防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年9月1日号
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子供対象に体験学習
〜楽しいイベントに大満足〜
夏休みの思いで作りに一役
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 夏休みを迎えた子供たちを対象に、全国の駐屯地などでは自衛隊と交流を深める様々なイベントが催された。防衛省では大臣にも会えた市ヶ谷台探検ツアーが行われ、その他にもちびっ子ヤング大会や防災キャンプなど、広報が主催又は支援して行った行事で夏休みの思い出作りに一役を買った。


市ヶ谷台探検ツアー
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 文部科学省が主体となって行われる「子ども霞が関見学デー」の一環として、防衛省では8月20、21の両日に平成20年度「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー」を実施した。
 「子ども霞が関見学デー」は、27府省庁等が職場見学や各機関に合わせたイベントを催し、夏休み中の子供たちに社会の一端を知ってもらおうと毎年行われているもの。防衛省では、展示物の見学や手旗信号の体験などのほか、今年は大臣、副大臣との懇談の機会が設けられた。
 ツアーには2日間で父兄らを含む194人が参加。はじめに防衛講座から始まり、防衛省・自衛隊の役割について説明するビデオが放映された。小学生でも分かりやすいようにアニメーションとゲーム要素をとり入れた作りで、国防や国際貢献、災害派遣などの活動について子供たちは楽しく学んでいた。続いて屋外に展示されている多用途ヘリコプターを見学したあと、大臣室を訪問。20日には北村副大臣、21日は林大臣との懇談が行われた。林大臣と対面した子供たちからは様々な質問が寄せられた。「どうやったらそんなに偉くなれますか?」という質問に対して、林大臣は「小学生の時にお母さんから一日に30分でも1時間でも机に座って予習・復習するようにガミガミ言われました。それで癖をつけて小学校5、6年の時には自分でちゃんと予習・復習する癖がつきました」と自らの経験を述べるとともに、学生時代にバンドで音楽活動をやっていたことに触れ、「自分がやっていて楽しいこと、これがあると気分転換になります。気分転換をして、机に向かってやる気を持って自分から進んで集中的にやる。あとはダラダラやらずに遊ぶときは遊ぶ。勉強するときは勉強する。そういう風に頑張ってください」と子供たちにアドバイスを送った。自衛官の兄を持つ小4男子生徒は、大臣の印象について「優しい人だった」と嬉しそうに話した。
 その後は広報展示室見学で先進装具システム等の体験装着や食事体験、手旗信号体験、儀仗見学など、興味を引くプログラムが続いた。20日の儀仗見学では、インド海軍参謀長が海幕長招待で防衛省を訪問したことに伴い、実際に本物の特別儀仗を見る機会があった。当初、建物内からの見学の予定だったが、赤星海幕長の好意で目の前で見学できることになり、参加者たちは貴重な機会だと興奮気味に見入っていた。そしてツアーの締めくくりは装備品展示。トラックなど車両に乗り込んだり、隊員と一緒に記念撮影をしたりして、子供たちは最後までイベントを満喫していた。
 親子がふれあいながら社会を学ぶ目的で行われる「子ども霞が関見学デー」。防衛省のツアーでは、隊員との交流も深められ、子供たちにとって特別な一日になったようだ。


天幕設営も経験
《神町駐屯地》
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 神町駐屯地(司令・南安広陸将補)は8月8、9の両日、1泊2日で自衛隊に親しんでもらおうと小学生を対象とした「夏休み子どもキャンプin神町自衛隊」を実施した。
 当日は朝から30度を超す真夏日のなか、午前中は自分たちが寝泊りする野外天幕を慣れない手つきで自衛官に教わりながら展帳。午後は、LAV、パジェロ、CCVの体験搭乗、装備品展示・試着などが行われ、子供たちは暑さに負けることなく工夫を凝らしたイベントを楽しんだ。夜はキャンプファイヤーや花火などで楽しみ、終了後は自分たちが設営したテントに泊まった。
 参加した子供たちは、「また参加したい」「自衛隊のことをもっと知りたい」など広報効果の上がったイベントとなった。

