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   2004年3月15日号
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得意のフットワークで
キメ細かい援護めざす
東京都自衛隊退職予定隊員就職連絡会議
「景気回復の兆しがある」といわれても、実感は伴わず。まだまだ厳しい就職雇用情勢に、退職自衛官はどう立ち向かうか。援護官はどうサポートするか。2月25日、防衛庁内で行われた「東京都自衛隊退職予定隊員就職連絡会議」に集まった近隣部隊援護担当官は、できる限りキメ細かい就職援護を目指し、最新のデータ資料を分析、奮闘していた。同日の午後には「首都圏中枢地域援護担当者会同」と「3自衛隊援護担当者会同」が開かれ、雇用情勢の共通認識を深める一日となった。

 景気は設備投資と輸出に支えられ着実に回復し、失業率は減って有効求人倍率は上昇──。ポジティブな数値を、どう受け止めるべきか。
 午前の連絡会議には、各駐屯地の援護担当官が開始前から集まり、交流を図った。会議は東京地連援護課小野寺稔総括係長の司会で手際よく進められ、約40名の援護担当者を前に、まずは東京地連・澤田昭二副部長が挨拶した。

【二つの“ケア”】
 澤田副部長は挨拶の中で、「平成13年から地域援護センターが開設し、幅広い援護態勢が敷かれ、ほぼ全員が再就職できたことは、地連として一定の評価ができるものと信じる。引き続き『退職隊員のために』をモットーとし、全員で汗をかきながら得意の足で就職援護に取り組み、駐屯地と連携の取れた援護を行いたい」と述べた。
 都内の大規模な求人数に対する期待感については「求人は多いが同時に求職も多く、東京にはメリットもデメリットもある」とし、また一方で「退職隊員のケアは本当にできているか」、退職隊員の健康面、職能教育面、「2つのケア」の重要性を訴えるとともに、「求人情勢への共通認識を持つことで、会議の成果が得られると思う」と述べた。

【ホントに回復?】
 続いて挨拶に立った東京労働局職業安定部の中泊弘光氏が、厚生労働省の1月の月例経済報告を踏まえて、東京の雇用情勢についてアドバイスした。
 「景気は輸出に支えられ、回復の兆しがある。雇用情勢も全国の完全失業率は昨年12月で4.9パーセントと2年6ヶ月ぶりに4パーセント台に好転した。失業者数も7ヵ月連続で減少している」しかし「着実に回復してはいるものの、依然として雇用情勢は厳しい」とシビアな見解を述べ、ハローワークの取り組みや、インターネットによる検索、面接予約システムを紹介。雇用目標数値など説明するとともに、対応や活動状況を概論した。

【三つの“ミスマッチ”】
 再就職情勢の難点を中泊氏は「三つのミスマッチ」で説明した。実際に求人はあるが「応募できないという状況」が問題だという。
 第1に「好き嫌い」。能力と好みのミスマッチをあげる。同じ事務職でもコンピュータのスキルがあるかどうかが重視される点。また現状では特に若年者の経験と能力が「好み」に適わない点を付け加えた。
 第2のミスマッチに「年齢」をあげる。能力があっても中高年再就職者にはこれがネックとなる。
 最後に、派遣社員・請負の増加が、充足率や労働条件を不明確にし、これが第3のミスマッチとなることを紹介した。
 地連や援護協会はじめ関係機関と連携を図り、「1人でも多く、1日でも早く就職できるようにしたい」と述べた。

【キメ細かい援護をめざす】
 援護協力会東京支部小島課長は「2つのケア」の問題を踏まえ、「民間の企業に自衛官の就職援護をお願いするというプランもあるが、何十年も国に尽くした人達に、やはりキメ細かい援護をしたい」と抱負を述べた。
 続いて労働局職業安定部と立川公共職安から、都内の雇用情勢に関して資料解説が行われ、また東京地連援護課からは都内の援護業務概況の説明があり、いかにキメ細かい援護をするか、参加援護官はデータを真剣に見て現状把握と分析に努めていた。
 同日の午後には「首都圏中枢地域援護担当者会同」と「3自衛隊援護担当者会同」が行われ、担当官たちは終日、援護推進に尽力した。


BASE訓練を実施
ガス状況付与でマスク装着
<東部方面総監部>
 東部方面総監部、朝霞駐屯地で2月27日、総監部付隊の約100名がBASE課目の徒歩行進と特殊武器防護訓練を実施した。各人の動作を評価判定するとともに「隊員の基礎的戦闘能力」の維持・向上、体力・気力の充実を図った。
 儀仗広場で隊長・柴田直明3陸佐が行進命令を下達。行進縦隊になり準備を整えて出発した。柴田隊長を先頭に、以下全隊員が続いた。
 特殊武器防護訓練では防護マスクを使用。行進の間に各隊に対してガス状況付与によるマスクの装着訓練が実施された。今後のBASE訓練予定は5月下旬、関山演習場で歩哨外哨や斥候などを実施する。
(写真提供:東部方面総監部広報室)

