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   2002年12月15日号
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全自衛隊弓道大会
団体戦で入間A(的中競技)島松A(射型競技)が共にV
第30回の節目迎え記念行事も
 第30回全自衛隊弓道大会(全日本弓道連盟、防衛ホーム新聞社など後援)が12月1日、東京・明治神宮至誠館第2弓道場(全日本弓道連盟中央道場)に選手約270名が参加して盛大に行われた。
 午前8時40分、北原巌男大会々長(防衛参事官、管理局長)の挨拶、本橋民夫教士7段(入間A)の矢渡しに続き競技が開始された。時折り雨が降る冷たい空気の中、選手は背中をピンとのばし精神を集中。厳粛に進行しながらも、四射皆中などの瞬間には、静寂に包まれた場内に歓声と拍手が響いた。
 団体戦では上位5チーム(入間A、東千歳A、島松A、防大A、三沢A)が16中で並び、決定戦が行われるなど全体的に空目に加え、陸自、防大が優勝争いに絡む熱戦が続いた。
 また、今回は第30回の記念大会。初代大会名誉会長・山中貞則元防衛庁長官からは、全自弓道連合会へ応援メッセージとして「無心」の、宇野精一東大名誉教授からは「以て徳行を観るべし」の揮豪が贈られ、閉会式の表彰の際には、同デザインの楯が優勝者らに贈呈された。(塩田愛子)
一矢射るごとに精神を集中させて四射皆中を目指す
 成績は次のとおり。
<団体戦A(的中競技)>
▽優勝=入間A(16中)(住瀬次郎、志村貞、本橋民夫)▽2位=東千歳A(16中)(丹羽伸二、釜泡広視、川原安夫)▽3位=島松A(16中)(高祖浩、堀内敬久、川口秀樹)
<団体戦B(射型競技)>
▽最優秀=島松A▽優秀=入間A▽優良=三沢A
<個人戦>
【称号受有者の部】▽優勝=川口秀樹(島松A)▽2位=中川敏則(芦屋A)▽3位=遠藤幸一(仙台A)
【参段以上の部】▽優勝=高祖浩(島松A)▽2位=川原安夫(東千歳A)▽3位=鶴田育夫(那覇A)
【初・弐段の部】▽優勝=宮川貴仁(防大C)▽2位=本田深志(新田原A)▽3位=釜泡広視(東千歳A)
【女子の部】▽優勝=上屋敷弘美(防大B)▽2位=金野智子(防府南)▽3位=針生ちよえ(仙台A)
【隊友の部】▽優勝=柴田珠美▽2位=山本秀雄▽3位=岩井満

10普連格闘訓練隊1年半で見事優勝
 11月10日、札幌市中島体育センターで実施された第21回日本拳法・徒手格闘北海道選手権大会に第10普通科連隊(連隊長・北村1佐)格闘訓練隊(教官・岡本2尉)が参加し、訓練隊ができてわずか1年半で見事優勝の栄光を手にした。
「大会に参加して」第2中隊 3陸曹 南和盛
 この大会において、我が10連隊は、今年2月の大会で3位入賞に続いて、一般及び自衛隊のチームを破り、見事優勝しました。
 練習期間も短く、技術面ではまだまだ他のチームに劣っています。しかし、技術面で劣っているところは、闘争心と必勝の信念でカバーし優勝を勝ち取りました。この結果に満足することなく、さらに上を目指し訓練に打ち込んでいきたいと思います。

