たい夏」が第2回民主文学新人賞を受賞。それを機に作家を目指し、少しずつ注文が入るようになった。
 3作目である最新作「稲の旋律」(新日本出版刊)では「私はもうすぐ30歳。でも私は働いていません。結婚もしていません。何かを学んでいる最中でもありません。ただ毎日家の中にいて、食べて、飲んで、寝ているだけ。決まった仕事に就きたいけれども、他人と会うのが怖いです。だれか私を助けてください」という女性と農村青年との手紙のやりとりを描く。
@当時をリアルに描く
 ちょっとした親の言葉に興奮して食器や家具を壊す、会社のある駅に着くと足が動かず吐きそうになり、どうしても降車できない状況などがリアルに展開。やがて青年に誘われた農業体験で、効率ではなく自然が必要とする時間に気づいたり、自分の果たせなかった夢を娘に託した母親を理解する過程が誠実で細やかな表現で描写される。
 主人公が社会復帰していく姿に読者も素直に自分を重ねられるためか、引きこもりの若者や親から「励まされた」という反響が日ごとに大きくなっている。自分を振り返りながら旭爪さんは「引きこもりからぜひ自分を生かせる道を見つけてほしい」とアドバイスする。

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