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スペーサー
自衛隊ニュース   1110号 (2023年11月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
新たな一歩
 10月26日、防衛省の隣にある「グランドヒル市ヶ谷」(防衛省共済組合運営)。この日、全国各地から様々な分野の多くの皆さんが駆け付けました。目的は、本紙「防衛ホーム創刊50周年記念祝賀会」。
 祝賀会は、吉田佳子社長の、防衛省・自衛隊の皆さん・読者の皆さん・企業の皆さん等に対する感謝の気持ちいっぱいの、明るくエネルギッシュな開会の辞で始まりました。
 前社長の所谷尚武会長のご挨拶は、創刊当時の防衛庁・自衛隊を巡る状況や支援してくださった方々についての思いが、静かに伝わって来るものでした。
 僕は、元防衛政務次官であり公明党の国会対策委員長を務められ、その後も親身なご指導を賜って参りました東 順治先生(10月17日に急逝されました)から頂いたショートメールを思い出しながら、所谷会長のご挨拶に耳を澄ませていました。
 東 順治先生は、「自衛隊員家族 紙面で支え」との見出しで掲載された2022年10月25日付け「高知新聞」の所谷会長へのインタビュー記事をご覧になられていました。
 「確かに自衛隊に対する国民の眼差しは、私が防衛政務次官だった頃と比べても大きく変わりましたよね。その陰には、この所谷さんのような方の長い歳月の献身があったのでしょうね」
 木原 稔防衛大臣を始めご来賓・参加者の皆さんは、それぞれに本紙と関わられ、半世紀の歩みに敬意と感謝を表されると共に、新たな一歩へ熱い声援を送っていました。
 本紙社員の皆さんも、当日配布された式次第の中で、「自衛隊の皆様に寄り添い、創刊当初の目標を見失わずに努力を続けて行くことを、改めてお誓い申し上げ、これからも防衛省・自衛隊の側で応援し続けて行きたいと思っています。 防衛ホーム新聞社 社員一同」と、力強い挨拶をされています。
 いつでも、どこでも、自衛隊員の皆さんやご家族の皆さんの傍にいて、皆さんを励まし、応援し続けている唯一無二の存在。そんな本紙の次の50年に向けた新たな一歩に、皆さんと一緒に力いっぱいのエールを送りたいと思います!
 本祝賀会に、僕は高知県から駆け付けました。実は、新たな一歩が高知県で始まっているのです。
 それは、日本初の東ティモールからの技能実習生のこと。東ティモールは、独立回復から既に21年を経て、未だ自国産業が育っていません。そのため、若者の雇用問題は国の最重要懸案の一つとなっています。
 その東ティモールから、本年9月18日、日本で初めて技能実習生7名(男性3名・女性4名)を受け入れてくださったのが高知県なのです。7名は、一か月の研修を経て、各農家等にて技術実習を始めたばかりです。
 僕は、元防衛大臣であり日本東ティモール友好議員連盟の会長である中谷 元 先生をはじめ、高知県・高知県中小企業団体中央会・高知アグリファーム協同組合(監理団体)・受け入れ先の農家等の皆さん達が、東ティモールの技能実習生を温かく迎えてくださっておられることに、心から感謝申し上げております。
 とかく問題が多く、見直しが行われている技能実習生制度です。今回、僕は、東ティモールにて技能実習生の候補者の皆さんに日本語を教えている丹羽千尋さんと一緒に技能実習の現場にお伺いしました。技能実習生の様子を直接拝見し、また関係の皆さんのお話を種々伺う中で、技能実習はもちろん、日常生活や余暇を含めて、高知の皆さんが、種々心遣いしてくださっておられる姿に接しました。とても嬉しく、また有難く思いました。
 激励した技能実習生の皆さんは、日本語もビックリするほどに上達していました。しかし実習を始めたばかりの皆さんです。全く違った環境の中で、これからいろいろ辛いことやご苦労にも直面して行くことと思います。
 監理団体や受け入れ先の皆さんが、共通して懸念されておられたことは、技能実習生に心配事や希望を聞いても、「ありません」とか「大丈夫です」との返事が一様に返って来るだけということでした。今は、緊張感でいっぱいの技能実習生だと思います。少しづつ心を開いて行って頂きたいと思います。そして元気に、高知に来てよかった、日本に来てよかった、そう思える滞在になって頂きたいと思いました。
 彼らの新たな一歩を、心から応援したいと思います。
 彼らの一歩は、次に続く皆さんの一歩でもあります。
 Yes,you can do it!
 
