中国・杭州で行われた「第19回アジア競技大会」(9月23日〜10月8日)の成果報告会を兼ねた自衛隊体育学校(朝霞)の創立62周年記念行事が10月21日、同校で行われた。
アジア大会には歴代五輪で計25個のメダルを獲得している同校第2教育課から8種目に21人が挑み、7種目で8人が8個(銀4・銅4)のメダルを獲得した。
記念行事には来賓、職員ら約140人が出席。高木勝也学校長がアジア大会の成果と応援への謝意を述べるとともに、来夏のバリ五輪に向け「学校一丸となってより多くのメダリスト、オリンピアンを輩出すべく精進していく所存です」と決意を語った。
杭州アジア大会体校メダリスト 成果報告
プレーバックア大会
近代五種班の佐藤大宗3海曹は男子団体戦(3人制)で銅メダルを獲得。個人戦でも健闘して6位入賞を果たし、パリ五輪出場権を得た。大会後、「さらなる高みを目指す」と語った。
同班の内田美咲3陸曹と梅村華苗3海曹は女子団体戦(同)で銀メダルを獲得。また、個人戦で内田3曹が4位に入賞し、出場権を獲得した。梅村3曹も6位に入った。
レスリング班選手も健闘を見せ、角雅人3陸曹はグレコローマンスタイル87キロ級で、鶴田峻大3陸曹は同97キロ級でそれぞれ銅メダルを獲得した。
陸上班の石田昴2陸曹は混合男女団体競歩35キロに出場。男子1位の好成績を収め、日本チーム(男女各2人)の銀メダル獲得に寄与し、「気を引き締め直し、これから始まるパリ五輪の代表選考に臨みたい」と次を見据えた。
7人制女子ラグビー日本代表の一員として挑んだ女子ラグビー班の梶木真凜3陸曹は銀メダル獲得に貢献。「中国語の『加油(ジャーヨー、頑張れ)』の言葉がジャパンに送られアウェー感を感じず決勝まで進めた」と振り返った。決勝ではその中国に21-22で惜敗。「課題を修正し五輪出場権を獲得したい」と語った。
ボクシング班の坪井智也3陸尉は男子51キロ級で銅メダルを獲得。しかし、五輪出場枠獲得には届かず、「応援してくださる皆様に申し訳なく、自分自身にもがっかりしている」と雪辱を期した。
(「体育学校ニュース」より)
メダリスト「コメント」
石田昴2陸曹(混合男女団体競歩35キロ銀メダル)
「大会の一カ月ほど前に内蔵疲労を起こし、満足のいく練習ができなかったが、最後まで歩き切れたことは大きな。持久力はあるがスピードが(世界に)追い付いていない。パリ五輪では35キロ種目はなく20キロで争われる。スピードをより磨いていきたい」
内田美咲3陸曹(近代五種・女子団体戦銀メダル)
「団体銀メダルとパリオリンピック出場権を獲得できたことはうれしいけど、個人でメダルを獲得できず悔しさもある。(これから)フェンシングの技術を上げ、戦い方がみんな違う世界の選手に1勝でも多く勝てるようにしたい。ランニングも強化したい」
梶木真凜3陸曹(女子ラグビー銀メダル)
「決勝はチャンスがなく思ったようなアタックができなかったが、ディフェンスでは自分の強みのフィジカルの強さを出せた。東京(五輪)では思い描いていたことができなかった。11月のアジア予選で優勝し出場権を獲得する。全力を出し切りメダルを取りたい」
角雅人3陸曹(レスリング・グレコローマン87キロ級銅メダル)
「優勝を狙っていたので満足できる結果ではなかったが、優勝した選手と(準決勝で)一番五分五分に戦えたと思う。日本人選手は重量級は厳しい(勝てない)と思われていることが悔しい。オリンピックで活躍し、日本人でもやれる(勝てる)ことを見せたい」
鶴田峻大3陸曹(同・同97キロ級銅メダル)
「大会前に聞いた(元横綱の)白鵬さんの講演の『運』という漢字の由来は軍が走る、ということで行動しないと運は巡ってこない、という言葉が大きなきっかけになった。気合、根性、忍耐が自分の取りえ。がむしゃらに走り続けて結果を出すことができた」
坪井智也3陸尉(ボクシング・男子51キロ級銅メダル)
「準決勝の選手(五輪金メダリストのウズベキスタン人強豪)にはしっかりと対策し、問題ないだろうと思っていたが、ミスもあり判定負けした。決勝進出者に与えられる出場枠を取れなかったことより、その選手に勝たなかったことが悔しい」 |