陸上自衛隊と九州所在県警の共同実動訓練が行われ、第4師団は長崎、佐賀、大分各県警と、第8師団は熊本、宮崎、鹿児島各県警とそれぞれ相互の任務分担・連携要領確立を図った。訓練は部隊輸送、検問、重要防護施設の警備などを課目として、各県の警察とその県に所在する普通科部隊が共同して行った。
第4師団(師団長・宮島俊信陸将)は2月13日、大村駐屯地で自衛隊・警察両機関から約300人が参加し、長崎、佐賀及び大分各県警察との共同実動訓練を実施した。訓練には、第16普通科連隊、第41普通科連隊、第4特科連隊が各県警との共同実動部隊として、第4飛行隊及び西部方面航空隊が航空支援班として参加した。
開始式では、宮島第4師団長が両機関を代表し、「武装工作員等により、国民の安全が脅かされる事態が発生した場合、被害を最小限に抑え、早期に事態を収拾し、国民の安全を守ることが警察及び自衛隊の任務である。迅速的確に共同対処し得るよう任務分担・連携要領を明確にし、平素から訓練を積み重ね、実行性を確保しておくことが重要である」と挨拶するとともに、両機関に対し、「相互の任務・役割・能力の理解」「法令・規則に基づき、持てる能力の最大限発揮」を要望した。また、緊急部隊輸送における警察の先導による検問地域への部隊移動及び多くの離島を有する長崎県の特性を踏まえた自衛隊ヘリによる警察の増援部隊輸送の様子が報道機関に公開された。
第8師団(師団長・君塚栄治陸将)は2月19日、熊本、宮崎、鹿児島の3県警察との初の共同実動訓練を実施した。自衛隊側統裁官を第8師団長、警察側統裁官を熊本県警察本部長とし、第42普通科連隊、第43普通科連隊、第12普通科連隊から約200人が、3県警察からは機動隊を中心に約230人が参加した。
航空輸送では、UH-1ヘリ2機により、自衛隊及び機動隊隊員がリペリングで降下し、地域安全を確保後、CH-47ヘリに搭乗した警察のオフロードバイクと機動隊隊員が降着、偵察・警戒にあたった。陸上輸送訓練では、警察の白バイとパトカーの先導で自衛隊車両の先導及び一般車両の統制を行った。 |