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   2003年3月1日号
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対人地雷100万個を処分
民間企業も協力
饗庭野分屯基地で廃棄完了セレモニー
小泉首相が最終爆破命ず
北海道の処理班に向かい小泉首相が「爆破始め」と号令
 防衛庁・自衛隊の保有する対人地雷の最終廃棄状況の公開と完了セレモニーが2月8日、滋賀県新旭町の空自饗庭野分屯基地で行われた。式典には小泉純一郎首相、佐藤昭郎防衛庁長官政務官をはじめ衆参国会議員、防衛庁・自衛隊の高級幹部やNGO関係者など約200人が出席。この日、北海道日本油脂が美唄市で実施した廃棄状況を会場となった基地体育館のスクリーンモニターに中継、小泉果首相の合図で最後の対人地雷25個の信管が爆破処分された。廃棄処分は対人地雷禁止条約(オタワ条約)の発効を受けて開始されたもので、平成11年以降、自衛隊では約100万個の対人地雷を民間企業と協力して4年にわたり処分し続けてきた。
 セレモニー冒頭、矢野哲郎外務副大臣が主催者を代表して挨拶。続いて小泉首相が「世界に目を向ければ、今なお多くの対人地雷が残されており廃絶はいまだ途上段階にある。今後も対人地雷の廃絶を強く訴えかけていき、世界中の全ての対人地雷が除去され犠牲者がなくなる日が一日も早く訪れることを心から祈念する」と述べた。
 その後、北海道日本油脂の代表者により対人地雷廃棄方法の説明が行われた。この日に処分されたのは80式対人地雷。その抜き取られた信管25個を爆薬とともに水中処分場の水槽に沈め爆破処分する。
 処分の状況は北部方面通信群からの伝送で最終行程を含め同時中継され、作業する職員の姿がスクリーンに映ると会場の空気は緊迫したものに。そして、小泉首相の「最終爆破始め」の合図でカウントダウン、「ドーン」という爆破音が会場全体にも響きわたった。一瞬の間をおいて参加者から盛大な拍手が起こり、この瞬間、対人地雷の廃棄処分が完全に終了した。
 処分終了後、猪口邦子軍縮代表部大使は挨拶し、式典に出席した対人地雷で負傷したアフガニスタンの子供たちにも言葉をかけた。次に佐藤政務官は「人道的見地からわが国は対人地雷禁止条約をアジア太平洋諸国に率先して締結しました。本日の廃棄が契機となって全世界の対人地雷の廃棄が加速されることを祈る。防衛庁・自衛隊としても廃棄後も我が国の防衛に遺漏なきよう万全の覚悟であたる所存です」と挨拶し、セレモニーは終了した。(小川郷太郎)

対空戦闘訓練を公開
―― 2高特団、7高特群 ――
隊員家族、協力団体が参加
 九州防空の要・第2高射特科団は1月26から28日の間、九州全域で実施した「方面対空情報戦闘訓練」において高射特科部隊の対空情報活動と対空戦闘要領の一端を隊員家族・自衛隊協力会等114名に公開した。
 飯塚駐屯地研修では、統裁部施設で訓練全般についてのブリーフィングを行ったあと、団対空戦闘指揮所(AADCP)で施設の構成・機能・部隊の展開状況等について説明を受けた。実際に侵入機に対する対空情報活動や戦闘要領(想定)の展示では参加者は、刻一刻と変化する戦況に見入っていた。
 また、玄界灘からの寒風吹き止まぬ地・西山訓練場(標高645m)で対空監視任務に就いていた対空監視レーダの研修では、現地での訓練状況及び器材説明を行うと、参加者は任務の重要性を認識していた。
 一方、竹松駐屯地でも協力団体に第7高射特科群の対空戦闘要領を公開した。
 雨また寒風とあいにくの悪天候の中での訓練公開だったが、2高特団では研修を通じて高射特科部隊の戦闘における活動と、自衛隊に対する理解を深め、更に防衛意識の高揚及び防衛基盤の育成・拡充を図ることができたとしている。

八空隊員が特養老人ホームなど慰問
 八戸航空基地では、上曹会(清水博幸会長)と虎舞クラブが中心になり、1月22日に市内の特別養護老人ホーム「サンシャイン」、国立療養所「八戸病院」、介護施設「ふれあい」、知的障害児施設「うみねこ学園」及び養護施設「浩浩学園」の5施設を慰問、入園者の無病息災と社会復帰などの願いを込め青森県南部地方の獅子舞として有名な虎舞及びヨサコイ踊りを披露した。
 虎舞では、迫真の舞とユーモラスな寸劇に、感激のあまり泣き出したり、大笑いしたりと、会場は拍手喝采で大いに盛り上がった。
 また、ヨサコイ踊りではリズムに合わせて一緒に踊りだす園生も加わり、楽しいひと時を過ごした後、八戸基地勤務の隊員からの募金によるプレゼントを贈られ、うれしそうな笑顔が印象的だった。
 最後に、園生代表から「本日は、本当に有難うございました。是非また来てください」と感謝の言葉が送られ、また隊員を代表して、会長の清水曹長から「短い時間でしたが、入園者の皆さんと心が触れ合う貴重な体験が出来ました、また必ず来ます」と、再会を約束して慰問を終えた。

