昭和39年、陸上自衛隊から航空自衛隊に広域防空が移管したため創立した航空自衛隊第1高射群(群司令・田中耕太1空佐)。習志野分屯基地の第1高射隊・武山分屯基地の第2高射隊・霞ヶ浦分屯基地の第3高射隊、入間基地の第4高射隊の4つの高射隊、指揮所運用隊及び整備補給隊から成り立っている第1高射群は、来年創立50周年を迎える。
8月16日19時、創立50周年に向けてのイベント第1弾である「24時間ウルトラマラソン」が入間基地にある第1高射群整備補給隊前で行われた。
今回のマラソンは、100km走り切る種目、100kmをリレーで繋ぐ種目、24時間リレーで繋ぐ種目の3種類で構成。「100kmを1人で6時間13分という記録の保持者は日本人、それよりは早くリレーで走りたい」との言葉通り『100kmリレー』は5時間53分50秒で終了。
『24時間リレー』は同じく日本人が1人で達成した24時間で303kmという記録を上回るべく、333・34kmを走った。走る距離が決まっているわけでもなく、早く走れば走る程選手たちの順番が回ってくるのが早くなる。しかし、「どうしても全力で走ってしまう…」と参加選手たち。
田中群司令はじめ各隊長ら8名は予定の24時間より早く22時間で見事『100kmマラソン』を全員揃って走り抜いた。
鎮痛剤を飲みながらの走行、途中でペースが落ちる等様々な事案を乗り越えての完走。全員で手をとり笑顔でゴール「走り切れて感無量、感動で涙が出て来る」(田中群司令)。隊員の中には目頭を押さえる者も多く見えた。出走前「クイズや様々なイベントも同時に行う。これだけの人がいないと、このイベントは出来ない。この事は今後の仕事に必ず活かされるはず」と語った群司令の言葉がずっしりと、そしてしっかりと身体に刻まれた瞬間だった。
走行者59名に対し、その他の要員が約200名。要所要所に誘導のために立つ者、給養・給水・衛生、設営・輸送・照明など、走行者以外の任務も多く「現場に入ると自然に統制がとれていった」と、素晴らしい後方支援ぶりだった。待機中の隊員もただ待機しているだけではなく、それぞれがそれぞれの任務を確実に、しかし楽しげにこなしていた。100km走り抜いた田中群司令・佐藤副司令・染野指運隊長・豊田整補隊長・加藤1高隊長・川口2高隊長・小川3高隊長・小林4高隊長ら8名の出走前とゴール後の体重増減の平均はマイナス2kg。
ゴール直後「今から打ち上げだぁ、シャワーしてくるからちょっと待ってて」と言い出しそうな群司令たちの元気さと逞しさと頼もしさ、そして何よりも「完走したよ! 見た?」オーラ。今回のウルトラマラソンは大成功なのは間違いない。「第1高射群 創立50周年行事」はまだまだ続く。 |