防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1047号 (2021年3月15日発行)
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令和2年度旅団定期演奏会
音楽で「明日への希望」を地域の方々へ
<第14旅団>
 第14旅団(旅団長・遠藤充陸将補=善通寺)は、令和3年2月28日、香川県高松市レクザムホールにおいて約700名の観客の来場を得て、令和2年度旅団定期演奏会を開催した。今年度は、コロナ禍での開催を踏まえ、会場内の密をさけるため入場者を収容人数の半数以下に制限するとともに公募を四国地区に限定し、また、会場に入る際には、検温を実施する等、コロナ対策を徹底して実施した。
 演奏は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、訪れた方々に少しでも希望をお届けしたいとの思いからテーマを「明日への希望」として曲目を構成し、全12曲を披露した。
 第14音楽隊(隊長・富田淳子1陸尉)は、開演直前まで練成を重ね、訪れた皆様に笑顔と感動のあふれるひと時を提供する事が出来た。

令和2年度連隊冬季戦技競技会
<第39普通科連隊>
 第39普通科連隊(連隊長・木原邦洋1陸佐=弘前)は、3月2日、岩木青少年スポーツセンターにおいて令和2年度連隊冬季戦技競技会を実施した。
 この競技会は、冬季戦技能力の向上を図るとともに、次年度に行われる連隊冬季検閲を目標に隊員一人一人のスキー技術の向上及び次回の師団冬季戦技競技会においての優勝奪還を目的に行われたもの。隊員は小銃含む16kgの背嚢を背負い、訓練の成果を十二分に発揮し、全長約6kmの起伏の激しいコースを克服しながら中隊の名誉と誇りをかけて力走した。また、各ポイントやゴール付近では同僚隊員が声援を送るなど部隊の団結及び士気の向上を図る事が出来た。さらに駐屯地協力団体及びモニターの方々も見学に訪れた。モニターの方からは、「出走前の問診、計量等ここまで細かく行っていることに驚き、全力で走っている隊員を見て感動しました」と感想が聞かれた。
 結果は、前競技会2位だった第2中隊が見事雪辱を果たし優勝した。

令和2年度中隊対抗後方競技会
<第47普通科連隊>
 第47普通科連隊(連隊長・佐藤篤1陸佐=海田市)は、昨年12月15日、海田市駐屯地において後方競技会を実施した。
 競技会は、車両運行に必要な操縦技能と整備技能の向上を目的とし、各中隊から操縦技能の部に6名、整備技能の部に10名をそれぞれ選抜し、中隊対抗方式で行った。
 操縦技能の部は、規定のコースでトレーラーをけん引した高機動車を走行させてそのタイムを競うもので、幅の狭い道路の通過、方向変換、後退などの関門も有り、早く、かつ安全にゴールするためには、操縦技術に加え、車長の誘導技術と操縦手と車長の連携がポイントとなった。
 整備技能の部では、ガス欠により停止したエンジンの復旧と電気系統の故障排除を行うもので、走行異常を感知する能力、素早く故障の原因と故障箇所を探知する能力、故障整備技術が問われるものであった。
 現行の後方支援体制となって久しく、第一線部隊の車両に関する知識や整備技術を後方支援部隊に頼る部分も多い中、本競技会は、隊員の保有装備品に対する意識を高める上でも有意義なものとなった。そして競技会の優勝中隊の栄冠には、重迫撃砲中隊が輝いた。
 引き続き連隊は、あらゆる機会を通じた車両技能の向上を図るとともに、「高い即動態勢」を保持するため、普通科隊員としての使命と誇りを堅持し、与えられた任務を完遂し得る各種技能の向上に努めていく。

