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自衛隊ニュース   2013年9月1日号
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県市町村議員が「一体」に
「防衛と防災を県民と共に」
高知県防衛議員連盟が発足
 国防思想の啓蒙とその普及を図り、県民と自衛隊の相互理解を深め、自衛隊の健全な発展に寄与し、もって日本と世界の平和と繁栄に貢献することを目的とする—高知県防衛議員連盟が高知市内で8月18日発足した。
 同県には県会議員37人中28人で構成する防衛議員連盟が既に設置されているが、さらに活動の拡大化を目指して市町村議員にまで枠を広げた結果、県下34市町村のうち14市町村から98人の議員が一体となった。県市町村議員参加の防衛議員連盟は全国でも極めてめずらしい。当分の間は県議連盟も並存するが近い将来には合流するとみられている。
 当日の設立総会には同会メンバーや来賓として中谷元・元防衛庁長官や県商工会議所の青木章泰会頭、高知地本長佐藤文章1佐、50普連隊長堤秀一1佐、県の危機管理部副部長、課長さらに自衛隊協力団体等から約百人が出席した。
 発起人代表の中西哲県議(自民党県連幹事長)は設立への経緯とともに「県民と共に防衛と防災を考えたい」とあいさつ。顧問に中谷元衆院議員と会長に桑名龍吾県議(同副幹事長)が選任された。会長に就任した桑名会長は早速「本県自治体への危機管理担当者で自衛隊出身者はわずか2名に過ぎない、防災上もこの数を増やさなければならない」とあいさつをした。この後議員連盟規約をとりまとめ、さらに今後の事業方針として4課題が承認された。(1)安全保障・防衛の現場の状況を学ぶため全国各地の基地や現場を視察する (2)一層の国防思想の啓蒙を目的として専門講師を招聘し勉強会を開催する (3)相互理解を目的に自衛隊の企画するセレモニーなどに積極的な参加をする (4)緊迫する周辺情勢への即応、寄与等を目的として本県への基地誘致に務める。
 つづいて元情報本部初代本部長の国見昌宏氏が「我が国を取り巻く周辺情勢と今後の防衛のあり方」と題して講演を行った。最近の緊迫状況や在職中の明かされていない話に参加者は熱心に聞き入っていた。この話は翌日の地元紙に大きなスペースで取り上げられ反響も大きかった。

航空自衛隊第1高射群が創立50周年に向けてイベント
入間基地で「24時間ウルトラマラソン」
群司令ら見事100km完走

 昭和39年、陸上自衛隊から航空自衛隊に広域防空が移管したため創立した航空自衛隊第1高射群(群司令・田中耕太1空佐)。習志野分屯基地の第1高射隊・武山分屯基地の第2高射隊・霞ヶ浦分屯基地の第3高射隊、入間基地の第4高射隊の4つの高射隊、指揮所運用隊及び整備補給隊から成り立っている第1高射群は、来年創立50周年を迎える。

 8月16日19時、創立50周年に向けてのイベント第1弾である「24時間ウルトラマラソン」が入間基地にある第1高射群整備補給隊前で行われた。
 今回のマラソンは、100km走り切る種目、100kmをリレーで繋ぐ種目、24時間リレーで繋ぐ種目の3種類で構成。「100kmを1人で6時間13分という記録の保持者は日本人、それよりは早くリレーで走りたい」との言葉通り『100kmリレー』は5時間53分50秒で終了。
 『24時間リレー』は同じく日本人が1人で達成した24時間で303kmという記録を上回るべく、333・34kmを走った。走る距離が決まっているわけでもなく、早く走れば走る程選手たちの順番が回ってくるのが早くなる。しかし、「どうしても全力で走ってしまう…」と参加選手たち。
 田中群司令はじめ各隊長ら8名は予定の24時間より早く22時間で見事『100kmマラソン』を全員揃って走り抜いた。
 鎮痛剤を飲みながらの走行、途中でペースが落ちる等様々な事案を乗り越えての完走。全員で手をとり笑顔でゴール「走り切れて感無量、感動で涙が出て来る」(田中群司令)。隊員の中には目頭を押さえる者も多く見えた。出走前「クイズや様々なイベントも同時に行う。これだけの人がいないと、このイベントは出来ない。この事は今後の仕事に必ず活かされるはず」と語った群司令の言葉がずっしりと、そしてしっかりと身体に刻まれた瞬間だった。
 走行者59名に対し、その他の要員が約200名。要所要所に誘導のために立つ者、給養・給水・衛生、設営・輸送・照明など、走行者以外の任務も多く「現場に入ると自然に統制がとれていった」と、素晴らしい後方支援ぶりだった。待機中の隊員もただ待機しているだけではなく、それぞれがそれぞれの任務を確実に、しかし楽しげにこなしていた。100km走り抜いた田中群司令・佐藤副司令・染野指運隊長・豊田整補隊長・加藤1高隊長・川口2高隊長・小川3高隊長・小林4高隊長ら8名の出走前とゴール後の体重増減の平均はマイナス2kg。
 ゴール直後「今から打ち上げだぁ、シャワーしてくるからちょっと待ってて」と言い出しそうな群司令たちの元気さと逞しさと頼もしさ、そして何よりも「完走したよ! 見た?」オーラ。今回のウルトラマラソンは大成功なのは間違いない。「第1高射群 創立50周年行事」はまだまだ続く。