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

「防衛ホーム」創刊50周年記念祝賀会
木原大臣挨拶全文
 この度は、「防衛ホーム」創刊50周年、誠におめでとうございます。先月、防衛大臣を拝命し、市ヶ谷での着任式や各自衛隊の初度視察を実施したところですが、今月の防衛ホームでその様子について早速取り上げていただき、大変ありがたく思っております。
 特に、10月1日発行号では、石垣駐屯地視察の際に、八重山警備隊で大臣旗手を務めてくれた私の高校の同級生と再会した時の写真を表紙で一番大きく取り上げていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
 防衛大臣として各部隊を回っておりますと、隊員諸君は、「国を守る」という共通の使命を果たすべく、それぞれの持ち場で懸命に任務に励んでくれていると改めて感じます。そして、そうした防衛省・自衛隊の活動を長年にわたって取材し、発信をしていただいているのが、防衛ホーム新聞社の皆様です。
 私自身、叔父が海上自衛官でしたが、自衛隊員はその任務の性質上、長期間家族と離れることも多いです。そうした中で、隊員の御家族にとっても、防衛ホームは隊員の活躍を知ることができる大切なツールとなっています。
 また、少子化が進む今日、これからの国防を担う優秀な人材を確保することは、喫緊の課題です。コロナ禍を乗り越え、基地・駐屯地の一般公開が再開されつつありますが、若い人々に防衛省・自衛隊をいかにして知ってもらうかがポイントであると思っています。
 この点、防衛ホームは、若者に自衛隊への興味を持ってもらうきっかけにもなっていると考えています。
 この他にも、防衛力の抜本的強化の一日も早い実現や、防衛施設の更新、ハラスメント防止対策、隊員の処遇改善といった様々な課題に対し、防衛大臣として、隊員と共に全力で取り組んでいく所存ですが、こうした取組を進めていくためには、国民の皆様の御理解は大変重要です。防衛ホーム新聞社の皆様におかれましては、今後とも様々な御支援を賜れますと幸いです。
 最後になりますが、防衛ホーム新聞社の今後一層の御発展と、本日お集りの皆様の御健勝と御多幸をお祈りいたしまして、私の祝辞とさせていただきます。
 令和5年10月26日
防衛大臣 木原 稔

雪月花
 いくら感謝しても感謝しきれないほどのご好意をいただいた防衛ホームの50年間でした。防衛ホームの中締めともいえる創刊50周年祝賀会を挙行させていただきました。
 本格的に準備に入ったのは8月に入ってからでしたが防衛省や企業さん読者の皆様に後押しをいただいて自分たちでもびっくりするほどの立派な式典になりました。小人数の弊社だけでは到底無理な計画でした。この計画を耳にしたOBさん達が応援に駆けつけてくださいました。防衛協会や援護協会の皆様も明るい雰囲気でお手伝いしていただきました。自衛隊には各種企画やフットワークが自慢の人材が誠に豊富です。現役の時、イベントの会場作りをしていた人、イラストを描いていた人、接遇に手馴れた人など催事会社を思わせる人たちです。
 会場は当然のことながらグランドヒル市ヶ谷に決めていました。グランドヒル市ヶ谷の担当の方と数回の調整の上、10月26日に決定しました。もう2か月しかない状況です。式順やプログラムは元空将補のMさん、看板やポスターは地本などで健筆を振るっていたTさんに曹友刊行事務局の皆様、会社のPVと当日の記録撮影は空自OBのYさんに現職のHさんそしてあだちビデオさん、当日の司会や受付、来賓のご案内、進行管理などはOBさんや現職の方々10名以上に引き受けていただきました。担当別の打ち合わせや全員での打ち合わせは数回しかできませんでしたが、本番は強いチームワークで問題なく乗り切りました。
 いよいよ当日、18時開宴ですが17時前にはお客さんがお見えで17時半からウエルカムドリンクです。久しぶりに会ったのでしょうかOBさん同志の会話が弾んでいるようです。本当に楽しそうな様子を見るとこれだけでご案内を出してよかったと嬉しくなりました。主賓の方々も入場されご挨拶をいただきましたが皆さん愛情のこもったお話でした。
 終宴になり元時事通信の記者をしていた友人は「30年自衛隊をウオッチしているが防衛大臣から統幕長、陸海空のトップがそろったのを初めて見た」とびっくりしていました。みなさまのご協力で創刊50周年記念イベントを終わらすことができました。心から御礼申し上げます。次の50年に向かいます。

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