第6回横須賀剣道大会
団体戦は横地隊3V
関2曹が初優勝(個人戦5段以上の部)
 第6回横須賀剣道大会が10月19日、団体戦13チーム個人戦、5段以上の部、4段以下の部、女性の部に約135名が防衛大学校武道場に集い、盛大に開催された。
 団体戦は横須賀地方隊Aチームが優勝、また個人戦では、5段以上の部で関2曹(第1護衛隊群)、4段以下の部で正田士長(横須賀地方隊)、女子の部で村西2尉(防衛大学校剣友会)の3名が優勝した。
 第6回大会も訓練の忙しい合間を見つけて陸海空自衛官が多数参加した。この大会の目的は、自衛隊における剣道の振興と技量の向上を図るとともに、心身の鍛練と相互の親睦と団結の強化を資するために今回で6回大会となった。開会式前にOBの先生と約50分間の合同稽古で汗を流した。
 開会式では、副会長の橘1海佐(中央調査隊司令)の力強い開会宣言ではじまり、大会会長久保先生(防衛大学校体育学教授)が現在の情勢と剣道の理念について述べられた。
 午前、個人戦5段以上の部、4段以下の部、女子の部において75名が出場した。戦前の予想では、5段以上の部では防大・大門1空尉選手の2連覇と思われたが業務のため欠場となり、初優勝の行方は?で個人戦が始まった。
 個人戦5段以上の部、順調に勝ち進んだ関選手と板井両選手の決勝戦となり、全自大会等で活躍した関選手が攻めに攻めて面2本で初優勝した。
 昼食後、団体戦13チームによるトーナメントが行われた。決勝戦は横須賀地方隊Aと少年工科学校Aとの対戦となり、先鋒、次鋒ともに引き分け、中堅戦横地隊正田選手と少工校西岡選手の対戦は正田選手の面1本勝ち、続く副将戦も引き分けとなり、大将戦にかける少工校藤井選手の必死の攻めで胴を決めるが横地隊大竹選手も胴を決め1本1本の振り出しに戻した。大竹選手が冷静に試合を運び、一瞬の隙に面が決まり2勝0敗3引き分けで横須賀地方隊Aの3度目の優勝で大会を閉じ、表彰式では、団体の部優勝及び個人の部優勝者に賞状及び優勝杯並びにメダルが防衛ホーム新聞社等から授与され、今後の横須賀剣道会の技量の向上を祈念するとともに全国官公庁大会・関東自衛隊大会・全国自衛隊大会等での活躍を誓い会場を後にした。

東京・新宿アルタで陸自PRビデオ放映 陸幕広報室
歩行者100万人にアピール
 陸上自衛隊ではこの度、街頭の大型ビジョンを使用して約30秒間の映像を放映することになった。「募集」以外で初めて作られた陸幕広報室制作によるこの映像の中身は、どちらかというと「陸自のイメージ」を伝えるもので、平時の多様な役割に即応するために訓練に励む隊員の姿や、災害派遣・国際貢献に加えて国の安全を守るという自衛隊の役割が中心となっている。
 陸自のシンボルマークに始まり、航空機から次々と落下していく空挺隊員やヘリボン訓練、カンボディア・東チモールで土木作業を行なったり、現地住民と交流する女性隊員の姿などが、イメージ音楽をバックに30秒間の中にコンパクトにまとめられている。
 放映場所は今回、広報対象とした青少年(29歳以下)や関心が低いとされる婦人層が日頃から多く集まり、かつ話題性・特殊性を含むとして、東京・新宿アルタビジョンを使用。休日には100万人を越える歩行者に陸上自衛隊の姿をアピールする。

 放映時間等は次のとおり
 <場所>新宿アルタビジョン <期間>12月19日から25日までの1週間 <時間>10時から23時 <放映回数>1日26回(2時間に1回)

 また、映像は、陸自広報センター(朝霞駐屯地内)、陸自のホームページでも見ることもできる。

世界オリエンテーリング大会
出場選手を募集
 2005年「世界オリエンテーリング選手権大会」が同年8月、アジアで初めて愛知県で開催される。日本オリエンテーリング協会ではこれに伴ない、現在、日本代表選手として入賞、メダル獲得を狙うに最も近い人材として自衛隊へ今大会の挑戦を呼びかけている。
 日本ではオリエンテーリングといえばリクリエーションとしてのイメージが強く、競技人口はわずか1万人前後。もともと北欧の軍事訓練の一環として出来たスポーツで、ヨーロッパを中心に発達し、世界ではメジャーなスポーツだ。愛知大会では、30カ国以上、約400名の選手が参加するとされ、同時期に開催される愛知万博の支援行事としても注目されている。
 競技は、山岳地帯で行われ、スタート時点で渡された地図と磁石を手に、地図上に示されたポイントを探しながらゴールし秒差を競う。不整地を走りながら地図を判読し、最短ルートを自分で決める体力と知力の勝負だ。

○日本オリエンテーリング協会では来年3月まで月2回の体験イベントと強化選手の選考(来年4月)を行います。詳細は次のとおり(イベント名・開催地・日程の順)
 ▽強化合宿(静岡県富士宮市)12/28〜30▽強化合宿(愛知県作手村)12/30〜31▽千葉市昭和の森大会(千葉市昭和の森)1/12▽ジュニアチャンピオン大会(青梅市今井)1/19▽埼玉森林公園ミドル(埼玉県東松山市)2/2▽早大OC大会(埼玉県飯能市)2/16▽インカレ(愛知県下山村)3/8・9▽全日本大会(新潟県南蒲原郡村松町)3/23▽強化選手選考レース(愛知県作手村)4/6▽同(神奈川県秦野市)4/20

