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   2002年12月15日号
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若者にアピール
東北方面隊管内で初の試み
大学教授、学生と陸自幹部が交流
安全保障について討議
秋田地連
 秋田地連(部長・山下富雄1陸佐)は11月19日、秋田経済法科大学教職員及び学生と自衛官の交流を、秋田駐屯地(司令・海沼敏明1陸佐)の支援を受け実施した。
 大学生は、将来社会の中堅的立場に立つ人材であることから、実際に駐屯地を見てもらい、若手幹部自衛官と安全保障等について、直接議論を交わしてもらい、防衛に関する理解を深めていただき、あわせて大学との関係強化を図る目的で、東北方面隊管内としては初の試み。
 参加したのは憲法専攻のゼミ生ら1〜3年生31人と同ゼミの中川修一法学部教授。午前中、広報室長から駐屯地の概要説明を受け、生活隊舎や人命救助システム各種装備品などを見学。午後は海沼司令から、「陸上自衛隊の現状と将来」と題した講話を聞いた後、幹部自衛官9人と3グループに分かれディスカッションを行った。学生から「北朝鮮問題をどうみるか」「改憲についてどう思うか」など活発な意見が交わされた。
 最後に、山下部長から「これを機会に、自衛隊に対する理解と認識を深めてもらえば幸いです。また、27日は秋田救難隊で行いますので、また違ったイメージの自衛隊を皆さんにお見せできると思います」と話した。
 終了後、学生から「最初、自衛隊に対し厳しいイメージだったが、意外と自由があり、仕事に対し誇りを持っているように感じた。自衛隊への興味が増した」と感想が聞かれた。
 秋田地連では、27日に行われる交流でも希望者が増えている現状にあり、今後、秋田県立大や、秋田大学にも拡大し、継続していきたいとしている。

防大1次試験始まる
402名が難関に挑戦<埼玉地連>
 埼玉地連(部長・松本裕1空佐)は11月9、10の両日にわたり、将来の日本の防衛を担う自衛隊幹部の登竜門である防大第1次試験を防医大、熊谷基地の二会場で実施した。
 理工系255名(女性26名)、人文社会系147名(女性37名)の総勢402名(女性63名)の受験者が難関に挑戦した。
 試験会場は少し冷え込んでいたが、受験者全員の熱気は凄まじく、冷気もどこへやら。
 試験終了後は、笑顔も戻り仲間同士で問題の解答等、互いに確認し合い一喜一憂する姿があちらこちらで見られた。
 埼玉地連は昨年度、目標の2倍を越える15名の入校者を出しており今年度も防大研修及び説明会等を積極的に実施して来た。受験者は昨年に比べ約6名減少しているが受験者の中には、防大を単願あるいは第一志望者という者も多く、昨年以上の成果を確信するとともに、一人でも多くの合格者が出ることを願っている。

青森地連部長が企業主50人に講話
 青森地連(部長・西野哲1空佐)は、11月22日、自衛隊退職者津軽地区雇用協議会(竹田良三会長)が主催する「部隊指揮官と企業主との懇談会」を支援した。
 参加したのは、会員の企業主等約50人。
 懇談会に先立ち、青森地連部長による「激動する国際情勢と航空自衛隊の活動」と題しての防衛講話が行われた。
 講話は、まず国際情勢を再確認していただき、テロ特別措置法に基づく活動と法改正・難民救援活動を紹介するとともに、今後の航空自衛隊の航空作戦・活動および特色等がユーモアを交えながら、熱っぽく語られた。
 また、質疑応答では、テロへの対処要領等における質問が多く出されるなど時間の経過も忘れるほど、会場内は熱気に溢れていた。
 ある会員は、「日頃の自衛隊の活動に改めて敬意を表するとともに、今後とも我が日本のために精励して頂きたい」と語っていた。

