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自衛隊ニュース   1096号 (2023年4月1日発行)
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地域と共に歩む
各地で周年記念行事

防衛大学校
 3月26日、令和4年度防衛大学校(久保文明学校長)の卒業式が岸田文雄内閣総理大臣、浜田靖一防衛大臣を招いて行われた。卒業生は、本科第67期学生467名(うち留学生21名)、理工学研究科前期課程第60期学生53名、理工学研究科後期課程第20期学生8名、総合安全保障研究科前期課程第25期学生10名、総合安全保障研究科後期課程第12期学生1名、総合安全保障研究科前期課程第26期学生1名。
 本科卒業生は、卒業式後に真新しい制服に着替えて宣誓・任命式に臨み、陸上自衛官198名、海上自衛官105名、航空自衛官97名が幹部候補生としての一歩を踏み出した。
 岸田総理は訓示で、先日のウクライナ訪問について「ロシアによる侵略の惨劇を直接目の当たりにし、これを繰り返さないために、このロシアによる侵略を一刻も早く止めなければならない。こうした決意を新たにしたところです」と述べ、「世界が歴史の分岐点を迎える中、自衛官となる皆さんが背負うものは、極めて大きい。民主主義国家における実力組織のスタンダードとも言える、プロフェッショナリズムに徹し、国防という崇高な職務に邁進して、国民の負託に応えてくれることを期待しています」と激励の言葉を贈った。

防衛医科大学校
 3月4日、防衛医科大学校(四ノ宮成祥学校長)医学科第44期学生・看護学科第6期学生卒業式典が体育館兼講堂で挙行され、医学科71名、看護学科自衛官候補看護学生68名、技官候補看護学生42名、計181名の学生が卒業した。今年度は、4年ぶりに家族も出席し、成長した我が子らの姿に目を細めていた。
 式典には、浜田防衛大臣、国会議員の柴山昌彦議員、鈴木義弘議員、熊谷裕人議員、吉田陸上幕僚長、酒井海上幕僚長、井筒航空幕僚長、大学改革支援・学位授与機構長、日本看護協会副会長、所沢副市長のほか来賓、家族など約600名が出席した。
 四ノ宮学校長は式辞で「防衛医科大学校の卒業生であるという誇りを持ち、母校を愛してその発展を願い、そして、自身の夢を実現させてください。思いやりの心と探求心をもって成長し続ける人であってほしいと願っております」で述べた。
 浜田大臣は、昨年12月に新たに策定された「国家防衛戦略」に触れ、「自衛隊衛生は有事において隊員の生命・身体を救う組織に変革する」等自衛隊衛生の重要性について訓示した。また、「最後の砦として国民からの期待と信頼に応えていかなければなりません」と卒業生を鼓舞した。
 任命・宣誓式では、吉田陸幕長、酒井海幕長、井筒空幕長からそれぞれ自衛官としての任命を受けた学生の代表が浜田防衛大臣に服務の宣誓を行い、医官・看護官として第一歩を踏み出した。
 人事発令伝達式では、技官候補看護学生が四ノ宮学校長より人事発令を受けた。
 最後には、卒業生による帽子投げも行われ、全員が走りながら、華々しく退場した。

陸自幹部候補生学校
 陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・石原由尊陸将補=前川原)は、第103期一般幹部候補生(部内選抜)課程(後段)289名に対する全ての教育を修了し、3月9日に卒業式を挙行した。
 式には、吉田圭秀陸上幕僚長をはじめ、石井俊一久留米市議会議長等多数の部内外来賓、卒業生家族および学校職員が出席し、厳粛に執り行われた。
 石原学校長は候補生一人ひとりに卒業証書を授与したのち、式辞において、「本校で経験した全てを自信とし、今後の修養においても更なる試練の前に敢えて立ち、正しい知識、高い練度を追い求め、信頼に足る幹部自衛官を目指してもらいたい」と餞の言葉を贈った。続いて、吉田陸上幕僚長から、「将来の中隊長に向けて、日々資質と識能を陶冶せよ」と要望事項が示され、「指揮官に最も必要な要素は、任務に対する情熱と部下に対する愛情である。常に現場に位置し、部下隊員と強固な信頼関係を構築できるように努めてもらいたい。卒業生諸官が、陸上自衛隊の使命に誇りと矜持を持ち、一人ひとりが主体的に溌溂と職務に邁進することを期待する」と訓示した。その後、来賓を代表して石井久留米市議会議長から、「国民や地域住民の期待に応え、信頼される幹部自衛官として大成されますことを心よりお祈り申し上げます。幹部としての基礎を築き、生涯の友となる同期と過ごしたこの久留米を第二のふるさとと思ってください。久留米は、いつでも皆様を歓迎し、温かくお迎えします」と祝辞が贈られた。
 式の後、隊員食堂において記念会食が催され、部内外来賓及び家族とともに肩の力を抜いて歓談する卒業生の姿が見られた。
 約半年の教育を終えた卒業生達は、幹部候補生学校で得た自信を胸にそれぞれの部隊での活躍を誓い、温かい見送りの中、幹部候補生学校を後にした。