※問い合わせ先 日本オリエンテーリング協会〒150-8050渋谷区神南1-1-1岸記念体育館内 03・3467・4548

<論陣>
2002年は碌でもなく暗い年
来年は明るい世界を期待する
 平成十四年(二〇〇二年)も、あと僅かで暮れる。とに角、悲喜こもごもな出来事があったが、どっちかというと「いやな一年」だった気がする。
 常に暗い気分になる中心は、長びく不況だった。大量リストラ、失業率は最悪の五.五パーセント。銀行など金融機関はゼロ金利の上にあぐらをかいて「預金者のため」など考えず、もっぱら、じぶんたちがバブルのときに無制限に貸し出して作った不良債権の処理に大わらわである。かつてふんぞり返っていた大手十二銀行は青息吐息。庶民が少しばかりもらったボーナスを預けに行っても「利子は付きませんよ」と受け取る顔も見せない。「いまは政府の方針に従って不良債権処理が第一。失敗すると銀行も倒産しますからね」。そう言いながら"貸しはがし""貸し渋り"。経営に失敗した責任を誰一人とろうとしない。これで「明るい正月を迎えてください」。よく言えたものである。
 北朝鮮の拉致事件も末解決のまま年を越しそうだ。外務省の外かく団体は、二国間交渉が中断、にっちもさっちもいかず、日本国民のほとんどが怒っている最中に東京都などから提供されたお米や乾パンを北朝鮮に大量プレゼント。あげくの果て「外交と人道的支援は別だ」と暴言を吐く始末、関係が別どころか、拉致問題と援助は密接な関係があることは誰の目から見ても明白である。
 世界各地で多発している「テロ」も心を暗くした。イスラム原理主義かアルカイダの犯行かはどうでもいい。即刻、テロはやめてもらいたい。モスクワ、バリ島、一応、その場は解決したが、犯行声明などを見ても、あとを絶たないとは断言できない。事件を見ると犠牲者はみんな庶民である。
 日本国内で発生する犯罪も凶悪化、凶暴化の一途をたどっている。親がわが子を子供が親を殺す事件がいやに目に付いた。犯行の理由も保険金欲しさ、就職しないからなど"肉親同志"の犯罪の理由とは考えられないことばかりである。金庫破り、自動現金支払機(ATM)荒らしも多発している。犯行の手口も変化した。人の目を盗んでこっそりATMをこじ開けるなどではない。真夜中、パワーシャベルやクレーンを持ち出して機械全部を持ち逃げする。強盗以上の悪質化である。
 鹿児島県奄美大島沖での国籍不明船と海上保安庁巡視船との銃撃戦などもいやな出来事だった。多分、北朝鮮のものといわれている怪船はミサイル、ロケット、高角砲など重装備でわが国の領海に侵入、攻撃してきた。あまりにも非常識な軌跡であった。
 政界もかけ声の割りに世論に逆らっていた気がする。"改革"がどう行われたか一向に見えてこない。そして年末には野党第一党であり、国民がちょっぴり期待していた民主党の内部がくすぶった。高円宮さまの若い死もいいニュースではなかった。
 明るかったのは、日本の学者、研究者の中から一度に二人のノーベル賞の受賞が決まったことである。これはまさに偉業であった。
 大相撲では九州場所でモンゴルから来た大関朝青竜が見事、優勝したのは特筆できる。だが、その裏では二横綱、二大関が休場している。朝青竜の優勝も、三役の大量休場ではプラスマイナスすると完全に明るいニュースとはいえない。
 皇太子家の愛子さまは、なかなかの役者で、暗い日本人の気持ちを若干、柔らげてくれたと言える。巨人軍の優勝も松井のバイバイでなんとなく帳消しになったとも言えなくない。
 その他、異常気象もいやだった。夏は猛暑熱中症で死亡するものが続出したし、十月から、十一月にかけて"秋"が消え、一転、冬がかけ足でやってきた。
 こう書いていくと、やはり二〇〇二年は、明るい話しより、暗い話が多かったのは確かである。手放しで、みんなをよろこばしたのは、真夏の猛暑の東京・多摩川にひょっこり姿を見せた「タマちゃん」であろう。来年こそは"良い年"であってもらいたい。デフレから脱出できなければ"日本"は明るくならない。正しく、強い指導があってこそ日本経済も少しは上向くはずである。

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