防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年12月1日号
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寄せ書き
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信頼関係の構築
第408会計隊久居派遣隊 3陸尉 中平友則

 若いアスリートの活躍が目立ち、人気を集め、スポーツ界を盛り上げている。
 自衛隊でも毎年多くの若者が自ら志願し、入隊し、あらゆる場で活躍している。新隊員課程を終了し部隊配属された隊員と勤務していると、能力の高さを感じることがある。数年後に陸曹となり部隊で活躍している姿を見ると頼もしく思える。
 彼らとともに厳しい任務を完遂できるよう、日々訓練の中で、時には厳しく、時には励ましながら信頼関係を築き上げ、隊員一人ひとりを大切にしている。組織はやはり「人」が基本であり、特に私たちの集団ではそうだろうと思っている。
 私たちがやっていることは、先輩方が築いてきた伝統の上にあり、将来、私たちの先輩、さらに後輩から見られるということを肝に銘じ、後輩に恥じない仕事をしないといけない。
 部下の隊員をもつ多くの者はその部下をかわいく思い、信頼して仕事を任せ、良い仕事をしてほしいと願い、全力で部下を鍛え、信頼関係を築き、一人ひとりとの関係を大事にしようと心がけて愛情を注いでいるのではないだろうか。それが隊員のモチベーションを上げる大きな要素になっているように思う。
 組織にとって最も重要なのは皆が同じ価値観を共有し、何のためらいもなく一つの目標に向かって歩んでいける信頼関係の構築ではないかと思う。

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仕事も趣味も全力
第35普通科連隊(守山) 2陸士 垣ヶ原正雄

 私は9月16日に第35普通科連隊の臨時新あし隊員教育隊における新隊員特技課程を修了し、本部管理中隊へ配置されました。訓練や生活環境が大きく変わり、慣れない日々が続いていますが、先輩たちからのアドバイスの下、一日も早く部隊の戦力となるべく努力している毎日です。
 私は新隊員教育隊所属のころ、区隊長からとても印象に残る言葉をいただきました。それは「訓練も遊びも全力で取り組め」というものです。当初は「遊びを全力でやろうにも時間がないな」と思いながら聞いていました。暑さが日ごとに増し、訓練も厳しくなる中で、私は何度も心が折れそうになりました。また休日は体力の回復に努めようと居室で寝てばかりいました。そして月曜日からの訓練を考えるとさらに憂鬱な気持ちになっていました。そのようなとき、ふと以前区隊長が話されていた言葉を思い出しました。「訓練も遊びも全力で取り組め」。
 それからの私は休日には洗濯や靴磨きを早めに済ませて、学生時代からの趣味であったケーキ作りを再開するため、料理教室に通い始めました。料理教室に行き始めた頃は、疲れた体を引きずりながら「頑張って行っている」といった感じでしたが2、3回通っているうちに週末がどんどん楽しみになり、同時に日々の訓練にもより集中して取り組めるようになりました。
 訓練はうまくいくことばかりではなく、失敗することもたくさんあります。しかしながら、一度や二度の失敗でくよくよすることなく一生懸命訓練に励みたいと思います。一方で週末、趣味であるケーキ作りを今後とも継続することにより、心身ともにリフレッシュして仕事に打ち込める、そんな良い流れを作って行きたいと思います。

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ダンボール船交流
第7普通科連隊(福知山) 3陸曹 丸小烈史

 私はこのほど、京都府宮津市で行われた「宮津キャッスルハッスルダンボール船レース」に参加しました。
 宮津市は我ら7普連1中隊の警備隊区であり、地域の行事に積極的に参加し、より交流を深めるため、昨年から参加しています。しかし上位入賞できなかったので、その悔しさを胸に「今年こそリベンジするぞ」という強い気持ちで臨みました。
 今回用意した船は、特に水面に接する底の設計に力を入れました。作成は私を長とし陸士隊員9名が課業外に集まり3日間で完成させ、小隊の団結にもつながりました。
 大会当日の会場の雰囲気は昨年以上の盛り上がりで、地元ばかりでなく遠方からのギャラリーで大変な賑わいでした。
 いざレースが始まると風の影響か、沈没する船が続出しました。我ら7普連1中隊は5隻エントリーし、うち2隻が沈むという結果でした。しかし、それぞれの操縦手は懸命に船を漕ぎました。昨年の成績を抜くことはできませんでしたが、十分に地元の方々との交流が図れ、大会の盛り上がりに貢献できたことは本当に良かったと思います。
 来年もまた出場し、次こそ上位入賞、そして警備隊区である宮津市を盛り上げるお手伝いができたらいいと思います。
 東日本大震災の影響などにより世の中が暗くなりがちですが、少しでも多くの人々に元気や勇気、安心を届けられるよう頑張っていきたいと思います。

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自然災害に備える
予備3陸曹 蔵盛永秀 (沖縄地本投稿)

