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自衛隊ニュース   1091号 (2023年1月15日発行)
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ノーサイド
北原巖男
スタートに際して

 「日本は今年、G7の議長国として、広島サミットを主催し、また、国連安全保障理事会非常任理事国を務めます。力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否するといった我々の強い意思を、歴史に残る重みをもって示して行きたいと思います。
 昨年決定した国家安全保障戦略も踏まえ、我が国自身の外交的努力を更に強化し、さらには、その裏付けとなる防衛力の強化などにも全力で取り組みます。国家・国民を守り抜くとの総理大臣としての使命を、断固として果たして参ります。」(令和5年1月1日 岸田内閣総理大臣 令和5年年頭所感 首相官邸HP 筆者抜粋)
 我が国にとって、米国やG7等の同盟国・同志国との関係、韓国やASEAN諸国(現メンバー10カ国+昨年、加盟が基本的に認められた東ティモールを含む)との関係、台湾との関係、そして戦狼外交を展開する中国やロシア・北朝鮮との関係等、外交力がこれほど複雑かつ同時多発的に求められているときはありません。我が国の総合力は、残念ですがもはやかつての勢いはありません。他方、我が国周辺諸国や途上国はグングン力を付けて来ています。
 岸田首相の言う外交的努力の更なる強化、時宜を逸することの無いしたたかな外交の一層重層的な強化は焦眉の急です。
 こうした中、1月8日、陸上自衛隊習志野演習場で行われた陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練始めを視察された浜田防衛大臣は、臨時記者会見で、次のように決意を表明し隊員の皆さんに呼びかけています。
 「昨年12月に新たに策定した戦略文書は、真に国民を守り抜ける体制を作り上げる、戦後の防衛政策の大きな転換点になったと考えております。しかし、防衛省・自衛隊の取組は、新たな戦略文書を策定して終わりではありません。まさに今、スタートラインに立ったところであると考えます。防衛省・自衛隊は、日本国と日本国民を守る「最後の砦」であります。この気持ちを決して忘れることなく、私自身、国民の皆様の期待と信頼にしっかりと応えられるように職責を果たして参りますので、隊員諸君にも私と同じ気持ちを持って、今年一年の職務に精励することを期待いたします。」(令和5年1月8日 防衛省HP 筆者抜粋)
 防衛省・自衛隊の皆さんには、浜田防衛大臣のもと、自らを律する健全な社会人として、そして旺盛な士気と謙虚さ兼ね備えた精強な自衛隊員として、それぞれ任務の完遂に努め、以てどのような事態が生起しても国民の負託に応えて行って頂きたいと思います。
 多くの国民の皆さん、そして僕たち自衛隊OBも、そんな現職隊員の皆さんを心から応援して参りたいと思います。
 しかし、昨年12月26日に防衛省が公表した「海上自衛隊における特定秘密等漏洩事案について」・「海上自衛隊における特定秘密等漏洩事案の懲戒処分について」・「防衛省を退職された皆様へ」を読み進めるとき、僕はOBの一人として大変胸が痛みました。今回の事案は、かつての上司であるOBに対する情勢ブリーフィングにおいて、故意に特定秘密等を洩らしたとして、当該幹部自衛官が免職の懲戒処分を受けています。
 防衛省・自衛隊においては、隊員が例えどんな状況や立場に置かれたとしても、職務上知り得た秘密を漏らすことがあってはならないことは言うまでもありません。その職を離れたり、OBとなってからも同じです。
 特に僕たちOBが改めて心すべきことは、現職隊員をして、今回のように「秘密保全に関する規範意識の著しい欠如が法令違反を招いた」と断ぜられるような可能性や状況に追い込んでしまいかねない言動は絶対に行ってはならないということです。改めて強く自戒して参りたいと思います。
 今回発表された「防衛省を退職された皆様へ」は、次の2点を求めています。
 (1)防衛省職員に対し、守秘義務に違反する情報提供を求めることが無いよう御留意ください。
 (2)守秘義務は、退職後も在職中と同様に負っておりますので、在職中に知ることができた秘密を洩らさないでください。
 今回の事案によって、現職隊員とOBとの接触等は再発防止の見地から厳しくなることと思います。やむを得ないことではあります。しかしそれは、法令を遵守し健全な節度を保ったOBの皆さんが、防衛省・自衛隊の現職の皆さんから公開情報に基づく説明を受けたり意見交換することをはじめ、防衛省・自衛隊の活動や隊員の皆さんを応援・サポートして行くことや、更には防衛政策等に対する国民の皆さんの理解を求める草の根の行動を行うことさえをも尻込みさせてしまうようなものであってはならないと思います。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


