厳しい就職戦線に挑む こわばった表情で志望動機を話し、熱心に会社の説明に聞き入る。次回の面接は−−。企業の冷静な値踏みに、内に秘めた熱意で面接するのは181名。各駐屯地から集まった任期制隊員たちだ。11月19日、練馬駐屯地体育館で今年度2回目となる合同企業説明会が行われた。156社の企業が参加し、各社ブースを訪れた隊員と個別面談した。自衛隊援護協会東京支部と東部方面隊主催で行われ、平成8年に全国にさきがけて実施されて以来、年に2回ずつ行われている。 午前9時から開始され、まずは主催者の挨拶。参加企業、とりわけ毎回参加の企業に感謝を述べたのは、援護協会・西田憲正東京支部長。災害派遣やPKOで国の任務を達成した者として隊員たちを見てほしいと挨拶した。次に東部方面援護業務課長・樋口徹1陸佐が登壇し、説明会への理解と協力を訴えた。続いて東京地連部長・用田和仁陸将補が挨拶し、出会いを祈念するとともに予備自衛官制度への理解も求めた。 全般にわたる説明の後に隊員たちが堰を切って入場し、希望する企業の机に向かい個別面談。また会場にはPCによる職業適性診断やUターン、Iターンの相談コーナーが設けられ、相談員に熱心に質問する隊員の姿が見られた。 「すでに上下関係に慣れて教育されているので基礎は十分。なによりもやる気」と某企業担当者。また、隊員たちの住居も選考のポイントだという。 一方で隊員たちの志望はどうだろうか。ひとり4社から7社ほど、多い人はそれ以上面談している。また「職種よりも場所」という声も聞かれた。「故郷で就職したい。(地元に)支社のある企業を1社だけ面談した」という。「人生かかってるんでしっかり考えたい」。 他方でブランドイメージのあるサービス業種に行列ができる傾向も。また、あらかじめ配布の求人票を見て福利厚生のしっかりしたところに人気が集まったようだ。 「正社員、月給制、福利厚生。援護として、これはまず確保してあげたい」と言うのは東京地連の仲井利明曹長。「雇用状況がよくなる兆しは残念ながらまだありません」と厳しい情勢にふれつつ「援護の仕事は防衛庁の看板を背負った第一線です。隊員の家族にこれほど感謝される職種はありません。やりがいがありますよ」と語っていた。 8年間で蓄積された経験が生かされ、求人票や面接予約カードなど利用方法が整備されシステマチック。会場も業種ごとに色分けされ、機能的に進行した。 通勤が近くスキルや資格のある場合は企業から逆指名も。それぞれの駐屯地ごとに集合した担当官は予約カードと指名カードの整理に追われ、「また逆指名!」という嬉しい悲鳴も聞かれた。(入船浩之)
「援護担当者を教育」 セミナーを受講し講師に(株)日本マンパワーの行政事業支援課長を招聘。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)の資格を有する就職支援のプロは再就職支援要領、就職援護のポイント、自己分析の重要性を説いた。参加した援護官は「就職援護の方向性を見出すことができた」
<愛媛地連>