横浜駐屯地で客室乗務員迎えて講話
 横浜駐屯地(司令・蜂須賀1佐)は1月29日、駐屯地体育館で日本航空?客室乗務員訓練部・園井由利子専任教官を講師に迎えて、「社会人としてのマナー」について部外講話を行った。
 駐屯地は、中央輸送業務隊が主力部隊で、国外訓練・国際貢献活動・2方面区以上にわたる輸送等に伴い、他の官庁及び部外の輸送業者等と調整機会が多い特性から、社会人としてのマナー教育を、現役のスチュワーデス・パーサーとして長年にわたり国際線の客室業務を担当し、昨年からスチュワーデスの教育を担当している専門家を講師に招き勉強会を行った。
 講話は、講師の自己紹介の後、接客5原則「(1)挨拶(2)身だしなみ(3)言葉遣い(4)表情(5)態度」、電話の応対要領等について、現役の客室乗務員勤務時代のエピソードを交えながら話した。
 受講者は、直接業務に関連する事項であり熱心に聴き入っていた。

13普連は部外で戦史教育や地形偵察
 第13普通科連隊第3中隊(中隊長・宮坂3佐)では1月28日、部外で精神教育(戦史教育)を行い、長野市松代の明徳寺・川中島古戦場・松代大本営地下壕跡や真田宝物殿を訪れるとともに担当区域としての地形偵察も併せて行った。
 最初の目的地である明徳寺では、旧軍の栗林大将の墓石を訪れ敬礼・献花し、他の史跡でも中隊長と佐野曹長の説明を聞きながら隊員達は日本の歴史について学び「歴史上の人物の考え方など、今後の訓練に反映させたい」と話していた。

「市ヶ谷台ツアー」の見学コース、時間が一部変更に
 4月1日から「市ヶ谷台ツアー」の見学コースと時間帯が一部変更されます。新たに広報展示室と屋外ヘリ展示場が見学コースに加わり、午前と午後で見学の所用時間と見学する施設が異なることになります。
 4月1日からの市ヶ谷台ツアーの概要は次のとおりです。
 <午前>【受付時間】9時40分〜10時【見学時間】10時〜11時45分(1時間45分)【見学施設】▽記念館▽厚生棟▽屋外ヘリ展示場▽殉職者慰霊碑など
 <午後>【受付時間】13時10分〜13時30分【見学時間】13時30分〜15時40分(2時間10分)【見学施設】▽記念館▽厚生棟▽広報展示室など
 ※ツアー申込み方法など詳しくは防衛庁長官官房広報課記念館係(〒162-8801東京都新宿区市谷本村町5の1 TEL03・3268・3111内線21904または20303)へお問い合わせください。

テロ特措法に基づく対米支援
「いかづち」、横須賀出港
タイ王国経由でアフガンへ
隊員や家族に見送られ吉倉桟橋を離岸する「いかづち」
 昨年11月19日にテロ対策特別措置法に基づく基本計画等が変更され、アフガニスタンで米軍飛行場施設の維持に協力するタイ王国の施設用重機及び人員を輸送することになり、2月3日、護衛艦「いかづち」(艦長・田中博敏2佐以下乗員約160名)が母港の横須賀を出港した。
 この日、吉倉岸壁では朝8時半から勝山自衛艦隊司令官や齋藤横総監をはじめ海自隊員約300名と隊員家族ら200名が参列、出国行事が行われた。
 自衛艦隊司令官は「自衛艦隊は、洋上においてあらゆる任務を遂行することを誇りとする海上武人からなる集団である。これまでの厳しい訓練で培ってきた海上武人としての『忍耐力』『体力』そして『したたかさ』を発揮し伝統と栄光ある海上自衛隊の真価を示して欲しい」と述べた上で「健康にはくれぐれも留意し、全員が任務を完遂して元気に帰国することを祈念する」と激励した。
 その後、いかづち艦長から「日頃の訓練の成果を発揮し任務完遂のため、全力で頑張ってきます」と元気よく出港の挨拶があり、子供達が「いってらっしゃーい」と大きな声で見送る中、帽振れとともに支援活動へと出港していった。

インド洋派遣隊員留守家族を慰労
 横須賀地方隊と横須賀上級海曹会は2月1日、インド洋に派遣された部隊の乗員家族に対して説明会と家族慰労行事を実施した。これは、派遣部隊の状況を認識してもらうとともに留守家族に少しでも楽しんでもらいたいと計画したもので、派遣部隊の乗員家族を招待したところ北は秋田県から南は熊本県まで177家族、438名が参加した。
 このイベントは自衛艦隊司令部幕僚長の現状説明からスタートし、質疑応答の時間を設け、担当者が家族からの積極的な質問や不安等に答えた。
 説明会が終わり、やや安堵感につつまれた会場に突如赤鬼・青鬼が出現。10歳以下の114名の子供たちがキャーキャーと歓声をあげながら鬼退治に会場内を走り回った。季節柄、節分の豆まきをと上曹会が企画したもので、大変な盛り上がりとなった。
 そのほかバンド演奏や海自カレー体験喫食、「お父さんの職場はどんなとこ?」と題し護衛艦見学などが行われた。中でも一番人気だったのがビデオレターコーナーで、インド洋から届いたビデオに各乗員の登場をまだかまだかとビデオに噛り付いていた。送られたきた映像に「元気そうで安心した」と話す家族もあれば「最初は真っ黒に日焼けして誰だか分からなかった」という家族もいた。
 家族から乗員へのビデオレター撮影は、おなかの子供の順調を報告したり、元気で頑張っている姿をそれぞれの思いや激励のメッセージを添えてビデオレターにした。お父さんの似顔絵や願い事が書かれた手紙といっしょに約1週間後に各艦に到着する予定。

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