読史随感
神田淳
<第117回>

大乗の菩薩道

 日本は世界の中で、特定の宗教を明確なかたちで信じない、宗教に無関心な人の多い国といわれる。それで日本人に宗教心がないかというと、そんなことはない。日本の倫理/道徳的慣習(エートス)の中に、明確に意識されない、半意識的な宗教心が健在である。日本人は心身の清浄を好み、清潔を好む。また、人のあり方として「清明正直(清く、明るく、正しく、直き)」をよしとする。これは自覚がないかもしれないが、日本伝統の神道の倫理であり、宗教心である。
 日本人の宗教信仰に関するNHK放送文化研究所の調査によると、宗教を信仰していない人49%、仏教を信仰する人34%、神道を信仰する人2・7%、プロテスタント0・7%、カトリック0・2%となっている。以下、日本の主たる宗教である仏教に由来する日本人の宗教心について、特に菩薩道について考える。
 日本に伝来した仏教は、釈尊の死後数百年経って一大発展を遂げた大乗仏教である。大乗仏教は菩薩乗といわれるくらい、人が菩薩となって菩薩道を実践することを重んじる。菩薩とは、菩提心(悟りを目指す心)を発し、自利即利他(他者を幸せにすることが自己の幸せである)の修行に励み、仏になろうと努力する人のことをいう。
 菩薩の修行は、大乗仏教の歴史を経て以下の6点に集約されている。これを六波羅密多(六つの完成行)という。1.布施:ものを施すこと、与えること。ものだけでなく、親切にすること、奉仕すること、教育することなど、すべて布施である。2.持戒:戒律を守ること。仏教の戒律の基本は、(1)生き物を殺さない、(2)嘘をつかない、(3)盗みをしない、(4)よこしまな男女の交わりをしない、(5)酒を飲まない、の五戒である。3.忍辱:忍耐することであるが、特に恥・屈辱に耐えること。4.精進:怠らず努力すること。5.禅定:集中して瞑想すること。6.智慧:真理を知る能力を得ること。菩薩は以上の六波羅密多の修行を続けることによって、悟りを得て仏になるとされる。
 菩薩はまた、以下の誓願を立てて修行する。これを四弘誓願という。1.衆生無辺誓願度(衆生は無限に存在するが、願わくはすべてを救済したい)、2.煩悩無量誓願断(煩悩は無量だが、願わくはすべて断絶させたい)、3.法門無尽誓願学(仏教の学問は尽きないが、願わくはすべてを学びたい)、4.仏道無上誓願成(この上もない仏の悟りを成し遂げたい)。最初の誓願は利他の誓願であり、衆生の救済を目的とした菩薩の究極の誓願である。残りの三つは自利の誓願で、三つとも最初の利他の誓願を実現するための誓願と考えるのが大乗仏教の精神である。
 大乗仏教の菩薩道(菩薩思想)は、仏教を信仰する人々を超えて広く、日本人に深い影響をもたらしてきた宗教心だと私は思う。
 日本では神仏が習合しているが、菩薩道の利他行は神道の「世のため人のために尽くす」ことと重なっている。神前で「世のため人のために尽くさせたまえと恐(かしこ)み恐(かしこ)み曰(もう)す」と祝詞を唱えることからわかるように、神道の倫理は「世のため人のために尽くす」に帰着する。また、菩薩は儒教の君子とも重なっている。日本天台宗を開いた最澄は、「国の宝、国の利とは菩薩以外のなにものでもない。仏教で菩薩と称しているものを世俗では君子とよぶ」と言い、菩薩と君子を同一視している。
 菩薩道は、非常に普遍性の高い宗教心ではなかろうか。
(令和5年1月15日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