危機管理講演会開く
石破長官メッセージを紹介
鳥取地連
 11月24日、鳥取県自衛隊父兄会連合会の主催による「危機管理講演会」が鳥取市の玉姫殿で開催され、鳥取地連(部長・坂田善穂1陸佐)はこれを支援した。
 今回の講演会は、地連部長が行う講演会として通算50回目を迎える記念講演のため、自衛隊父兄会鳥取支部連合会会長田中操氏が企画したもので、一部は地連部長の基調講演、2部は地下鉄サリン事件の遭遇者や米国同時多発テロに遭遇した社員との連絡対応にあたった当事者や阪神大震災や鳥取県西部地震で実際に災害等現場で活動した県防災監や自衛官らによるパネルディスカッションの2部構成で実施された。
 講演会は、主催者である鳥取県自衛隊父兄会連合会会長の田中操氏の挨拶のあと、この講演会に参加予定であった鳥取県選出の石破茂防衛庁長官からのメッセージを紹介した。その中で長官は、「県(鳥取県)だけでなく、国においても各危機管理関係機関の有機的な連携を追求し、不足しているところは新しい法律を整備して万全を期することの重要性を痛感しています。公務のため欠席しますが、自衛隊父兄会のたゆまない努力に敬意を表しますとともに、坂田地連部長をはじめとします関係の皆様、並びにご参集の皆様をますますのご健勝を祈念します」と本講演会の重要性を強調された。
 基調講演は、同時多発テロ、北朝鮮のテロ、地下鉄サリン事件、危機管理のノウハウについて話し、パワーポイントを駆使して、鳥取県の美しい風景をはじめとする色々な画像をスクリーンに映し出すことにより、聴講者の視覚に訴えて判りやすく話した。
 2部のパネルディスカッションは、米国同時多発テロで緊急対策本部の主要メンバーとして現地との対応に当たった山陰合同銀行総合企画部調査役の森田輝雄氏、地下鉄サリン事件の遭遇者で山陰合同銀行倉吉西支店長の明里健一氏、鳥取県西部地震に対応した烏取県防災監の岩下文広氏、阪神大震災で救助部隊の中隊長であった鳥取地連米子募集事務所長の中山誠3陸佐をパネラーとして招き、地連部長がコーディネーターを努めて実施した。最初にパネラーが災害に係わった体験談を約6分程度述べた。地下鉄サリン事件で、サリンがまかれた車両に乗っていた明里健一氏は、「私が助かったのは、異常と感じてすぐに現場を離れたからだと思う。異常をどう認識するのかの訓練が必要」と危機に対する個人の備えを指摘した。
 森田氏は「全員が84階から1時間かけて脱出した5分後にビルが崩れた。現地支店長のリーダーシップと日頃の訓練により助かった」と当時を振り返る。
 中山3佐は「安否確認の情報の収集と警察・消防の連携が困難であった」と臨場感を持って熱く語った。県防災監は、「阪神大震災を教訓に新たに設けられた防災体制のもとで迅速に対応できた」と経験談を語った。
 最後にコーディネーターの地連部長がビスマルクの言葉を引用し、「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と締めくくった。
 このほか危機管理の対応について活発な議論がされ、聴衆からも積極的な質問が出た。講演会終了後、鳥取県自衛隊父兄会連合会主催の交流会が行われ、講師、パネラーを囲んで危機管理講演会の労をねぎらった。なお、この講演会の模様は、NHKテレビで当日の夕方放映され、また、地元有力新聞社2社で翌日の新聞に掲載された。

華やかに航空ショー 空自新田原基地
 航空自衛隊新田原基地(橋本誠一司令)の航空祭が十二月八日同基地で賑やかに開催された。昨年は九・一一テロで取り止めになっており、九州の航空ファンが待ちに待った二年ぶりの航空ショーとなった。
 前日の雨をひきづった曇り空ではあったが家族づれや友人、ペア、団体などで約十万人が訪れた。九州各県や中国地方のナンバーをつけた車で同基地周辺は午前二時頃からもう大渋滞。売店に卸す商品を積んだトラックも一時はお手あげ状態だったがなんとかオープンには間に合ったという。
 場内には百店舗近い売店が設けられ、メインストリートはさながら年の市の様相、地元の椎茸や野菜、手作りの花器や籠、弁当、飲み物など飛ぶような売れゆき。記念スタンプを押す郵便局も出張してくるなど地域をあげての航空祭だ。
 プログラムは○八三〇、F15とF4のオープニングフライトからはじまった。
 F15のタッチアンドゴーには滑走路ぎりぎりまで近づいて構えるアマチュアカメラマンや、その瞬間をくい入るように見守っていた子どもたちから大きな歓声があがっていた。当航空祭の目玉である花自動車には長い時間行列をつくっていたチビッコが乗りこみ、F4や岩国から飛来した米軍機が並ぶフロントをゆっくり走るサービスに大喜びだった(写真)。雲が低いためブルー・インパルスと陸自第一空挺用の落下傘降下は中止になったが、観客には満足の一日だった。(所谷尚武)

アーミテージ米国務副長官が
石破防衛庁長官を表敬
固く糧手を交わす石破長官とアーミテージ米国務副長官
 アーミテージ米国務副長宮が12月9日、防衛庁を訪問し、石破茂防衛序長官と会談した。
 防衛庁側から伊藤康成事務次官、守屋武昌防衛局長、西川徹矢運用局長、米国側からダン統合参謀本部J5副部長、べーカー駐日大使、バリー国務副長官特別補佐官らが同席した。
 大臣室に到着したアーミテージ米国務副長官は、石破長官と固く握手を交わしたあと会談に臨み、イラク情勢やテロ対策などについて意見交換した。

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