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   2003年9月1日号
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第52回日本実業団水泳大会
体校選手が3連覇達成
男子団体
 第52回日本実業団水泳競技大会が8月2、3日の両日、全国から314団体、1,201名が参加して沖縄県那覇市で開催され、自衛隊体育学校(校長・那須誠陸将補)は11種目6名が参加した。
 6名の選手は、一般男子団体で3連覇を成し遂げたほか、個人では8種目で優勝。400mリレー競技でも自由形、メドレー両種目での優勝を果たした。
 体校選手の成績は次のとおり。
 ▽仲下力=平泳ぎ100m、同200m優勝▽伊藤秀介=自由形200m、同400m優勝▽奥野智弘=自由形100m優勝、同200m2位▽谷口晋矢=個人メドレー200m2位、バタフライ200m優勝▽北田健太郎=背泳ぎ100m、同200m優勝▽宮嶋武綱=自由形100m4位、平泳ぎ100m22位
 〈水泳班監督・石井弘1陸曹コメント〉体育学校水泳班は選手6名という少人数でありながら、日本実業団大会に3連覇の偉業を達成できたことは大変光栄だと感じています。特に今大会第2位のJEF東日本京浜(旧NKK)、3位TOYOTA、4位富土通、ミキハウス等の強豪チームに、これまでなかなか勝てない状況でしたが、仲下2海曹、伊藤2海曹、奥野2陸曹、谷口2陸曹と日本選手権等でトップクラスの選手が体育学校に入隊し、この大会に実力を発揮してくれたおかげで3連覇することができました。
 2位のJFE東日本京浜は選手が19名という強豪チームで、総合得点を競う一般男子の部で、選手が半数以下の体校が総合優勝できたのは選手・コーチのおかげだと痛感しました。
 大会が始まる前には3連覇できない、リレーも組めないと不安で一杯でしたが、大会が始まると予選のリレーではコーチに泳いでもらい、表彰式では選手が次の試合があるためコーチが替わりに表彰台に上がってくれたり、また選手も得意種目でない種目まで出場し、点数を上げるため全力を尽くしてくれました。
 この試合はチームが一丸となって勝ち得た総合優勝だと思います。今年9月、静岡で行われる国民体育大会に自衛隊体育学校から5名の選手が上位入賞を目標に出場します。そして来年4月に開催される最大の目標、オリンピック予選に向けて必死に練習を続けます。水泳班から才リンピック選手がでるように選手・スタッフ頑張りますので宜しく応援お願いします。

カップル誕生を演出
海自舞鶴海曹会
 舞鶴海曹会(会長・川村大和曹長)は7月27日、舞鶴教育隊厚生センターで舞鶴自衛隊父兄会と白菊会の協賛を得て、恒例の「ナイスミーティングちゃった2003」を開催した。
 今回は、舞鶴近郊に在住する「自衛官との結婚を夢見る女性」と「良き伴侶にめぐり会いたい男性隊員」合わせて24名が参加した。まずは、お互いの自己紹介で緊張の糸をほぐし、和やかな雰囲気が盛り上がったところでフリータイムに移り、いくつかのグループが自然と出来上がった。20時を過ぎると祭りの花火が始まり、一瞬花火に気を取られたように夜空を見上げる姿が見られたが、気がつくといつの間にかいくつかのカップルが誕生していた。祭りの花火も佳境に入りクライマックスに達した時、暗闇に消える二人の影やあちらこちらでの熱い語らいが交わされていた。
 花火の終演とともに催しは終了し、男性陣が見送る中、女性陣からは「また来たい」、「これからもいろいろなイベントに参加したい」との声を残し、参加者は会場をあとにした。
 この会を主催催した海曹会の会長以下スタッフの奮闘を参加者に感謝され、後日お礼の連絡があり、当日聞けなかった相手の連絡先を問い合わせる女性もあったとか。来年も花火の下で新たな恋が芽生えることを願う。

庭の草刈りや室内清掃
特養施設でボランティア活動 車椅子も寄贈
徳教群・少林寺拳法部6名
 徳島教育航空群(群司令・平田昭文1佐)の少林寺拳法部(部長・平島芳宏2曹)6名はこのほど、近隣の特別養護老人ホーム(和光園)を訪れ、庭の草刈りを行った。
 この庭は、当園の利用者にとって日常生活に欠かせない心の拠り所で、園の職員だけでの整備は大変であるとのことから、同部が平成11年からこの活動を始めた。以後、毎年この時期の草刈りとともに車椅子の整備や室内の清掃等を実施し、喜ばれている。
 また、今年は同部員達が毎月貯金したお金を少しでも役立てて欲しいとの思いから車椅子を購入し寄贈した。

4師団司令部付隊新入写真体験入隊を支援
 第4師団司令部付隊(隊長・長尾篤3佐)は、7月29日〜31日の3日間、?ランテック(本社 福岡市)の新入社員20名(うち女性7名)の隊内生活体験入隊を支援した。
 29日11時30分、雨模様の中、着隊報告を行った後、戦闘服に着替えて早速訓練を開始。基本教練では、慣れない号令や動作に悪戦苦闘。また体力検定では、1位となった学生が記念品を手に思わずニッコリする1コマもあった。
 最終日は早朝4時から行軍を開始、約10キロの行程に挑戦した。足を痛めながらも、教官・助教に励まされ、約3時間かけて見事全員が踏破した。

