防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1047号 (2021年3月15日発行)
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隊員たちの命を守るために
令和2年度師団衛生訓練
<第7師団>
 第7師団(師団長・中村裕亮陸将=東千歳)は、2月23日から26日までの間、北海道大演習場(東千歳地区)において、第7後方支援連隊長(久保晃一1陸佐=東千歳)を担任官として、令和2年度師団衛生訓練を実施した。
 本訓練は、師団内の衛生小隊(班)及び衛生救護陸曹に対し、師団の特性を考慮した救命ドクトリンを普及徹底するため、応急処置及び応急治療について演練し、衛生活動の練度向上を図ることを目的とした訓練で、主に『積雪寒冷地における衛生活動』『第一線救護における応急処置』『収容所での重傷者の応急治療』を一連の状況下で実施した。
 参加した隊員は、駐屯地内において実際に走行している救急車内で後送間の容態急変に伴う救急処置要領や、連隊等収容所において、医官の指示に基づく応急治療を実施する等、負傷状況に対し、迅速に対応していくための実戦的な訓練環境で貴重な成果を得ることができた。
 今後も第7師団は、このような時代だからこそ隊員たちの生命を守るために、いついかなる場所においても衛生技術が発揮できるよう、訓練に邁進していく。
※救命ドクトリンとは、10分以内の救護、できるだけ迅速な緊急外科手術、あらゆる後送手段による後送を目標としているもの。

第3次中隊等訓練検閲
<第26普通科連隊>
 第26普通科連隊(連隊長・高橋誠1陸佐=留萌)は、2月21日から2月25日までの間、上富良野演習場において「第3次中隊等訓練検閲」を実施した。
 本訓練は、積み上げてきた積雪寒冷地の部隊として訓練の成果を評価し、その進歩向上を促すことを目的として、第1中隊が攻撃側(増強普通科連隊の主攻撃中隊)、第4中隊が防御側となり、真剣勝負を行った。
 併せて、陣地攻撃に任ずる各小隊の行動として、情報小隊、補給小隊及び衛生小隊が受閲した。
 粒雪が降り積もる中、防御側の第4中隊は、冬季の特性を考慮した堅固な防御陣地並びに組織的な火網及び障害を準備して攻撃部隊を待ち受け、強靭な戦闘により敵攻撃の破砕に努めた。対する第1中隊は雪上車によるジョーリングを活用して前進し、集結地の安全化、占領した後攻撃前進を開始した。砲迫による掩護射撃のもと、スキー・かんじきを使用して敵陣地に向け突入し陣地の一部を奪取した。
 留萌一家の熱い魂を継承する各中隊・小隊は、日頃の訓練成果を十分に発揮し、積雪寒冷地の特性を克服・活用してそれぞれ与えられた任務を完遂した。

小隊検閲に親子3人で参加
<対馬警備隊>
 対馬警備隊(警備隊長・山口勝1陸佐)は、3月1日から3月3日までの間、令和2年度基礎となる部隊の訓練検閲を実施した。
 本検閲は、情報小隊及び施設作業小隊の訓練検閲であり対馬特有の厳しい生地を活用し、かつ対抗方式での訓練検閲となった。
 1日午前5時の非常呼集から始まり、登庁を済ませた隊員は個人物品をまとめ部隊物品を掌握し出動準備を整えた。出動準備が整った小隊は、それぞれの小隊長から前進命令を受けそれぞれの目的地へ前進を開始した。
 夕方から天候が一変し、豪雨と極寒の中、集結地に到着した情報小隊は、個人物品等を入れた背嚢(約25kg)を担ぎ、第1拠点・監視地点へ前進し監視地点に到着した隊員は、速やかに偵察・中継の任務を実施した。
 一方、施設作業小隊は、防御地域に到着後、現場の安全を確認し、鉄条網、対戦車崖、地雷原の構成を実施、特に地雷の埋設については、規格通りの掘開及び正確な深さで次々と埋設していった。
 2日、雨はやんだものの北西の冷たい風が吹く中、情報小隊・施設作業小隊ともに濡れた身体で寒さに震え睡魔と闘いながら引き続き任務を継続した。
 そして、3日最終日、任務を継続する隊員の疲労もピークに達する中、敵のドローンによる上空からの偵察に対処し、そこで状況終了となった。
 本検閲には、情報小隊第6組長として父、2等陸曹坂上仁志、第4組斥候員として次男、士長翔夢、施設作業小隊施設分隊施設手として長男、士長海翔の親子3人が参加した。
 長男、次男ともに父の背中を追って、陸上自衛隊に入隊、対馬警備隊に配置、昨年8月に父の仁志2曹が対馬警備隊に移動となり、親子3人での警備隊勤務となった。
 今回、初めて検閲を受閲した次男、士長翔夢に感想を聞いたところ「自衛隊に入隊して、初めての検閲だった。雨に濡れ寒くて挫けそうになったけど、父の歩いている背中を見て、最後まで受閲することができた。普段、見せない父の姿を見ることができた」と答えてくれた。
 親子で、同一駐屯地勤務は、よく耳にするが、親子3人が同一部隊勤務かつ同時に検閲を受閲はレアケースではないだろうか。これからの坂上父子の活躍に期待したい。なお、長男、海翔士長は、本検閲で、優秀隊員として表彰を受けた。