厳しい再就職への道
青森地連進路設計相談員
畠山和夫
【1 はじめに】
 財団法人自衛隊援護協会から進路設計相談員として青森駐屯地に配置されたのは平成13年4月1日でした。3年間の勤務を終え平成16年3月31日に定年退職予定です。日頃私が業務を通じて感じている事を紹介します。少しでも定年退職予定者や任期制隊員の再就職の参考になれば幸いに思います。

【2 民間企業の実態】
 最近の我が国の経済状態はどうだろうか。企業倒産、リストラによる解雇等全般的にはデフレ経済の環境下にあり長引く不況からなかなか脱却できない状況であります。企業は企業の存続を維持するために、常用雇用を削減するなどの合理化に努めております。その中で、現在は自衛隊退職予定者の多数期に入っており、再就職を希望する自衛官にはまさに厳しい状況であります。このような厳しい環境での再就職は、退職予定自衛官自身の更なる意識改革が必要であろうと考えます。

【3 意識改革】
 人生80年という時代に突入してきました。自衛官の場合は54歳から定年を迎えますが、定年は人生の一通過点と考え、第2の人生の始まりと思っては如何でしょうか。中には「第2の人生だから楽な仕事はないか」「女房が働いているので週3日位の仕事がしたい」等々甘い考えを持っている定年退職予定者がおりますが、この考えは払拭していただきたい。このように勤務意欲のない人を企業は求めておりません。今各企業の求めている人材とは、真に企業の利益向上に役立つ人間のみという事を真剣に知ってほしい。

【4 各部隊へのお願い】
 (1) 任期制隊員に対する親身な就職指導
 任期制隊員においては、曹候合格は非常に厳しく大半は社会に出ていかなければなりませんが、多くの任期制隊員は曹候に合格し自衛隊で生活したいというのが本音です。退職予定隊員には、個人の幸福を考え是非公的資格を取得する機会を与えてほしい。特別な資格技能を有している人はどうしても再就職には有利です。
 (2)健康管理について
 定年退職予定者において、入社試験時生活習慣病等により不採用になった隊員もおります。現職中にしっかりと治療し、定年直前になって慌てないようにしましよう。
 (3)援護センターへの訪問
 援護センターでは、毎週職業安定所から新求人情報を収集し、いつでも閲覧できるようになっておりますので援護担当者等気軽に訪問し、援護センターとの意思疎通に努めてはどうでしょうか。この事により企業の賃金や雇用情勢の厳しさがわかり定年退職予定者等に対する教育にも大いに役立つと思います。

【5 おわりに】
 以上、私の日頃感じている事を抽象的に記述しましたが、少しでも参考になれば進路設計相談員として、また自衛隊OBとしてこのうえない幸せです。最後に厳しい再就職への道ではありますが、1人でも多くの退職自衛官が安定した企業に就職できるよう切に望むものであります。


『自衛隊定年退職の参考 家族のために』
社会保険労務士 鈴木龍生
 「先輩の定年退職後の生活は、すでにあなた方のモデルではありません」「大事な人生の転機に必要な情報を提供しないのは重大な欠落を見過ごすことになる」──
 自衛隊OBに役立つ冊子の著者・鈴木龍生氏が、このたび現役自衛官と家族を対象とした新作を執筆した。「何となくわからない」定年後の疑問に具体的・精密に答える。「年金不安つのる今、これまでの経験を結集し、老後の準備期間に役立つ本を書いた」という。
 自衛隊生活で培った経験はどのように役立つか。また気をつけるべき点とは。隊員に自己決定を促し、家族のために未来の選択肢を示すのがねらい。知っておくと得をする制度や仕組みを解説し、老後生活の各種テクニックも紹介する。実質・実用のぎっちり詰まった生活マニュアルだ。
 データ満載、詳細無比の“ルールブック”。老後どうすればいいのか困ったときの参考書として、これ一冊が手元にあれば心強い。(800円)

【著者】社会保険労務士・鈴木龍生。防大1期生で、C−1、C−130のパイロットなどを経て、昭和63年、輸送航空団司令(空将補)を最後に定年退職。島津製作所に勤務しながら社会保険労務士の資格を取得。平成8年同社を退職し、事務所を開設。平成10年に行政書士、ファイナンシャルプランナーの試験にも合格し、現在は主に就業規則、退職金、年金、生命保険の診断、外国人在留資格、永住、帰化、相続、遺言、などの業務に携わる。著書に「ファイター・パイロット」(昭和53年・航空新聞社刊)
▽自衛隊OBシリーズ
自衛隊OBのための社会保険の利用法(800円)、自衛隊OBのための再定年の参考(500円)、自衛隊OBのための就業規則ガイドブック(700円)
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奥様のための遺族年金参考(900円)
60歳台の老齢年金 部分年金繰上げの参考(900円)
▽申し込み
〒183−0032 府中市本宿町1−30−1−104 鈴木龍生事務所
рO42−358−5505 FAX042−358−5506

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