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<家庭ひろば> |
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ヒット商品は偶然に |
あったらいいなの視点 |
主婦の発明家展 |
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今年創立50周年を迎えた社団法人婦人発明家協会が、「主婦の発明家展」(横浜・高島屋)を開催。発明家35人が約350の発明品を展示・即売した。その中からユニークな商品を紹介しよう。
【パットで足を調整】
股関節脱臼で両足の長さが異なる小久保正子さん(65歳)。外出時は靴の高さを調節するが、家の中では片方だけスリッパを履くなど不便な思いをしてきた。家で過ごす時間の力が長いのだから入れ歯やメガネのようにいつも身に付けられるものをと「足ピタガード」を考案した。
薄いポリエステルの靴下の底に調整パット(高さ1〜3センチ)がついていて自分にあった高さを選び、この上から足袋や靴を履く。利用した人から「姿勢がよくなり腰が楽になった」と好評だ。交通事故や手術で足の長さが異なる人、小児まひの人なども利用している。一足3,400円。サイズを合わせて履き、そのまま購入して帰るケースが多い。
【家でもステッキ】
骨粗しょう症で寝込んだのをきっかけに「家でもステッキ」を考案したのは唐沢いささん(77歳)。市販のつえが使いにくいので自分で作ろうと、アルミ製パイプを2本購入した。失敗するといけないのでたまたま2本買っただけだが、どうやって短くしようかと2本のパイプに体重をかけたら背中がすっと軽くなった。そこで2本のアルミ製パイプを3本の横棒で固定した。人の手を借りずに立ったり座ったりできるのでまさに自立ステッキだ。重さも約400グラムで軽い。
「これを使うようになって家の中で2,000歩も歩けるようになった。荷物も運びやすいし、庭の草むしりでかがむ時も楽。もちろん、外で階段の上り下りやバスや電車の乗り降りにも重宝するので、外出するのが億劫でなくなる」と唐沢さん。1本1万円から1万2千円まで。
【楽にソックス履く】
リュウマチで足を手術後、前かがみができなくなり自分でソックスを履けなくなってしまった武田吟子さん(63歳)は「らくらくソックス」を考え、いすに腰掛けたままひとりでソックスを履けるようになった。お腹が大きい妊婦にも便利グッスだ。
いずれも女性の「あったらいいな」の視点での発明品で、次々に人が訪れ納得しては購入していった。 |
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ゴージャスなアート |
フラワーデザイン競技 |
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「フラワーデザイン競技会」(日本生花通信配達協会主催)の全国大会が東京で開かれ、ブロック大会で勝ち抜いてきたフローリストたちが腕を競った。
▽日持ちの技術も
大会はアートとギフト商品部門に分かれ、アートは花のオフジェ、ギフトはフラワーアレンジを競った。
アート部門今年のテーマは「ティータイムのテーブル」。花器の代わりにアーチをテーブルに設けてランなど華麗な花をアレンジ、野草だけの小さなガーデンにバラをすき間なく生けたテーブルをセット、プリザードフラワーと生花の組み合わせ、竹のテーブルに花をあしらうなど、いずれもダイナミックでゴージャス。
審査は発想やデザインだけでなく水あげや日持ちの技術も採点され、炭を効果的に使った東京のフローリストの作品が優勝した。
日本のフローリスト(花屋)は伝統的な生け花に加えて、欧米やアジアなど世界各地の盛り花やアレンジメントを吸収しており、今大会でも、その技術やデザイン力は世界的にも高く評価されている。 |
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便秘の改善策 |
水分摂取、適度な運動を |
ストレス・過労も原因 |
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便秘で悩んでいる人は多いが、きちんと理解している人は少ない。理解して効果的に改善する方法を松島病院肛門科(横浜市)医師松村奈緒美さんに聞いてみた。
▽排便回数ではない
便秘は必ずしも排便回数が少ない状態ではない。3日に一度であってもそれが「そう快で快い」排便であれば問題なく、逆に毎日でも残便感や硬くて出にくいなどの困難感があれば便秘で、その人にとって満足する排便でない状態を指す。
いろいろな病気や薬剤の副作用で起こることがあり、急激に起こるものや、進行性の場合は特に注意が必要だが、慢性の多くは、そうした原因がない機能性便秘で、弛緩性(結腸性)、けいれん性、直腸性と3つのタイプに分けられる。
▽3つのタイプ
弛緩性は腸の緊張が低下し蠕動(ぜんどう)運動(食べたものを順序よく先へ運ぶ運動)が弱くなり便秘になるもので、運動不足や食事摂取量が少ない人、老年者に多い。
けいれん性では、腸がけいれんして収縮し狭くなり、便の通過が妨げられ腹痛や便秘を起こす。蠕動運動が乱れるためコロコロ便や下痢も繰り返される。環境の変化、ストレス、過労や睡眠不足による自律神経の不調が関わることが多い。
便が直腸まで降りているのに排便できないのが直腸性。便意を我慢したり刺激性下剤を長期使用すると排便反射が起きにくくなる。