 私は3月に起きた東日本大震災における自衛隊の活動を見て、今後も起こりうる自然災害などに対して予備自衛官という立場で少しでも役に立ちたいと思い、また沖縄県総合防災訓練が地元、石垣島での開催ということで、今回の予備自衛官招集訓練に参加いたしました。
 今回の防災訓練の内容は東日本大震災の教訓もあってか、より実戦的な訓練内容になっており、私たち予備自衛官も倒壊家屋などでの被災者捜索、道路の瓦礫撤去・確保、患者搬送や被災者誘導、天幕設営などの任務がありました。
 私は先遣隊の捜索班として高機動車に乗車し、災害現場まで輸送ヘリコプターで空輸され、現場に着いて倒壊家屋の被災者捜索をしながら、要救助者の有無を標記する担当でした。訓練を行っていく中で実際の場面に遭遇したときは「本当に訓練どおりできるのだろうか」「被災者と対面したときにパニックにならないだろうか」など、頭の中を色々なことが交錯しつつも、自然と掛け声も大きくなり、私だけでなく、ほかの隊員たちも真剣になっていたのが印象的でした。
 また、管理面においても現職の自衛官と一緒に宿営(市の室内競技場)し、いままでにはないコミュニケーションがとれました。特に所属した分隊の若い隊員の方々との交流は良い思い出であり、大変有意義な5日間の訓練を無事終えることができました。
 今回の訓練を機に再度予備自衛官としての自覚を持ち、今後も招集訓練に積極的に参加したいと決意を新たにしました。
 最後に、第51普通科連隊第3中隊長をはじめ連隊本部、第3中隊、沖縄地本の皆様、誠にありがとうございました。

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熊本の大祭に思う
第42普通科連隊(北熊本) 3陸尉 黒須幸敏

 今回、藤崎八旛宮例大祭に参加させていただき、私なりに感じたことを述べさせていただこうと思う。県外出身者の私から見ると藤崎宮例大祭に限らず、熊本の大きな祭りには参加型の祭りが多いように感じる。
 参加型と書いたが要は見物人でいては面白みに欠け、自身が参加して初めてその祭りに触れられるというものである。
 古来より我が国の人々はこの日本列島の特異な自然環境の下、ときにその恵に浴し、ときに災害に耐え忍びながら生きてきた。そこには神ないし人智の及ばぬものを感じ、それを畏怖し、敬ってきた。そこにこそ祭りの起源があり、また本来において祭りとは参加するものであるといえる。ゆえに熊本の祭りは祭り本来の形を残していると言えるのではないだろうか。
 縁日を見て回る祭りも確かに捨てがたいが、藤崎八旛宮例大祭にはそれとはまるで違うものを感じた。誰もが精も根も尽き果てんばかりに飛び跳ね、声を嗄らしながら練り歩く様はシャーマニズムにすら通じるところがあるようだ。そこには人々の生きる熱意に似たものが、連綿と続く歴史の本流の中で輝いているように感じた。

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新しい命のために
第9施設大隊(八戸) 陸士長 千葉恭平

 自分は今年の夏に婚約いたしました。
 この歳で結婚するとは自分でも思っていませんでした。婚約理由は妻のお腹に子供ができたことがきっかけでした。婚約前は妻は専門学生でした。「産みたい」と言われ、否定できませんでした。自分には責任があるし、妻の意志も強く、婚約を決意しました。
 自分はまだ階級が陸士長で少し不安もありましたが、妻と子供のためにも自衛官として子供の父親として頑張って家族を養っていきたいと思います。そして勉強し陸曹となり、大隊や中隊の戦力として頑張っていくために、今後も努力していきたいと思います。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
合銀ビジネスサービス 釜田兼佳
意思の疎通・団結力が抜群
釜田氏は平成20年8月、鳥取地方協力本部援護課を3陸佐で定年退職。57歳

 雇用情勢未だ厳しく、超就職氷河期とも言われるなか、平成22年8月に鳥取地方協力本部援護課を最後に定年退職いたしました。その間、諸先輩の勤務ぶりに畏敬の念を抱きつつ隊員の就職援護に携わりました。現在、合銀ビジネスサービス株式会社に採用され、自宅から通勤できる環境に感謝しています。
 弊社は、平成22年に創立30周年を迎え、毎年、山陰全事業所に多くの自衛隊定年退職者を採用しております。規律正しく、健康で前向きな元自衛官の勤務態度は、信頼も高く、雇用状況の低迷する昨今、採用に結びつく大きな要因であろうと推察します。
 弊社では、安全・確実な貴重品の運搬警備業務及びATM(現金自動預払機)の保守業務、また、メール配送業務等の多様な業務を、限られた人員、隊力をもって、月間勤務表に基づき勤務しています。当初は、百数十店舗の警備システムの把握及びお得意先の集金業務における運行経路、貴重品授受場所等、習熟すべき事も多く、思い込みによるミスの生起や、戸惑いばかりでした。しかし、時が経つにつれ、過去経験した業務も多くなり、不安や心配も徐々にではありますが解消されつつあります。
 また、弊社のモットーとして一、あらゆる基本動作はABC(当たり前の事を馬鹿みたいにちゃんとやる。)二、明るく元気な挨拶と傾聴に徹する。(一層、風通しの良い気軽に相談できる社風)等、呈示されていますが、「ムダ・ムリ・ムラ」の無い「安全・確実」な業務は、業務上の事故が許されない自衛隊にも共通する事項だと思います。幸い私の同僚は、自衛隊出身者で占められ、意思の疎通・団結力が抜群であり、共通の話題も多く、日々、一寸した会話に心和むものがあります。
 今後、定年退職される隊員に長期勤務の秘訣を一言申し述べるならば、楽しく仕事ができる(自分でその様に持って行く努力をする。)ことであろうと思います。また、定期健康診断、人間ドックなど積極的に健康管理を万全にする事も必須の要件です。自衛隊で培った明朗闊達、積極進取の経験は、必ずや第二の人生に貢献、寄与できるものと確信します。最後に、これから再就職される皆さんに、心からエールを送ります。


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