園児が基地見学
放水に歓声上がる
<芦屋>
 芦屋基地近傍の保育園及び幼稚園の園児たちがこのほど基地見学に来てくれた。見学日はそれぞれ異なる日であったが、両日ともに天候に恵まれ、見学日和であった。
 見学コースには、消防車、航空機及び航空参考館が含まれ、園児たちはそれぞれの見学を楽しんでいた。特に消防班における火消し体験や、消防車からの放水には歓喜の声が上がった。また、第13飛行教育団においては、航空機を間近で見て、大変喜んでいる様子が見られた。
 今回見聞きした経験は、いい思い出になったとともに彼らの将来にきっとプラスの影響を与えることになると思う。今後も子供たちに夢や希望を与えられるような広報をめざしていきたいと心から思った。

自衛官にとっての「人生100年時代」(17)
「生涯学習」や「資格」に関心を持とう

 本シリーズは、今回と次回、退職後様々な人生を歩んでいる先輩の体験談をお送りする。参考にして頂きたい。

8年かけて教養学士の学位を取得
 
 私は、平成22年に自衛隊生活を終え、防衛産業の顧問として第2の人生を始めた。退職後は色々なことにチャレンジしたいと決意し、手始めに「メシの種」に繋がるとは限らない分野を勉強することを思い立ち、放送大学の教養学部(教育と心理コース)を選択した。
 割と余裕がある顧問職とはいえ、週末は記念行事などに出席することも多く、卒業に必要な124単位(60数課目)を習得するために、結局8年かけて教養学士の学位を取得し「心理士」の認定を受けた。
 その中で学んだことは「生涯学習(リカレント教育)」の大切さである。放送大学は老若男女多様な学生を対象としているが、正直、学生の学習意欲の高さや様々な分野の経験知に驚いた。久しぶりに受けた定期考査なども結構緊張感があり、気分をリフレッシュさせる上でも役立った。その上、自分の知識や常識を客観的に知ることになって、如何に無知な分野が多いかにも思い知らされた。

資質と経験と資格の3本柱で

 世の中の動きが進化する中、ごく一部のOBを除き、「元自衛官」という肩書だけではいずれ "賞味期限" が切れる。そのため、「資格」を保有することも大事なことだ。私も現役時代は「資格」の必要性はそれほど感じなかったが、一般社会では自衛隊で培った識能だけでは通用しないことが多い。また、資格取得のための講座を受講することにより、最新の社会情勢なども学べる。自衛官としての「資質」と「経験」に加えて「資格」の3本柱があれば鬼に金棒なのである。
 近年、自衛隊でも隊員の「資格」取得の便宜を図っていると聞いているが、取得は早ければ早いほど有利であり、現役時代に何らかの「資格」を取っておきたいものである。「資格」の種類は山ほどあるので、将来就きたい仕事にある程度の目標を定めて、有用な「資格」を選択することが大事であろう。

「リスキリング」も増加

 加えて、最近の技術革新やビジネスモデルに対応した知識やスキルを習得する「リスキリング」は時代の趨勢である。これは、保有している識能を高める「スキルアップ」とは異なり、急速に進むデジタル化などの分野への社内異動や転職を前提にスキルを身につけることである。世代を問わず、「終身雇用制度」の終焉に対する備えの一つとも言われている。
 このような世の中の動きに対応するためにも「生涯学習」に対する関心と実行が益々必要になってくるだろう。
 最後に、「退職後の人生を充実させるためにはやはり現役時代が大事である」ということを付け加えておこう。任務を全うしようとする使命感やチームワークを大事にする精神などは一朝一夕に育つものではなく、退職後の人生の土台であり、元自衛官としての強みであることは間違いないのである。
 「人生100年時代」、私個人は「生涯一書生」を貫き、貪欲に知識を吸収したいと思いつつ、最近、キャリアコンサルタント資格も取得した。ただ、吸収する速度より忘れる速度の方が早く、もっと早く気がついておれば、と後悔もしている。(Y)

 「退職自衛官の再就職を応援する会」の詳細と問い合わせ、本シリーズのバックナンバーはこちら。https://www.saishushoku-ouen.com/


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