ノーサイド
北原巖男
応援団
 全国の自衛隊員の皆さんが残念に思っておられるように、本来ならば全国各地で催される自衛隊イベント等は、コロナ禍対応によりすべて中止となっています。
 そんな中、去る2月20日から28日の間、本紙吉田佳子社長率いる「防衛ホーム臨時アキバ派遣隊(仮)」が、若者の町・オタクの聖地とも言われるアキバに初見参。秋葉原駅近くにあるビルの3階の大きなフロアー全部を確保し、自衛隊応援作戦を展開しました。
 吉田隊長談。「秋葉原という土地の特性を考えると、新たに自衛隊の活動内容を身近に感じて頂き、自衛隊フアンを増やすことが出来るのではないかと考えます」。
 吉田隊長の卓越した統率の下、派遣隊員の皆さんは作戦名「自衛隊応援まつり」を終日士気高く、楽しく展開。多くの皆さんが来場されました。任務完遂です。
 会場には、日本最北の名寄駐屯地から南は那覇に至るまで、全国各地の陸・海・空自衛隊の部隊や基地等から貸与等されたポスター・パンフレット類が、所狭しとばかりに展示されています。自衛隊の多種多様な活動の一端に触れることが出来、来場された皆さんを引き付けていました。迫力ある3自衛隊の主力装備品の写真に交じって、こんな言葉も。
 「中国5県で活躍する女性自衛官たち」、「山陰×女性自衛官」、「女性自衛官大活躍中!様々な仕事が自衛隊にはあります」、「みつ避けて ほかとの距離に気を配り きほんは手洗い ちゃんとマスク 美保基地コロナ啓発ポスター みんなでやればできる!」、「駐屯地見学に来ませんか?」、「自分の道は自分で決める 自分の殻は自分で破る」、「若手隊員に聞く!僕らがここに立つ理由」、「時代を継ぎ 次代を守る」、「陸、海、空自衛隊仕事図鑑」等々。
 吉田隊長曰く「To be continued! 今回の経験を踏まえて、もっと進化させます。楽しみにしていてください!」
 会場の展示物の中で、また目を引いたのは「自衛隊の皆さん。頼みます!」との大きな見出しの新聞。発災から今年で10年目を迎えた2011年3月11日の東日本大震災時、災害派遣活動に従事している自衛隊員が家族に宛てた思いを掲載した当時の防衛ホーム紙(2011年4月1日付け及び5月1日付け)でした。緊張感が伝わる中、異口同音に語っています。
 「自衛官としての誇りを持って任務を達成してくる。無事帰って来るから心配するな!」
 先日、旅行社を営んでいる親しい知人から、こんな電話を頂き、励まされました。
 「自衛隊のコンサートで、女性の自衛官の方が歌っています。元気出ますよ。歌の合間のアナウンスがまた素晴らしい。自衛隊の皆さんや新しく入隊される人たちにとっても励みになると思います。YouTubeで見てください。私も元気をもらっています。・・・私、頑張ります!」
 彼のような旅行業や観光、飲食業等に携わっている皆さん達は、筆舌に尽くし難い辛く苦しい日々が延々と続いています。トンネルの出口は一向に見えて来ません。暗闇の中で生き残りを賭けたコロナと戦い、疲弊しきっている人たちの様子が連日報じられています。
 そんな中、彼が言っていたYouTube。陸上自衛隊音楽隊の演奏をバックに女性自衛官が歌っています。絢香さん作詞・作曲の「みんな空の下」。
 「自衛隊の皆さんが私の応援団になって応援してくれているような気持になって来ます」
 そんな彼の電話を思い浮かべながら聴き入りました。
 「・・・何度も高い壁 乗り越えたから 何も怖くない ひとりじゃないよ みんな空の下・・・」そして、彼が強調していた二人の女性自衛官のアナウンス。
 「・・・想定外の出来事が多くなって来ている中で、平和で明るい未来を信じて生きて行くことが簡単なことではないという声も聞こえて来ます。しかし、これからも万一の災害や予測不能な出来事に備え、地域との結びつきを強くし、同じ空の下で互いに手を取り合う世界を作って行くことが大切ではないでしょうか。自衛隊は、常に国民の皆さんと共に在り、常に地域の皆さんと共にあります・・・」
 政府は、3月7日までだった一都三県の「緊急事態宣言」を3月21日まで2週間延長せざるを得ませんでした。本紙が読者の皆さんのお手元に届く頃は、既に21日まで1週間を切っています。首相が国民に向かって謝罪するような事態の再来は、あってはならないことです。私たち一人ひとりも頑張りましょう。
 「政府・自治体の皆さん。頼みます!」
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

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