10月1日、市ヶ谷の防衛省共済組合本省支部直営食堂でTFT(テーブル・フォー・ツー=2人の食卓)メニューが開始された。TFTとは、先進国で増えている肥満や生活習慣病を予防するため社員食堂などで栄養バランスに優れたメニューを提供し、その料金に開発途上国(ウガンダ、ルワンダ、マラウイの3カ国)の学校給食1食分(20円)を上乗せし、その20円分を寄付するもの。1人分の食事で寄付者自身と開発途上国の子供とが食卓につけることから、それが運動の名称となった。本省支部のほかにも参議院や外務省、一部の自治体、大手企業など多くの組織や企業が参加している。
12時近くなり食堂に人影が見え始めると、用意された寄付金付定食(TFTメニュー)の前にすぐさま人だかりができた。メニューは定食コーナーとどんぶりコーナーからそれぞれ1種類ずつ、計2品が日替わりで提供される(税込各500円)。多品目摂取を目的に品数を増やし、見た目にも彩りよく、栄養バランスはもちろん、地元特産品を使うなど、素材にもこだわっている。寄付金付定食は平均で1日約300食出ており、全体の13%を占めている。食べる事が大好きな記者も早速注文してみた。味はもちろん、ヘルシーメニューでありながら量も申し分なく、今後もぜひ食べ続けていきたいと思う食事だった。
中島義則本省支部長は「『TFT』を導入した背景として、まず、組合員の方々の生活習慣病、特にメタボリック・シンドロームを予防する上で、健康に資する食事を直営食堂で提供する必要がある。また、国際的にもアフリカ政策が重要課題の1つであり、現在もアフリカでは満足な食事を摂れない子供たちが大勢いる。我々も先進国の一員として、この現状の改善に少しでも貢献できたら、と考え寄付金付定食を開始した」と話してくれた。
また、共済組合直営のホテルグランドヒル市ヶ谷でも、地下1階和風レストラン「ふじ」でTFTメニュー「鮪たたき丼」(税込950円。うち20円が寄付金)が開始され、訪れた人から注文が入るなど関心を寄せていた。会館に赴いた際には、是非利用してみてはいかがだろうか。
組合員の健康保持と開発途上国の子供たちの飢餓救済を同時に図れる試みで、その効果が期待される。 |