「第1師団、練馬駐屯地のみなさま。インターンシップを受け入れていただき誠にありがとうございました」−−。練馬駐屯地で実施された高校生の体験入隊「インターンシップ」が好評だ。
わずか2日間の体験入隊で生徒達に「一本筋が通った」。自分の行動に責任を持つことを知った生徒たちは、今後の学校生活によい成果が期待できる。参加校の進路指導部主任からは喜びの声が届いた。
生徒からも前向きな感想が寄せられた。自衛隊は体力・精神力が必要だと知り「自分の甘えや、だらしなさを自覚した」。また、できないと思っていることも「基本をしっかり学び、勇気を出せば達成できることを始めて学んだ」「自信がでてきた」など。送られた礼状には、教師と生徒達のこんな言葉があふれていた。
今回インターンシップに参加した東京都立練馬工業高校からは、次年度も是非にと協力要請があり、また「入隊希望者には採用支援を」と、成果は体験学習にとどまらない。
『宮園2曹さんへ広報班の方々へ』
職業人として果たさなければならない責務を学ぶことができた−−。生徒たちの礼状を原文で紹介する。
(機械科2年2組 石橋修)自衛隊のみなさま方へ。先日は大変お世話になり、ありがとうございます。自衛隊に行って、自分の人生の中で1番の経験になりました。今は「自衛隊に入れ」と言われても「入るかどうか」悩みますが、もし入隊する機会があるときは、宜しくお願いします。
(電子機械科2年1組 石塚昌弘)今回は、お忙しい中お世話になりました。インターンシップで駐屯地に行くことが決まり、期待と不安で少し心配でした。正門の所で宮園さんにお会いし指導して頂く中で徐々に緊張が解かれていきました。
最初は体力測定をしても自分の体力のなさを痛感し、情けない気持ちになったこともありましたが、体を動かした後の美味しい食事や、隊員の方との交流の中で、様々なことを知ることができました。またロープ訓練は、特に忘れることができない訓練のひとつでした。
練馬駐屯地の生活を通して大変貴重な体験をさせていただくことができ、積極的に取り組むことの大切さを学ぶことができました。この経験は、これからの生活に活かして行きたいと思います。本当にありがとうございました。これからもお仕事頑張ってください。
(電子機械科2年1組 佐野健)今回、体験入隊を受け入れてくださり、誠に有難うございました。初日、宮園2曹と始めてお会いしたときは、とても緊張していて、その時は自衛官の皆さんは遠くの存在に思えていましたが、実際はやはり普通の方で、寧ろとても良い人だと分ったとたん、今までの自分の勘違い・思い込みがとても恥ずかしく感じました。
僕らの担当をしてくださったどの隊員の方も、とても熱心に指導してくださって、とても良い経験をする事が出来ました。今回の体験は一生忘れる事が出来ないと思います。この忘れられない体験を少しでも自分の今後に活かせるよう、努力したいと思います。陸上自衛隊の皆さん、これからも頑張ってください。
(電子機械科2年1組 北條和之)今回のインターンシップでは、大変お世話になりました。2日という短い期間ではありましたが、教えてもらったことは将来、何らかの役に立つと思います。
今でこそ言えますが、高いところがダメだったのでロープ訓練の時は本当に死ぬかと思いました。しかし、あのロープ訓練を体験したことによって、ある程度の高さでは動じなくなりました。今回のことで、人間として一回りぐらいは大きくなれたと感じます。自分もあと1年ぐらいで卒業するので、進学するにしても就職するにしてもこのインターンシップの経験を活かしていきたいです。
降下訓練で気合い
人命救助訓練、体力測定、結束およびロープ訓練、安全指導からロープで降下訓練実習、体力測定、広報センター見学…。生徒の生活態度まで変化したという2日間の訓練は、どのようなものだったのか。
とりわけ強い印象を残した降下訓練の指導にあたった駐屯地広報班長・鴨志田武人1尉は「声の小さい者は気合の足らない証拠。まずは大声で返事をさせる。注意力の必要な実習の際には『さん』や『くん』などでは呼びません。学生生活に喝を? いや、もっと長い目で考えてほしい」と語っていた。「人間が最も恐れる高度は11メートル。それ以上でもそれ以下でもだめ。降下には勇気が必要だが、内なる恐怖に訓練で打ち勝つことを少しでも学び、生徒たちも成長すれば、駐屯地としてもうれしい」。今後のインターン受け入れにも意欲的だった。
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