島民300名、落語を堪能
空自見島分屯基地
 毎度ばかばかしいお話といえば「落語」−−7月14日、航空自衛隊見島分屯基地で「林家木久蔵」師匠の弟子にあたる「林家きく姫」師匠と「林家きくお」さんによる落語講演会を開催した。
 この講演会は、航空自衛隊連合幹部会の紹介と協力並びに見島自衛隊父兄会の協賛と見島中学校からの会場提供を受け、航空自衛隊見島分屯基地が主催した。
 見島といえば「共同一致」で知られ、自衛官とその家族は島民と一体化した日常生活を送っており、喜びも分かち合う感性が自然と生まれてくる。ちなみに見島にプロの落語家が来たのは初めてで、「落語を幅広く隊員家族と島民の方に見聞してもらいたい」という基地側意向に応え、まず最初にお笑い界の貴公子「林家きくお」さんによる露払いの後、都会に咲く一輪の花、落語会のマドンナ「林家きく姫」師匠による落語で体育館会場は笑いの渦となった。=写真
 「林家きく姫」師匠はNHK週間子供ニュースでレギュラー出演中の健康美あふれる芸人ということで、当日の見島は、約10日ぶりに梅雨空をかき消して晴天となり受け入れ態勢は天も見方に万全なものとなった。しかし、梅雨前線の南下に伴い見島周辺海域上空は北風により、波はやや高く、船はバタコンロッキングチェアーモードに突入。見島に到着した「きく姫」師匠は青い顔をして上陸し、事後の講演への影響が懸念されたものの、そこはさすがプロの芸人魂で大復活し、隊員とその家族や島民約300名を超える観客はまさに一体化し、落語講演会は無事終了した。

<論陣>
若年の犯罪が急増中
新学期に親子の対話を
 ほとんどの小、中学校も新学期である。ことしの夏休みの日本は10年ぶりの冷夏。お楽しみ計画も吹っ飛んでしまった人も多い。おまけに宮城県では連続大地震につづく台風禍、九州、北海道は集中豪雨とほぼ日本全体が自然災害に見舞われた。そして青少年が引き起こす"凶悪犯罪"は、あとを絶たないどころか、逆に増加傾向が目立った。万引き、強盗、売春、家出、強姦などの悪質犯罪が横行した。携帯電話のメールで知り合って簡単に心中?する者が出たのも、ことし上半期から夏休み中までの特徴だった。
 「あなたのお子さんを監視しなさい」など偉そうなことは言わない。新学期を迎えて、一度だけ親子で会話してみては−−を提案する。結論はひとつ。「たった一度だけの悪さで、100人の友達を失うよ」である。事実、おもしろ半分の万引きで警察のやっかいになった少年が、それまで仲良く遊んでいた全友人から村八分的あつかいを受け、その学校に通いづらくなり、泣く泣く転校していった例は数多い。特に情報化社会の現代、その手の情報の伝わりも速く、転校先でも「あいつは泥棒だ」と後ろ指差されるのだという。文字どおり"1回の悪事が100人の友を失い、ひいては将来を台無しにしてしまう"ことだけは間違いない。
 わが子との会話はむずかしいかも知れないが、子どもを頭から押さえ付ける親の姿勢ではなく、わが子の人格を認めながら、一度だけ、じっくりと話し合うことが、いま、大切なのである。
 パソコンのネット、携帯のメールなどを通じて犯罪に引き込まれる少年少女が目立っている。ある程度の年配の親たちには、見当がつかない。しかし、一度も顔を見たこともない者同志が、メールだけで交際を始め、短時間で"犯罪"実行に突入してしまう。まず、「メールを使って誰と付き合い、どんな形の交際をしているのか」ぐらいは、親として知っておくのが当然であろう。抽象論ばかり書いてもグサリとこない。そこで警察庁がまとめた、ことし前半期の少年犯罪件数を見直してみる。「そんな数字は新聞などで報じられても、ほとんど読まない」親が多い。だが、ことしの少年犯罪の分だけは、しっかり頭の片隅にでも刻んでおいてもらいたい。
 14歳以上20歳末満の触法少年の刑法犯は、殺人、放火、強盗、強姦とも増えている。他人事ではない。あなたが生活している地域でも増えているのである。
 まず、殺人は平年より8割強増えて63人である。ついで放火は2割増えて54人、強盗は876人と殺人とともに過去最多だった。強姦も112人と深刻である。
 少年が少年を殺す事件も目立っている。中でも少年が年端もいかぬ4、5歳の幼児を誘拐の上、ビルの屋上から地上に突き落として殺害した事件はまだ、われわれの記憶に新しい。「うちの子は、まだ、子どもだから……」と、世の親のほとんどは、そう思っている。だが、現実は違う。14歳前後の少年、少女たちの考えは、一人前に近いのである。少年犯罪が起きるたびに社会問題としてよく論じられるのが「学校教育」と「家庭教育」である。親権者側は「学校(小、中学校)での教育が表面的で、教師に生徒たちの個性をしっかりつかんで、その良いところを伸ばそうとしてくれない」と批判する。事実、いじめられての自殺が起きても、学校側からの第一声はいつも"いじめはなかった"である。学校側は「家庭内で親は子どもに甘く、真剣に話し合っていない。だから、子どもたちが出しているサインに気付かない。なにかサインがあれば、学校に知らせてくれれば、それなりの対処ができたのに」と家庭内の親と子の交際に責任を押し付けようとする。教師と親が、この調子では、子どもは「塾組」と「犯罪組」に分かれてしまう。結果、「犯罪組」はインターネット、メールを使って、ますます高度化、凶悪化の道に深まり、最後には、あがいても、悪の池からはい上がれなくなってしまう。警察庁の統計が、それをはっきり物語っている。最後にいま一度訴える。「新学期の始めに親と子の対話をしてもらいたい」。

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