中病職業能力開発センター
 公務又は通勤災害による負傷や疾病で障害を負った隊員の円滑な部隊勤務や社会復帰に向けた更生指導業務を実施する自衛隊中央病院(三宿)職業能力開発センター(大堀健センター長)で3月2日、第67期生12名(陸自10名、海自1名、空自1名)の修了式が行われた。
 修了式は、来賓として人事教育局給与課長代理の田村和也災害補償室長を招いて開催された。
 国歌演奏、センター長からの修了証書授与後、学生長がセンターでの研修修了を申告した。
 続いて、執行官の福島功二病院長が登壇。「例年よりも入所生の数も多く、また障害の程度が重い隊員が居ながらも、同期生が互いに協力・支援し合い、全員が前向きに研修に取り組み、立派な成果を修めることができた」と労ったほか、「これからが、これまでを、決める」との言葉を例えられ、「研修によって得られた成果もこれからの生き方によって、より輝きを増すもの」と励ました。
 また、前期に続き今回も人事教育局齋藤敏幸給与課長による祝辞の映像が会場内に映し出され、研修生に対し、研修修了のお祝いとともに今後の活躍を期待する等の言葉が述べられた。
 最後に学生長が研修生を代表して、病院長をはじめ病院職員等に感謝の気持ち等を述べた。
 研修生は、部隊に復帰する者と引き続き研修を継続する者とそれぞれの道を進むことになる。
 職業能力開発センターでは、「部隊に復帰する者については、当センターで新たに習得した知識・技能を最大限に発揮し、自衛隊の任務遂行の一翼を担い貢献することを期待する」としている。

陸自高等工科学校
 陸上自衛隊高等工科学校(学校長・富崎隆志陸将補=武山)は、3月18日、浜田靖一防衛大臣が臨席の中、鈴木敦夫防衛事務次官、吉田圭秀陸上幕僚長の立ち会いの下、第66期生(328名)の卒業式を挙行した。
 新型コロナウイルス感染症の影響もあって、今年は3年ぶりに保護者の参列が叶い、晴れの日を心待ちにしていた卒業生家族約600名がその様子を会場で見守ることができた。
 学校長は式辞で、「新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたこの3年間を乗り越えて、君たちは大きく成長した。これから厳しい社会に出ていくことをしっかり認識して、自分ができることを精一杯努力する。他人任せにすることなく、他人に責任を押し付けることなく、正々堂々と全力でその困難な事態に臨んでもらいたい。そういった前向きな姿勢や直向きな努力が必ず君たちを『幸せ』に導いてくれると確信している。自信をもって社会に羽ばたいて欲しい」との言葉を餞として贈った。
 また防衛大臣からは、「陸上自衛官として新たな一歩を踏み出すに当たり、その崇高な使命をしっかりと理解しつつ、更なる経験を積み、宇宙・サイバー・電磁波といった領域横断作戦の最先端を担う人材となっていくことを期待する」との訓示が述べられた。
 その後、在校生代表半井寛太生徒による送辞、卒業生代表中川翔馬生徒による答辞、仰げば尊し・校歌斉唱と続いた。答辞では、卒業生・在校生ともに涙をうかべ、本校で過ごした3年間が充実したものであったことを印象づけた。卒業生は、4月1日付で陸士長に任官し、生徒陸曹候補生課程(各陸曹教育隊)に進み、陸上自衛官としての第1歩を踏み出すことになる。なお、一部の生徒は防衛大学校、海上自衛隊・航空自衛隊の航空学生に進む。

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