片岡空幕長へIHIから記念品
F—15のF100エンジン200万飛行時間の達成で

 片岡晴彦空幕長は7月31日、「F—15に搭載されているF100エンジンが今年5月10日に200万飛行時間を達成」したことにより、同エンジンを製作したIHIから記念品を贈呈された。航空幕僚監部をIHIの満岡次郎航空宇宙事業本部長ほか3名が訪問、空幕副長・中島邦祐空将、運用支援・情報部長・丸茂吉成空将補、装備部長・小野賀三空将補が陪席した。
 なお7月19日にも空自補給本部長・吉岡秀之空将に対してIHIから同様の記念品が贈呈された。


硫黄島問題懇話会が小野寺大臣へ決議書
「省としてできる限り協力」
遺骨収集のために滑走路を移設へ

 8月23日、小野寺五典防衛大臣は、硫黄島の戦没者遺骨収集事業に係る議員連盟「硫黄島問題懇話会」の逢沢一郎会長、新藤義孝幹事長らの訪問を受け、21日に同懇話会で議決された硫黄島の滑走路移設を求める決議書を受け取った。
 政府の調査によると、海上自衛隊硫黄島航空基地隊が管理・運営する硫黄島飛行場滑走路下の地中には、戦没者の膨大な遺骨が眠っているとされる。22日には総理官邸で安倍晋三内閣総理大臣が逢沢議員らと面会、同決議書を受け取り滑走路の移設を表明した。
 小野寺防衛大臣は、「防衛省としてもできる限りの協力をしていきたい。内閣、政府全体として、これからこの問題をどういう形で進めていったら良いか相談させていただきたい」と、移設に取り組む姿勢を示した。


〜中央即応集団〜
魁の風
Central Readiness Force

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兄弟で切磋琢磨し派遣活動
第2施設群(飯塚) 2陸曹 池田宜政
 南スーダン派遣施設隊の第4次要員として、兄弟で参加することになりました。私の部隊は第5施設団の隷下部隊で飯塚駐屯地に所在する第2施設群、弟の部隊は第8師団の隷下部隊で北熊本駐屯地に所在する第8特科連隊であり、それぞれの地域で勤務しています。同じ九州管内ですが、職種・勤務地を異にする2人が日本国および陸上自衛隊の代表として同時に派遣されることになり、全国的にも稀なことで、大変貴重な体験をさせていただいています。
 弟は私よりも約2週間早く派遣されました。そこで兄弟間の強いネットワークを活用し、現在の南スーダンの様子や現地では購入困難な物品などの細部の役に立つ情報を共有することができ、物心共に万全な状態で安心して出国することができました。
 そして、日本から約1万2千?の道程を経て、無事に南スーダンの日本隊宿営地に着き、出迎えをしてくれた隊員の中に弟の顔が見えたときは、安心感と感動で泣きそうになったことを今でも覚えています。
 活動に際しては、弟の配属されている輸送班が、活動現場までの経路を点検し、私達、施設小隊がその情報を元に車両で活動現場まで移動しています。このように、兄弟で同じ環境を共有することで、より一層兄弟の絆が深まったと実感し、心から感謝しています。
 これからも日本の地と異なり予期せぬことが多々待ち構えていると思いますが、引き続き兄弟の絆を大切にし、互いに切磋琢磨しつつ半年間の活動を有意義なものにしていきたいと思います。この活動が日本と南スーダンとの架け橋となるべく全力をもって任務に邁進し、最後は共に胸を張って日本に帰国できるように頑張りたいと思います。
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日本の良さを再認識
第2施設群(飯塚) 3陸曹 松原庸二

 ここ、南スーダンで活動し、約2か月余りが経過しました。日本を出国してからこれまでの活動を通じて、日本の良さを再認識する毎日を送っていますが、そのいくつかをここで紹介したいと思います。
 まず、日本隊の組織力を改めて認識しました。宿営地の整備は行き届き、生活上の不安を感じることが全くありません。また、これまで過去の派遣施設隊の要員が作り上げてきた完成度の高い各種施設を見ると、ここ南スーダンの地においても日本隊の技術力の高さを改めて認識しました。
 次に「日本人は真面目である」ということです。施設構築だけでなく、ゴミ拾いにおいても日本隊の速やかな、かつ統制の取れた行動は際立っており、我々が普段当然だと思っていることが、実は大変優れた長所であると思いました。
 さらに言葉の違いから発見できることも多々あります。日本国内で会話する際に日本語を使い、意志の疎通に困ることはまずありません。しかし、ここ南スーダンにおいては、英語を話せる人、話せない人などバラバラであり、また話せる人の中でも英語訛りやアラビア語訛りがあり、相手の意図を理解することが大変です。今まで当たり前だと感じていましたが、国民同士の意思の疎通が円滑にできることがいかに素晴らしいことか認識できました。
 南スーダンで過ごすうち、日本の良さ、恵まれた環境を改めて認識し、また同時に現地の良さについても発見することが多くなってきていています。残りの派遣期間を通して、今後も少しでも多く双方の良いところを実感していきたいと思います。


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