「水を得た魚のようだ」とは、このことをいうのか。11月2日から倉敷・マスカット球場で行われた楽天の冬季特別キャンプで、新任の大久保博元打撃コーチ(44)が、若手打者を相手に猛特訓を行い注目を集めた。
　大久保コーチといえば08年、渡辺・西武が日本一に輝いたときの打撃コーチで、いまをときめく中村・中島の豪打コンビを見事に育て上げた名コーチ。特に中村には「オレと体格が似ていた」こともあって「自分のこと以上に本気で打撃練習と取っ組んだ」仲だった。以後、中村は長距離打者として大成し、今季も48ホームランで3度目の本塁打王に輝いている。
　「大久保さんには、本当に一から長距離打者としての心構え、技術を教えられた。いまボクがあるのは大久保コーチのおかげです。来年の楽天は、山崎さんが欠けるけど、長距離打者が増え、得点力が上がるんじゃないか。怖い存在になりますね」(中村)
　楽天は今季リーグ5位のチーム打率(・245)で、得点も1試合3点(432得点)とリーグワーストに終わっている。倉敷キャンプではひとり1日1500スイングをこなしてきた。選手の手の平は、マメの上にマメが重なって、鉄平(土谷)や嶋までが「こんなに振り込んだのは初めて」(鉄平)「久々に充実した打撃練習ができた」(嶋)と、貧打線からの脱皮を狙う意気込みだ。
　それにしても選手には好かれ、首脳陣には信頼されてカブレラ(ソフトバンク)和田(中日)の抜けた西武強打線を基盤から築き直した大久保コーチは、なぜ西武を辞めざるを得なかったのか。「知人の女性を殴った」として傷害罪に問われた結果だが、大久保を知る多くの人達は「もみ合った際、手がぶつかったり、胸倉を強くつかんだように思われただけ」と証言していた。
　一部では「目立ちたがり屋で、適時打を打っただけでベンチを飛び出し、足の肉離れを起こしたり、サヨナラ本塁打の打者に抱きついて泣いたり笑ったり、言動の派手さを非難する向きもあった」というが、選手と一緒に汗を流し、喜怒哀楽を分かち合う姿に、西武・渡辺監督は「明るいムードのただようベンチを作り上げたいと思っていたので効果てき面だった」と振り返っていた。
　選手としては、84年D1指名で水戸商から西武入り、92年に巨人に移籍したが、現役11年で年間100試合以上出場はなく、自分では「2流の中くらい」といっていた。西武時代、2軍暮らしが続いた頃「1軍のナイターを家のテレビで見ていたら、息子に『パパは選手なのに、何でいまここにいるの』といわれて困ったよ」と話してくれたことがあったが、持って生まれた明るい性格で現役時代も、コーチになってからも「デーブ、デーブ(大久保のニックネーム)」と周囲から親しまれてきた。
　楽天・星野監督は、そんな大久保の性格を知り抜いた上でのコーチ招へいだろう。楽しさの中に厳しさを秘めた指導が、楽天打線をどう生まれ変わらせてくれるのか。静かに見守っていきたいと思っている。

数へ日や露天風呂にて老の愚痴　鈴木余汐
竹箒置き忘れある枯牡丹　中條弘道
煤逃げと責められもせず試歩の径　晴山雅之
故郷の家の離れに長火鉢　宮本立男
白菜を縁側に干し薪を割る　柴垣千風
ダイヤモンド婚まで生きたしと年忘　大門由利子
九十九島窓に見下ろす納め句座　馬場美雪
背を向けて札束数ふ年の市　佐藤邦子
故郷の紅鮮やかな林檎剥く　梅田清風
針供養塔釘供養塔冬ぬくし　中尾惠美子
掃く手止め僧の応へし夕紅葉　谷　勝美
団栗の落つ屋根を見てバスを待つ　村上智樹
会釈の娘思ひ出せずに日向ぼこ　東　秀文
牛舎裏野菊供へし畜魂碑　高木智念
行く年の研究棟の灯の消ゆる　宮崎　薫
冬座敷遺影の父の白寿越ゆ　山崎文子
　　　選　者　吟
年を越す構へに紅葉散り怺へ　成川雅夫
(「栃の芽」誌提供)

　Hi! How are you doing?　皆さん、いかがお過ごしでしょうか。冬ですね。気持ちも引き締まる感じがしますが、行動が鈍くなる感じもします(笑)。自衛隊音楽まつりを鑑賞させていただきました。今年も大変すばらしいパフォーマンスでしたね。被災地域への思いを込めた演奏に感動しました。被災地への支援は、これからも日本中で継続されていくことでしょうし、個人レベルでもできることを実行していきたいと思っています。一日も早い復興を祈願しています。

　さて、今回の表現は"I'll get off duty in 5 minutes"「あと5分で仕事を切り上げるよ。」です。これから、年末にかけて残業の機会も増えると思いますが、できる限り残業はしたくないものです。Get offは、次の目的語(ここでは仕事)からさっと離れることを意味します。5分といったら、5分で済ます。実際、待たされる側としては、5分といっても長く感じるものです。5分であれば、5分仕事をするのではなく、すぐに仕事を切り上げて片づけをすることが良策ですね。5分の意味を相手の身になって考えてみると、この表現を使うときにもさえが出てきます。あと5分といって、相手を待たせずにすぐに次の行動が可能になれば、楽しさも大きくなる気がします。お試しください。

　前回、「人生を豊かにしてくれるものは、人との出会いやふれあいですね。」と書きましたが、そのことを実感できることが自衛隊音楽まつりでありました。武道館で多くの人と再会できました。一言言葉を交わしただけで、あらためていろいろな意味でお世話になったことを思い出し、感謝の念がわいてきました。パフォーマンスも素晴らしかったですが、そのような心の交流もあって、一日楽しい気分でした。これから年末にかけて寒さも厳しくなってきます。くれぐれもご自愛ください。ストレスが少ない陽気で明るい生活を楽しみましょう。それでは、皆さん。See ya!
〈スワタケル〉