元気いっぱいのちびっ子ヤング大会
《大村駐屯地》
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 大村駐屯地の第16普通科連隊(連隊長・河井繁樹1陸佐)では7月26、27の両日、大村駐屯地と植松訓練場を使用して、夏休み中の小中学生約250人を対象にちびっ子ヤング大会を開催した。今年は去年と比べ約2倍のちびっ子たちが駐屯地に集まった。初日は担当中隊の重迫撃砲中隊隊員が展示・説明、午後からは衛生教育、自衛隊車両の体験試乗、ロープ橋を渡るレンジャー体験、コンパス訓練などを行った。
 レンジャー体験では、幼い子供も隊員の補助のもと高学年のお兄ちゃんたちに負けないように最後までロープを渡っていった。衛生教育では、衛生小隊の隊員により、紙芝居でユーモアを交えた教育が行われ、心肺蘇生法などについて学んだ。その他、自衛隊車両の体験試乗、コンパス訓練など子供たちは笑顔でプログラムをこなしていった。
 夕食時には、16普連音楽部が演奏、子供たちや父兄から拍手喝采を受けていた。続いて駐屯地隣の植松訓練場で、スイカ割りやキャンプファイヤー、花火が行われた。辺り一面明るく賑やかな雰囲気で子供たちは昼間の疲れも忘れ元気に楽しんでいた。
 イベントを終えた子供たちからは、来年も参加したいとの声が多く、16普連広報では、将来この中から自衛官が誕生して欲しいとしている。

野外学習を中心に色々な実習に挑む
《宇都宮駐屯地》
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 宇都宮駐屯地(司令・三宅優1陸佐)は7月24、25の両日、駐屯地周辺の小中学校の生徒30人を招き、ちびっ子ヤング大会を実施した。
 この大会は、子供たちに自衛隊や防衛問題への関心を持たせ、将来の防衛基盤の育成を図ることを目的に行われた。第6地対艦ミサイル連隊が担任し、基本行動、地図の見方、救急法、装備品見学、ロープワーク、天幕設営、暗視眼鏡体験、オリエンテーリングなど野外での体験学習を重点にプログラムが組まれた。
 参加した生徒たちは、部隊で見るもの聞くもの全てが初めての体験で、隊員の説明に目を輝かせながら聞き入っていた。基本行動やロープワーク等の実習では、できるまで何度もトライしてみるなど、終始熱心に取り組んでいた。今回一番の人気課目となった夜間の暗視眼鏡体験では、暗闇の中で鮮明に映し出された光景に、驚きの歓声を上げていた。
 大会を終え、子供たちから「新しい友達が出来て嬉しかった」「役に立つことがたくさんあった」「来年もまた行きたい」などの感想が聞かれるなどイベントは大好評。隊員への親近感を深めると同時に、父母らの自衛隊・防衛問題の理解を図るなど、自衛隊と地域社会との絆をいっそう深める内容となった。

部隊を見学
《国分駐屯地》
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 国分駐屯地(司令・岩村公史1陸佐)は7月31日、鹿児島県鹿児島市にある母子生活施設第二千草寮の子供たち10人の部隊見学支援を行った。
 子供たちは夏休みを利用して駐屯地見学に訪れた。駐屯地記念館では、旧軍の資料や遺品を見学し、特に自衛隊の車両等の写真を見て、隊員に「かっこいい。この車はいつ乗るの?」など興味を示していた。
 隊員食堂での食事を終え、午後からは戦車・ヘリを見学。「僕もこんな大きなヘリコプターに乗りたいな。大きくなったらパイロットになりたいんだ」と広報隊員に話しかける場面も見られた。短時間の自衛隊見学だったが、子供たちも夏休みの思い出ができたと喜んで帰っていった。

防災キャンプを支援
《函館駐屯地》
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 函館駐屯地の第28普通科連隊(連隊長・田邊政文1陸佐)は8月9日、北斗市のきじびき高原キャンプ場で行われた「ちびっ子防災キャンプ」を支援した。
 これは北斗市教育委員会とロータリークラブが、夏休みを利用した教育の一環として開催したもので、北斗市内の小学5、6年生35人が参加した。
 当初、救急法として止血法や骨折時の手足の固定などを衛生隊員が教育し、ロープ訓練では応援に来ていた同市隊友会会員らとともに急斜面の降り方などを指導した。その後、野外炊事車を使った調理を研修した。子供たちは災害時に役に立つ技術を身につけようと真剣に隊員たちの指導を受けていた。


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