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スペーサー
自衛隊ニュース   1099号 (2023年5月15日発行)
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機略縦横(53)
硫黄島基地隊准曹士先任 准空尉 久津輪匡央
強い意志
 今、自衛隊を取り巻く環境は急速に厳しさを増し、それと同調するかのように多くの期待がよせられているように感じます。現に、新たな任務や装備品の導入に伴う能力の向上は急務であり、日々の厳しい訓練等が増している状況です。
 そんな中、私たち准曹士に求められる能力も高いものとなり、多種多様な任務への対応能力の向上は必須であり重要です。また、日々の時間は限られているため業務を効率化し、能力向上を行う効果的な訓練等を重ねることが必要です。しかし、それらの訓練等を重ねることだけが多くの期待に応える事にはつながりません。
 今、世界を見れば、戦力的に劣勢な状況でありながらも自国を守るために他国の進撃を果敢に、そして粘り強く阻止する強い意志を学ぶことができます。私たちも個々の持つ家族を守る意志、人を守る意志、そして国を守る強い意志を醸成することが、多くの期待に応えることにつながるのではないでしょうか。

雪月花
 1億2615万人の日本の人口が50年後には8700万人になると言うショッキングな発表が厚労省の人口問題研究所からあった。国力は資源や技術力が評価ポイントとは言われているがその前に人の力が評価される。GDP(国内総生産)世界2位に躍り出た中国がその例だ、世界一の人口を背景に今日を築いてきた。間もなく今年中にはインドが14億2863万人に達し14億2567万人の中国を抜きトップになると4月に国連が公表している。このインドに各国が秋波を送っているのが最近の流れになっている。武田信玄の「人は石垣、人は城」これはなにも日本だけのことではない、欧米各国は何十年も前から人口増に取り組んでいるし中国も一人っ子政策を引っ込めた。日本政府も今が少子化反転のラストチャンスとみて「異次元の少子化対策」を掲げて子育て世帯の支援を強化するようだが簡単なことではあるまい。人口とはこれほども急激に減少するものなのか?何年前だったか、今日明日中に日本の人口が123456789人になるとマスコミが面白く報じたことを思い出す。ピーク時の平成20年には1億2808万人まで増加したが出生数の低下で15歳未満の子供の数は42年連続で減少が続き日本の総人口も減り続けている。筆者が結婚した60年代でも先輩から子供は少なくとも3人は作りなさい、そうでないと日本が消滅すると言われたものだ。そのころ作家の野坂昭如さんも「4畳半襖の下張り」裁判で同じように証言していた。しかし今そのようなことは言えなくなっている。先ごろ、知り合いの若いパパとママが生まれたばかりの赤ちゃんを連れて来てくれた。筆者が先輩に言われた同じ事を言ったが家人に「それを言うとセクハラになるから止めなさい」と注意された。昔、中国で良い家庭で聞かれると言われた三声は「書を読む声、仕事をする声、赤ちゃんの声」。その赤ちゃんの声が日本中にはじける日がもう一度来るだろうか。

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