▽生活の改善を
機能性便秘の治療には規則正しい食生活、十分な睡眠、ストレス解消を心がけ、便意を我慢しない。水を毎日1リットル以上摂るなど生活の改善が大切。
食物繊維は一日20グラム摂取が目安。便を柔らかくする水溶性繊維はネバネバしているもの(ヤマイモ・キノコなど)に多く含まれる。ただし水に溶けない不溶性繊維(タケノコなど)は腸を刺激するので、けいれん性便秘には逆効果になる。適度な油脂も必要。腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖はごはんに多く含まれ、整腸効果がある。
自律神経の働きをよくするため適度な運動も効果的だ。腹式呼吸で横隔膜を刺激したりにっこり笑ってリラックスすると腸の働きがよくなる。 |
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<家庭メモ> |
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【すり鉢の手入れ】
ゴマをすりつぶした後は、水で洗っただけでは目に話まったゴマは取れない。野菜をざく切りにしてすりつぶしてから水洗いすると、きれいに取れて、次にする時に香りがつかない。
【間接照明の効果】
天井の蛍光灯だけでは部屋が均一の明るさだが、小さな電気スタンドをリビングの隅に置いてつけたり、キャンドルをともしたりすると、部屋に陰影が出て、リラックスできる。
【バルサミコを使う】
イタリア・ロマーニャ州でとれたブドウを熟成させたビネガーで、まろやかで濃厚なコクがある。冷えたトマトに振りかけたり、肉や魚のソテーに数滴垂らしたり、ソテー用ソースに混ぜると、独特の風味とうまみが出る。
【犬の散歩】
犬と一緒に歩くときは、リード(ひも)は両手で短く持ち、歩調を飼い主に合わせるようにする。飼い主より先に歩こうとしたら立ち止まり、足もとに寄せて歩くこと。 |
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<ホーム ライブラリー> |
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お姫様とジェンダー |
アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門 |
若桑みどり・著 |
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日本政府は男女共同参画基本法で、女性と男性の平等社会を実現しようとしている。しかし、現実にはその実現はほど遠いことも女性達は感じている。その背景に、男性も女性も小さいときから「男らしさ」「女らしさ」という刷り込まれた思想があるからだ。
例えば、親は子供に対してこんな風に育ってほしいという期待があり、男の子だったらたくましくて責任感のある人に、女の子だったら素直で思いやりのある人にと、知らず知らずに規範に縛られて育つ。あるいは「男は仕事、女は家庭」と性別による固定的役割も教えられる。
ところがこうした男性が女性の上に立つという不平等な構造にほころびが見えてきたのが現代だ。男性が経済や家族を支配している家庭では、家族が平等な権利と義務を分け持つことができない。自身の尊厳を持つことができない女性は、自立性も失い、子どもも生みたがらない。日本の少子化はその現れともいえる。
本書は、人類が長い間に作ってきた男女差別の仕組みを、白馬に乗った王子様が現れることを待つだけの白雪姫、シンデレラ、眠り姫といった童話から解きほぐしていく。また著者の教える女子大での「ジェンダー学」のテキストでもあり、今どきの女子大生の考えもよく分かる。
男女が共に主体であり、対等に協力できる社会を作り出すことが、その国の活力を生み出すことだという認識を男性こそ必要なのかも知れない。206ぺージ。(ちくま新書・本体680円) |
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ひとりが、いちばん! |
橋田壽賀子・著 |
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「となりの芝生」「おんな太閤記」「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」など、印象に残るテレビドラマを作り出してきた著者が、自分の生き方を語ったエッセイ集。
「頼らず、期待せず、ワガママに」というサブタイトルのように、夫にも人間関係にも一本筋が通った生き方は、本当の自立とは何か、考えさせられる。
著者は15年前に夫を亡くし、子どももいない。しかし、78歳の今もまだ連続ドラマを書き続けて、来年にはそのドラマのパート7が始まる予定だが豪華客船で南極へ行くと、その番組スタートを遅らせる。「人生は一度だけ。行きたいところへは行こう」と語る。
長年の仕事があるからこそ、周囲に迷惑は掛けられないと、健康管理に気をつけ、そして旅行を楽しむ。さらに夫の遺産で新人の脚本家を発掘したいと財団を作り、テレビの発展に貢献する。
夫を亡くした後、どの様に生きるか、多くの女性達は悩んだり迷ったりするが、さばさばとそしてスッキリした橋田壽賀子流の人生論が語られている。46判、214ページ。(大和書房・本体1,500円) |
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