夏休みを迎えた子供たちを対象に、全国の駐屯地などでは自衛隊と交流を深める様々なイベントが催された。防衛省では大臣にも会えた市ヶ谷台探検ツアーが行われ、その他にもちびっ子ヤング大会や防災キャンプなど、広報が主催又は支援して行った行事で夏休みの思い出作りに一役を買った。
文部科学省が主体となって行われる「子ども霞が関見学デー」の一環として、防衛省では8月20、21の両日に平成20年度「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー」を実施した。 「子ども霞が関見学デー」は、27府省庁等が職場見学や各機関に合わせたイベントを催し、夏休み中の子供たちに社会の一端を知ってもらおうと毎年行われているもの。防衛省では、展示物の見学や手旗信号の体験などのほか、今年は大臣、副大臣との懇談の機会が設けられた。 ツアーには2日間で父兄らを含む194人が参加。はじめに防衛講座から始まり、防衛省・自衛隊の役割について説明するビデオが放映された。小学生でも分かりやすいようにアニメーションとゲーム要素をとり入れた作りで、国防や国際貢献、災害派遣などの活動について子供たちは楽しく学んでいた。続いて屋外に展示されている多用途ヘリコプターを見学したあと、大臣室を訪問。20日には北村副大臣、21日は林大臣との懇談が行われた。林大臣と対面した子供たちからは様々な質問が寄せられた。「どうやったらそんなに偉くなれますか?」という質問に対して、林大臣は「小学生の時にお母さんから一日に30分でも1時間でも机に座って予習・復習するようにガミガミ言われました。それで癖をつけて小学校5、6年の時には自分でちゃんと予習・復習する癖がつきました」と自らの経験を述べるとともに、学生時代にバンドで音楽活動をやっていたことに触れ、「自分がやっていて楽しいこと、これがあると気分転換になります。気分転換をして、机に向かってやる気を持って自分から進んで集中的にやる。あとはダラダラやらずに遊ぶときは遊ぶ。勉強するときは勉強する。そういう風に頑張ってください」と子供たちにアドバイスを送った。自衛官の兄を持つ小4男子生徒は、大臣の印象について「優しい人だった」と嬉しそうに話した。 その後は広報展示室見学で先進装具システム等の体験装着や食事体験、手旗信号体験、儀仗見学など、興味を引くプログラムが続いた。20日の儀仗見学では、インド海軍参謀長が海幕長招待で防衛省を訪問したことに伴い、実際に本物の特別儀仗を見る機会があった。当初、建物内からの見学の予定だったが、赤星海幕長の好意で目の前で見学できることになり、参加者たちは貴重な機会だと興奮気味に見入っていた。そしてツアーの締めくくりは装備品展示。トラックなど車両に乗り込んだり、隊員と一緒に記念撮影をしたりして、子供たちは最後までイベントを満喫していた。 親子がふれあいながら社会を学ぶ目的で行われる「子ども霞が関見学デー」。防衛省のツアーでは、隊員との交流も深められ、子供たちにとって特別な一日になったようだ。
函館駐屯地の第28普通科連隊(連隊長・田邊政文1陸佐)は8月9日、北斗市のきじびき高原キャンプ場で行われた「ちびっ子防災キャンプ」を支援した。 これは北斗市教育委員会とロータリークラブが、夏休みを利用した教育の一環として開催したもので、北斗市内の小学5、6年生35人が参加した。 当初、救急法として止血法や骨折時の手足の固定などを衛生隊員が教育し、ロープ訓練では応援に来ていた同市隊友会会員らとともに急斜面の降り方などを指導した。その後、野外炊事車を使った調理を研修した。子供たちは災害時に役に立つ技術を身につけようと真剣に隊員たちの指導を受けていた。