災害派遣

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岩手駐屯地
 岩手駐屯地(司令・香川賢士1陸佐)に本部を置き、郡山にも2個大隊が駐屯する東北方面特科連隊の第1大隊(大隊長・清野2陸佐)は、2月13日23時8分頃に福島県沖を震源とする震度6強の地震被害による災害派遣活動を実施した。
 第1大隊は、第44普通科連隊(福島駐屯地)を基幹とする災害派遣部隊に編成され、2月14日から福島県天栄村地域9ヶ所において水トレーラーを牽引した給水支援車3両をもって活動し、翌15日15時50分、福島県からの災害派遣撤収要請を受け給水支援活動を終了した。2日間の支援活動で、延べ約2250リットルの給水支援を実施し任務を完遂した。
 今回の派遣活動で給水支援隊の指揮官は、連隊で最も若手の幹部女性自衛官、境野果奈子3陸尉(千葉県船橋市出身、中央大学法学部卒、24歳)が努め、給水支援隊は境野3尉指揮の下、円滑に任務を遂行するとともに、献身的な給水活動を実施した。
 連隊は、今後も予想される自然災害や事態対処に即応し、迅速・的確に任務を完遂するため「ONE TEAM 東北方面特科連隊」を合言葉に更なる練度向上を図るとともに、あらゆる場面において人材育成にも努めていくとしている。
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第44普通科連隊
迅速な対応に住民から感謝の声
 第44普通科連隊(連隊長・湯舟道彦1陸佐=福島)及び方面特科連隊第1大隊(大隊長・清野2陸佐)は、2月13日に発生した福島県沖を震源とする最大震度6強の地震により、福島県内の一部地域で断水になったことを受け、2月14日福島県知事からの災害派遣要請に基づき、新地町及び天栄村において給水支援活動を実施した。
 給水支援については、2月14日・15日の2日間にわたり新地町4箇所、天栄村9箇所それぞれに展開し住民延べ276名に対し約9・3tの給水を行った。
 住民からは「早い対応でありがとうございました」「本当に助かります」などの温かい声が聞かれ無事任務を遂行する事ができた。
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第1施設団
 第1施設団(団長・仲西勝典陸将補=古河)は2月2日から7日の間、茨城県城里町における鳥インフルエンザ発生に係る災害に対して部隊を派遣、感染拡大防止を目的とした家禽の殺処分等を実施した。
 同県での発生は15年ぶりであり、今回は2月1日に同町養鶏場で家禽の死亡を発見、翌2日に感染が確認された。
 茨城県の災害派遣を担任する施設学校は同日朝、同県知事からの災害派遣要請を受理、派遣命令を発出して活動を開始した。
 施設団は増援として、古河駐屯地所在の第101施設器材隊、第301ダンプ車両中隊及び施設団本部・付隊の隊員からなる部隊を現地に前進させ、施設学校及び武器学校の派遣部隊とともに、24時間態勢で昼夜問わず作業に従事した。
 派遣部隊は同養鶏場で飼育されていた家禽約39万羽の殺処分等の作業を終了、7日に同県知事からの撤収要請を受け、駐屯地に帰隊、災害派遣は終了した。

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